一般的にビジネスの場面において
現場の声を反映させるといった
ことがよく聞かれます。
それは昔からあることですが
一応断っておきますが
現場の声を反映した結果とは
そもそも何に繋がるのでしょうか?
そこがポイントです。
つまり業務改善を目指したとき
意外と現場から挙がって来るのは
単なる不満や苦情だけであることも
多いわけでそこから建設的な
意見が出るかどうかが
まずポイントです。
次に現場から反映した業務改善とは即ち、
現状からの延長線上
ですのであくまでも未来の話ではない
ということです。
もしかしたら現場の声は既に
時代遅れになっているかも
知れません。
ですから最近はそうでないかも
知れませんが、現場の声を反映し
業務改善につなげるといっている
上層部は本来自分たちが成すべき
仕事をしていないのかも知れません。
本来、現場と離れた場所で
新しい事業(業務?作業?)を
立ち上げようとする部署は
取りあえずは現場の意見なんか
とことん無視して大所高所から
ビジネスモデルを作り上げて
行かなければならないのです。
その最も検証すべき
対象がまさに僕が常に
取り上げている
大東亜戦争
なのです。
その最も象徴たるシステムは
戦艦大和とゼロ戦。
ちなみにゼロ戦は最終的に
搭載するエンジンの候補が
二つありました。
瑞星と金星です。結果的に
現場の搭乗員の声を反映し、
技術者の意見を無視して
より馬力の小さい瑞星を採用したのでした。
その為、戦争前半戦こそは
制空権において優位に立っていた
ゼロ戦ですがアメリカの新鋭機が
出てくるととたんに駄目なのです。
何故より馬力の小さい瑞星を採用
したかと言えば、そんなでっかい図体で
空中戦を戦えないという戦闘機乗りの
現状認識から判断された為でした。
確かに現場とは現状の延長にて
常により精度を高める工夫を
主としております。
ですが時代によっては
まったく古くなって不用となる
ことも多々あるでしょう。
ですからあくまでも事象とは
現場と後方の両輪からなる
ものです。どちらも重要ですが
その時々により重要度は変わります。
そして戦争しかり
現在のビジネスしかり
変化の激しいものほど
もしかしたら現場の声は
あまり参考にならない
のかも知れません。
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