今朝は清々しい空気に満ちています。

 

珍しく空は晴れ渡り、雲の姿は見受けられません。

 

 

 

短気筒のエンジンをかけます。

 

トラップ・マフラーからは心地よい排気音。

 

充分に温めないと、スロットルを回したときにスコンと抜けることがあるので注意です。

 

準備運動の大切さは、どんなことにも共通していますね。

 

 

サックスも吹きはじめよりも、鳴らしはじめてからのほうが断然スムーズに流れます。

私の技術のなさによるところが多いのかもしれませんが……。

 

 

昨夜は、パソコンを触りながら何気に南佳孝さんの往年のアルバムを聴いていました。

 

『MONTAGE』、『SEVENTH AVENUE SOUTH』、『SPEAK LOW』、『SILKSCREEN』と。

 

ずいぶんと洗練された曲想とアレンジ。

 

夜の首都高が似合います。

 

20代の頃の記憶が脳裏に蘇ります。

 

街のイルミネーションの上をクルージング。

 

湾岸に乗って横浜へ。

 

 

昂ぶる思いを巧みにコントロールして、下心はそっとシートの下へ。

 

ヒップな夜の過ごし方を横目に、アスファルトの道は緩やかなカーブを描く。

 

 

少しだけキザな感じ。

それは、寺尾聡さんの『REFLECTIONS』にも通じます。

 

都会的なヒップさが随所に感じられます。

 

 

今では、どう転んでみても、あの頃のような発熱をともなう風は吹いてはくれません。

 

一過性のはしかのようなものかもしれませんね。

 

 

サックスをやりはじめたのもちょうどその頃です。

 

金子晴美さんのアルバム『マイ・ロマンス』で、

インストルメンタルでの曲、『オール・オブ・ミー』がきっかけです。

 

この曲は、好きな曲のひとつですが、このアルバムでの演奏は素晴らしいの一言です。

 

個々の技術には余裕が感じられ、それぞれのパートは心地よくスウィングします。

 

“よく見せたい”という、かりそめのメッキではなく、本物の貫禄です。

 

例えるなら、ドデカい排気量のアメ車で、海岸線をゆっくりと流すような感じです。

 

 

巡る思いにひょいと邪魔をされ、パソコンを閉じます。

また『アメリカン・グラフィティ』のDVDを――“かつてのポール少年”の残像を探すように――見てしまいました。

 

 

金子晴美さんで『マイ・ロマンス』。

バックの演奏はニューポート・ジャズ・フェスティバル・オール・スターズです。

一時だけ組まれたメンバーだとは思いますが、演奏が素晴らしいです。

推薦曲は『オール・オブ・ミー』です。