だます方法はわたしに向いてなかった。
と、いうか大丈夫になっていたことすらだます作業を行うことで思い出されてしまい、逆に辛くなった。


「猫を思い浮かべないでください」
「白くない猫を思い浮かべないでください」
「丸まってない白くないな猫を思い浮かべないでください」

みたいな。
今まで幸せじゃないと思ってたことは幸せなんだよ、って思い出す行為で
幸せじゃなかった、思い出さなくてもいいことまで思い出してしまった。

back numberのハッピーエンドが不意に流れて涙するくらい、情緒不安定に逆戻り。


最後は辛くて苦しくて今でもうなされるけれど、
「好きだった」ことは純粋に「幸せだった」ことだ、と。
時間がゆっくり流れていったけれど。

過去を思い出すと「幸せだった」ことより苦しみや後悔が押し寄せるから。

無理に思い出して、ひとりで乗り越えようとすると多分壊れる。



いつかもう少し、好きだったことだけを思い出せるようになれればいいな。
それができないなら、好きだったことすら忘れて、何も思い出さないくらいになりたい。