カインの冒険日記 -204ページ目

カインの冒険日記

ページをめくれば、そこには物語がある。

      読むドラゴンクエストの世界へようこそ。

バラモスを倒したかいん一行。
一瞬の喜びはあったものの、
まだ冒険は終わらないのだと悟るに至る。
しかし、難しいのは、
大魔王ゾーマの存在を人々に知られずにいること。
バラモスを倒して平和になったと思う人々を
不安に思わせる必要などまったくない。
とは言え、
ゾーマの出現を知っている以上、
人々のお祭り騒ぎに、
かいんたちが乗じることもできない。
この、人々とかいんのわずかな温度差に、
気付く者がいなかったのが、幸いとも言えた。

さて、
かいんは、
バラモス退治の報を持ってあべるバークへと飛んだ。ラーミアで。
願わくば、あべるを開放して、
ともにゾーマ退治に行きたいところではあるが、
ゾーマの存在を公にできない以上、
それも難しいことであった。
そんなかいんに、あべるは何も言わなかった。
ただ「活躍を祈っていますよ。」と言っただけ。
その言葉を聞いて、かいんは悟った。
あべるは気付いている。
バラモスを倒した今も、
まだ冒険が終わっていないことを気付いている。
そうでなければ、活躍を期待している、とは言わない。
おめでとう、よかったですね、と言うはずである。
私も報われます、と言うはずである。
それを言わないのは、
単純におめでとうとも言えない事情であると、
自分の行動が報われたと断言できる事情ではないと、
それに気付いているからに他ならない。
そう、僕らの冒険はまだ続いている。
かいんは、あべるの目を見つめて、強く頷いた。
あべるもまた、かいんを見て強く頷いた。
かいんは、そのまま背中を向けて、
あべるバークを後にした。


ポルトガにサブリナという若い女性がいた。
カルロスという若い男もいた。
かつて、バラモスの呪いで、
サブリナは、夜は猫の姿に、
カルロスは、昼は馬の姿にされ、
ふたりの愛は引きちぎられていた。
しかし、バラモスが斃れた今、
呪いは解け、
ふたりは人間の姿を取り戻し、
昼も夜も、海に臨む公園で語らい合うことができるようになった。
かいんがポルトガに行くと、
サブリナが、呪いを解いてくれたお礼に、と、
誘惑の剣をプレゼントしてくれた。
かいんはありがたく受け取り、
しばらくポルトガに滞在した。
夜、また公園に来てみると、
まだカルロスとサブリナは語らい合っていた。
宿で1泊して、次の朝公園に行くと、
まだカルロスとサブリナは語らい合っていた。
さらに1泊して公園に行くと、
やはりカルロスとサブリナの語らいは続いていた。
こんなふたりを
おもしろい恋人と言わずになんと言おう。
かいんは、そんなことを思いながら、
ラーミアに乗ってポルトガを去った。


かいん一行は、
ゾーマの居城をなんとなく想像していた。
そういえば、以前気になった場所があった。
岩山に囲まれていて、空からしか入れない場所。
バラモス退治を急いでいたため、
あまり気にせず、後回しにしていた場所。
しかし、大魔王が出現した今となっては、
最も疑うべき場所であり、
ラーミアで舞い降りたかいんたちは、
確かに、その場所に強い気配を感じた。
王がいるにふさわしい場所である。

しかし、
その居城にいたのは、
大魔王ではなく、竜の女王だった。
かいんから見たら、
大魔王も竜の女王も同じようなものなのだが、
宣戦布告している大魔王と、協力的な竜の女王を
同一視するわけにもいかず、
とりあえず話を聞くことにした。
「私は竜の女王、神の使いです。」
と、女王は話し始めた。
なんと、自ら神の使いと名乗っている。
では、その神は、
今までいったい何をしていたのだろうと、
かいんは思わずにはいられない。
「もしそなたらに魔王と戦う勇気があるなら、光の玉を授けましょう。」
と女王は続けた。
魔王とはどの魔王のことか。
大魔王ではなく魔王のことか。
大魔王ならゾーマのことであるし、魔王ならバラモスのことである。
いや、バラモスだって、自分で大魔王を名乗っていたのだから、
魔王、というのは、実はかいんは1匹も知らない。
「この光の玉でひと時も早く平和を取り戻すことを祈ります。生まれ出るわたしの赤ちゃんのためにも。・・・・」
その言葉と、光の玉と、竜のタマゴを残して、
竜の女王は息絶えた。
かいんは、光の玉を手に取り、
その場を後にしようと思いながら、
イヤな想像をしていた。
今、この光の玉を持って行くことが、
将来的な争いの種になってしまったらどうしよう、と。
例えば、このタマゴから生まれてくる子竜が大きくなったときに、
「お母さんの形見の光の玉を返せー!」
とか言って、世界を混沌に陥らせることだってあり得る。
そして、後の世で、
お母さんの形見の光の玉の奪回に成功した竜を退治するために、
若い勇者が苦労を強いられることだってあり得る。
とは言え。
今それを考えたってしかたない。
その後の世の若い勇者は、
僕と何の関係もない、縁もゆかりもない者。
彼が苦労することがあっても、
僕にはどうでもいいことだ。
と、かいんは開き直り、
ここ、天界に一番近い竜の女王の城を後にした。
かいんが後の世のことまでわかろうはずもなかった。

