もちろんAIデザインなのだが、このぐらいのスパンてちょうどいい
カンジだね。暮らしの中のちょっとしたスキマ。お客同士が背中合
わせというのも面白い。これにオーディオと、おそらく手前にある
カウンター。少しぐらいのアルコールなら気楽に楽しめる雰囲気が
できると思うんだ。
音と遊ぶ。音楽をウリにするわけじゃなく、持ち寄ったCDかけても
いいだろうし、パワーある音の波に揺られていると言えばいいのか、
まあ、うん、そういうことだよ。
あの頃の俺はシャンソンなんて知らなかった。ジャズも聴きかじっ
た程度でね。ブルース、ロック、フォーク、ポップスばかり。通っ
たジャズ喫茶のマスターがエディット・ピアフが好きな人で、シャ
ンソンはそこで覚えた。基本ジャズの店なので、そっちはいつの間
にか覚えていたんだ。
ほかに、津軽三味線、うーん、ハワイアン、ボサノバと、そこのマ
スターって人はジャンルにこだわらない人でして、お客が持ち込ん
だCDを笑いながらかけてくれたもんですよ。
したがってお客のほうもジャズオンリーみたいな人は少なかった。
知らないジャンルは知っている人に訊けばいい、みたいなね、フレ
ンドリーなカンケイができあがる。だから面白いわけですよ。うん。
こんなカンジのサイズ感なら上級ミニコンポぐらいで充分。ゴムボ
ートに乗り合わせて音の波に浮かぶような時間を楽しめるに違いな
い。初対面の誰かと珈琲でも飲みながら、いつの間にか打ち解けて
話せるような、そんな空間がほしくてね。
このぐらいのスペース、どこかにないものか。