和傘の歴史
東洋でのカサの歴史は、中国で、女性が使う天蓋として作られました。飛鳥時代に百済を経由して日本に入ってきました。平安時代になると和紙製造の技術の向上もあり、竹細工を取り入れて改良された傘になり、さらに室町時代になると、和紙に油を塗って防水性を施して、雨傘としても使われるようになりました。和傘の広まりは江戸時代になってからで、元禄年間には医者や僧侶が蛇の目傘を持ち歩くようになりました。歌舞伎や踊りの小道具としても使われるようになり、江戸時代の失業した武士が、カサを作る内職をしていたそうです。明治に入ると、急速な洋傘の普及により、和傘を使う人もほとんどいなくなりました。現在では歌舞伎や時代劇などで使われているほか、固定して使う野天用や、和菓子屋や旅館の店先で、日よけとして使われている程度になってしまいました。