Littlemill 8Years 90's & Cardhu 12Years 80's | Cafe Bar ELIXIRのぷかぷか喫煙所。

Cafe Bar ELIXIRのぷかぷか喫煙所。

新宿にあるウイスキープロフェッショナルとシガーソムリエが居るBARです。

どうも。エリクシルの粕家です。

今年もあとわずかとなりました。

エリクシルは年内30日まで、年始は5日より営業致します。

本年も誠にありがとうございました。

引き続きご贔屓を賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。

 

さて今回のウイスキーはこちら。

左から

Littlemill 8Years 90's

リトルミル8年 90年代

創業は1772年だが、一説によると14世紀からビール醸造をはじめ、

それと同時にウイスキー造りも行っていたとされ、そのためスコットランド最古の

蒸留所といわれている。

1750年に麦芽製造業のジョージ・ブキャナンが蒸留所を購入。

創業の1772年という年はジョージが保税官のための宿舎を建設した年でもある。

つまりこの時代には、ちゃんと納税していたということか。偉い、偉すぎる。(時代は密造がトレンド)

だが蒸留所購入から保税官宿舎ができるまでの22年間についてはどうなのだろうか・・・。

蒸留所はローランド地方のクライド川に面して建っており、一帯は大麦の産地で

湧水も豊富なウイスキー造りに適した土地だ。

1930年までは3回蒸留を行っており、その後2回蒸留となるが、

休業、再開を繰り返し1994年に閉鎖、2004年に火災で焼失した。

残念だが復活の見込みは無いだろう。実に寂しく想う。

シードオイルのふくよかな香り、非常にオイリー。

徐々にモルトの甘みとマスカットのような味わい。

若草の香りが鼻に残る。

近年はボトラーズでのリリースがよくあるが、是非ともオフィシャルを

一度試して頂きたい。よく話題にあがる有名なテイスティングコメント

「濡れた段ボール」は一見の価値あり。

 

Cardhu 12Years 80's

カーデュ12年 80年代

1811年創業、創業者はジョン・カミング。農閑期の副業としてスタートした。(密造)

カミングは密造を犯したかどで3度にわたり検挙され、

カミングの妻へレンは監査官が来ると査察を遅らせるため食事や宿を

用意し時間を稼ぐのだが空しくも終わっていた・・・。女は家を守るとはこのことだろう。

1824年に政府公認として再スタートをきる。カミングの息子ルイスが引き継ぐことに。

このルイスの妻エリザベスの経営手腕が素晴らしく、

19世紀後半にはカーデュの名声は、不動のものとなる。

名声は大企業の目にも留まり、1893年にジョン・ウォーカー&サンズ社に買収されることに。

エリザベスの孫ロナルドは同社の会長、更に親会社のDCL(UDV)社の会長を務め(超大企業)

果てには貴族にまで叙せられるという、ドラマ化してもおかしくないほどの偉業を達成する。

全てはご先祖さまのおかげ、エリザベス・カミングのおかげさまなのかもしれない。

へレンといい、エリザベスといい、女は力強くたくましい。エクセレントである。

今日でもジョニーウォーカーのブレンド原酒として重要な位置を占めている

カーデュは、2007年のスコッチウイスキーに関する法改正に影響を及ぼしたほどの

グレートウイスキーとなったのだ。

モルトの華やかさ、熟したメロン、シルクのような滑らかな舌触り、

優しくエレガントなスパイスとピートがじんわりと続く。

バター様の香りへと変化し、キレのあるスパイスさが顔を出す。

過去にボトラーズでのボトリングは少しあったもののリリースは滅多にないので

オールドのカーデュは貴重といえるであろう。お試しあれ。

 

それでは皆様、よいお年をお迎えください。

 

Cafe Bar ELIXIR

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