ゾーマの居城だと思って行った城が、
竜の女王の城だったわけで、
これからの進路がわからなくなってしまったかいん。
そんなときに、
バラモス城の隣りに、大穴があったのをいぶが思い出す。
3人は、ラーミアに乗って、
大穴に辿り着いた。
意外にも、大穴は、よく整備されていて、
兵士まで配置されていた。
しかし、よく整備されたその壁や床は、今は壊れ、
つい先日何者かが通って行ったのだ、と兵士が言った。
それを聞いた3人は、ピンと来るものがあった。
「父さんだ!」「ゾーマだ!」「カンダタね!」
バラバラだった。
3人は、ごちゃごちゃと自分の意見を主張しながら、
大穴へと落ちて行った。
兵士が覗くと、穴の中から、声が聞こえてきた。
オルテガだ、大魔王だ、盗賊だ。
そういった声も、穴の奥へ奥へと消えて行った。


アレフガルド。
それは、朝が来ない絶望の世界。
ラダトーム。
それは、アレフガルドを統括する役目を担った国。
大魔王ゾーマは、
首都ラダトームから海を挟んですぐの場所に城を構えていた。
そして、
ラダトームより、少し西の小島に、
船を持つ男が住んでいた。
大穴から落ちたはずのかいんたちは、
今、この小島の男の家に立っていた。
落下する途中で、旅の扉のような不思議な力で、
この場所に送り込まれたような感覚だった。
かいんたちが事情を説明するより前に、
小島の男はすべてを察していたようで、
何も聞かずに、船を譲ってくれた。

そして、ラダトームに辿り着いたかいん一行。
かいんは、教会で、
ついに運命の再開を迎えることとなった。
オルテガである。
囚人服に身を包んだオルテガが、
かいんの顔を見るなり、
驚いた顔をして近寄ってきた。
ほら!とかいんは叫んだ。
やっぱり大穴を通ったのは父さんだったんだ!と叫んだ。
かいんは、オルテガと思しき人物に駆け寄った。
父さん!と、オルテガに飛びつこうとしたかいんに、
オルテガが言った。
「やや、あなた様は!私です、カンダタです!」
かいんは立ち止った。
「昔のお礼にいいことを教えましょう。ラダトームのお城には太陽のゴフッ!!」
かいんの右ストレートが、カンダタの左頬を打ち抜いていた。
また騙されたかいんの、怒りの一撃だった。
倒れたまま痙攣しているカンダタを見ながらいぶが言った。
ほら!やっぱり大穴を通ったのはカンダタだったんだよ!
カンダタだったのを喜ぶようないぶに対して、
何故か反射的にかいんの怒りが膨れ上がり、
我を忘れたかいんが、いぶにも拳を向けた。
そして、今度は、
いぶの右ストレートで左頬を打ち抜かれて沈むこととなった。
武闘家と素手でやり合おうとした愚かさに気付いたのは、
あだむに介抱されて目を覚ました後だった。

目を覚ました後も、オルテガオルテガと連呼するかいんだったが、
ラダトーム城に行くと、朗報が入った。
オルテガが生きていた、というのである。
ひどい火傷をしていたものの、
治療の結果、元気になったというのである。
しかし、その後、ゾーマ討伐に向かい、
結局帰って来てはいない、とも言われた。
かいんは、この情報を喜んだ。
今まだ戻らないのは心配であるとしても、
もう10年以上も生死不明で、
それでも、ずっと生きていると信じてきて、
ときにカンダタに騙されて、
その度に、
生きていると思っていたのは、父ではなくカンダタのことであり、
実はオルテガはもう生きていないのではないかと、
落胆したりもしたものだったが、
ついに、オルテガ生存の確たる情報を手に入れた。
火山に落ちて死んだのではなかった。
そう思うと、かいんには勇気が湧いてきた。
そして、なぜだか涙が出てきていた。
火山に落ちたと聞いたからといって諦めてはならない。
10年以上音信不通であっても諦めてはいけない。
そんなことで父オルテガは死なない。
死んだと思って諦めてはいけない。
それに、
死んでいたとしても父さんは父さんだ。
生きていないことがわかったとしても、
僕は父さんを探すのをやめたりはしない。
生きていても死んでいても、
父さんに会うまでは、僕の冒険は終わらない。




かいん(勇者・男):レベル35、HP281
いぶ(武闘家・女):レベル32、HP245
あだむ(賢者・男):レベル31、HP202





にほんブログ村 ゲームブログ ドラクエシリーズへ
にほんブログ村

↑いつもポチしてもらってありがとうございますm(_ _)m