自殺を考えてしまう時の心理状態について、
精神科医のYouTuberであるメンタルドクターSidow先生のツイートが分かりやすいと思ったのが
今回の記事を書いてみたきっかけです。
https://twitter.com/dr_sidow/status/1322000217042907138?s=20
気分の落ち込みの強さは部屋の暗さと似ています。部屋が暗くなると周りが見えなくなって選択肢が減り
— メンタルドクター👨⚕️Sidow🧠精神科×SNS (@dr_sidow) October 30, 2020
“もう死ぬしかない”
と考えてしまう。これが希死念慮の正体。
本当は他の選択肢もあるはずなのに周りがよく見えないから自殺を考えてしまう。
そこで光を照らす手伝いをするのが精神科の役目です
希死念慮というのは「死にたいと願うこと」を意味する医学用語です。
このツイートの「光を照らす」という表現は、
気分の落ち込みを緩和し、他の選択肢も見つけやすくする、と考えればいいでしょうね。
「死にたい」と思ったら、それを実行に移す前に精神科か心療内科を受診するのは大切な手段。
予約〇週間・〇か月待ちなんていう医療機関はスルーして、
すぐ診てもらえる所へ駆け込みましょう。
個人の医師が開業されているクリニックは、紹介状なしですぐ診てくれる所が多いです。
大きな病院の精神科などでは、紹介状がない場合は
電話予約してないと診てもらえない所が多いので要注意。
文字通り命がかかっていますから、医療機関を選んでる場合じゃないような時は
内科や総合診療部など、他の科に助けを求めるのも悪くないでしょう。
必要に応じて対応や紹介などしてくれることと思います。
受診するかどうかも含めて、誰かに相談してみることも大切。
同じく精神科医YouTuberである樺沢紫苑先生は、
一週間ほど前に、同様のテーマについて解説した動画を出されています。
いつもは3~5分で要点をコンパクトに述べていらっしゃるのですが
この動画は10分以上かけて力説されています。
昔何人かの内科医に聞いた話では
自殺未遂の方が内科救急へ搬送されてきて対応することも多いのですが
手当てをして命が助かった方の殆どは、1週間くらいたって落ち着いてくる頃には
「死ななくてよかった」「やはり死にたくない」
とおっしゃるとのこと。
ただし、その頃になって体の具合がむしろ悪化し、死に至ってしまう方法があります。
農薬を飲むことです。
ですから、たとえどんなことがあっても、絶対に農薬は飲まないで下さい。
このことは、頭の片隅にでもいいので置いておいてください。お願いです。
次に、歯科・口腔外科医に聞いた話。
この科が自殺行為と関わってくるケースというのもあります。
1.舌を噛み切る → 緊急手術で舌を縫合して入院
2.飛び降り → 足が下の状態で着地すると、膝で顎を強打し、下顎骨折 → 入院・治療
こういう形で、命は助かって入院治療となるパターンがあるそうです。
内科や外科、口腔外科などの科で治療を受けて助かる場合でも
いずれかの時点で精神科受診を勧められることが多いと思います。
自分で命をどうこうするということを考えてしまうのは、とてもつらいことと想像しますが
どうかそれを実行しないでいただきたいです。
リアルタイムの想いや衝動をどうにかこらえてしばらく経ったら、
気持ちが変わるかもしれないのですから。
また今年はコロナ禍というものがあるわけですが、
新型コロナウイルス感染症よりも自殺で亡くなっている人数の方が多いそうです。
今はGo Toキャンペーンで外出しやすくなってきたとはいえ、
これが始まる前の段階では、
もし趣味の外出や旅行で出かけていたら、もし知人や家族などに会いに行って相談していたら
助かるはずだった命もあったのではないかという気がします。
どうか負けないで。
耐えがたいと感じたなら、別の方向へ逃げるか、相談をしてみて。
きっとほかに選択肢があるはずだから。