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奥の手を試してくれ!

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データ消失の責任をメーカーが問われて敗訴したケースは少ない。

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通常、データの保証という問題はすべてユーザーの自己責任とされている。

データとは消失すれば痕跡すら残らないものなのだ。 元の状態がどうであったか

それどころか、本当にデータが存在していたかさえ、証明することは困難なのだ。


ゆえに、ほぼ世界中どこでもデータを保証の対象にすることはほとんどなく、

回復責任はメーカーには問えない、というのが世間のジョーシキというものである。

そんなことは誰だって判っているのだ。 単なるリクツとしては。


しかし、当事者というものはあんたが悪い、ああそううですか、では納得しない。

解決しなければならないのだ、どうにかして。  


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ダメで元々だ。無理だと言わずにコレをやってみて!

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これほど色々頼んでも、あれもだめ、これもだめ、しない・やらない・かえさない、

では奥の手しかない。 だが、自分でやる前に、メーカーに少しお願いしてみよう。


奥の手、といってもちょっとバラしてパソコンに直結するだけだが。

中のハードディスクを取り出して、直接パソコンに繋げて認識するかどうかを試す。


うまい具合に認識できたら市販の復活ソフトで直接セクタ上の散らかったデータを

集める。 


運がよければファイルが見えて、コピー・ペーストやXCOPYコマンド等で

救い出せるかも知れないのだ。


ディスクの表面にテストデータを書き込む物理テストなどと違い、読み取りを試す

だけである。


サルベージ屋がいくらもったいぶった脅し文句を並べても、物理的に

壊れたディスクでなければそれ以上壊れたりはしないはずだ。


問題は、RAIDというものは一種の独立したコンピュータであることだ。


ディスプレイもマウスもキーボードもないが、ネットワーク上で他のパソコンと

やり取りをしてデータを管理する構造になっていて、独自のOSを持っている。


しかし、その意味ではOSが壊れて起動しなくなったパソコンのHDDからの

データ救出と基本的な手法は同じはずである。


少なくとも、やってみて損はない。これで壊れるほどディスクのデータというものは

脆いものではないのである。

あくまで、物理的に壊れたり、ウイルスその他の意図的なデータ破壊が

行われていければ、だが。

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メーカーに一肌脱いでもらった。 実際、やってもらえる自信はなかった。

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起動しなくなったパソコンのHDDならそのまま他のパソコンにスレーブ設定にして

つなげばデータを救い出せる場合も多いが、RAIDはウインドウズでもマックでも

読めないのである。


この外付ハードディスク(正しくはネットワーク・ストレージ)は独自のOSにLINUXを

使っているそうだ。


今回は、RAID0だの5だの、ストライピングやパリティを使うような面倒くさい設定に

あえてせず、購入時の初期設定である、単なるミラーリングのRAID1である。


だったら。


筐体をばらして中の二台のHDDのうち一台をLINUXマシンにスレーブ設定

(デスクトップパソコンに、内臓ハードディスクを増設する際の簡単な設定)にして

繋げてやればアクセスできるかも知れないじゃないか!


と、押したのである。 まあ、これを読んで「具体的にはどうやるの?」と思う人も

「そんなことをメーカーにやらせようなんて、非常識な!」と怒る人もいると思う。


で、結果的に僕の情熱を込めたお願いを聞いたのか、社長の怒りを何とかしようと

思ったかは知らないが、担当者が個人的に社内でお願いしてみると約束したのだ。


ついでに、サルベージ屋というものが、現実どの位の金額を提示してくるのか

この際だから聞いてみようと思い、ネットで調べてその一つに電話してみた。

すると・・・いやはや、そりゃもう、おっかない世界だと正直思ったのである。


(そのお話は、次回。)


ふっ、ふざけんなっ!

前回の続き・・・

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壊れているのでデータを完全に抹消しなければ修理はお受けできません。

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壊れたハードディスクをメーカーに修理依頼して数日後に帰ってきたFAX。

要約すると、完全にデータはパーになるけど後継機種に交換してあげるか、

壊れたまんま送り返すか選べ。 と書いてある。


頭にきて何十回も電話をかけ続けて出たメーカーの担当者の木で鼻を

くくったような話とは。


○保証期間ですが、保証は機械の故障だけです。

  データはバックアップを取っていないユーザーに責任があります。

  

○データを大切に守るRAIDだから安心だって販売している?そのとおりです。

  一般のハードディスクより安全です。 でも壊れない製品などありません。


○サポート通りの作業中に壊れても、やり方を間違ったのかも知れません。

  だから私どもメーカーには法的な責任はありません。


○後継機種を送ってさしあげてもいいですが、データが入ってる壊れた製品は

 メーカーである弊社の所有物になります。 だから法的にお返しする義務は

 ありません。 中のデータは勿論消します。


○データを返せ?そんなことをする義務はありませんし、技術的に困難なんです。


○お金を返せ? 解約手続きをお教えしましょう。 勿論、データの入った製品は

 お返しできません。お金を返せばこれは弊社の所有物になります。


○他社でデータを有償で救い出してくれるサービスがあります。

 弊社のホームページをご覧ください。

 高額?ええ、そのように伺ってますね。 私は詳しく存じ上げませんが。


○返すか消すかお返事をいただけないようでしたら一週間後にこのままお手元に

 お返しします。 有償サービスを使われるか諦めるか、お客様の選択です。


★約30分ほど話をしたが、担当者が立て板に水を流すようにしゃべった内容は

 要するに、こういうことであった。 一見、正しいことを言っているように見える。


 だが、だったら面倒なバックアップがいらない、非常に壊れにくい素晴らしい

 製品だなどと喧伝して売って良いのか? サポート電話に従って壊れるような

 製品を? 勝手に信じた我々が悪いって言うのか? 何だそれ。


(次回に続く)

凄く安心なハードディスクが、壊れる。

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★★★ぎゃ!ハードディスクがクラッシュ!!!★★★

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世の中パソコンがこれだけ普及すると、ハードディスクが壊れてデータが取り出せ

なくなるという、ぎゃ!な事態は世界中で日常茶飯に起きているんだろうな。


とにかく、大事な会社のデータが入ったハードディスクがアクセス不能に陥った。

赤いエラーランプが無情にチカチカ点滅するのみ。 僕の血圧は一気に上がった。


ただのハードディスクではない。 LAN上に置いて社員みんなで使えて、

インターネット経由で外からも読み書きできる、かつデータの安全性で定評がある

RAIDだったのだ。


購入してから3ヶ月も経たない新品だ。 逆に言えば、それなりにちゃんと動いて

いたのだ。 それなりに、というのは 社内ではちゃんと使えていたのだが社外から

アクセスしようとするとどうしてもつながらない。


サポートセンターというものは、大抵お話中だ。 それでもめげずに修行僧のように

数十回ひたすら電話をかけ続けると、まれにつながる。 一旦切ったら最後、

次につながるのはいつか分からないのだ。 長電話になってもちゃんと解決して

もらわなくちゃ!


で、「ファームウェア」なるものに問題があるらしく、インターネット上で最新の

バージョンが手に入るので、そいつを古いのに上書きすれば直るとのこと。 

なあんだ、設定が間違っていた訳じゃなくて、製品の不備だったのね。


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??言われたとおりにやったのに??

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メーカーのホームページに入って、ダウンロードのページから言われた品番の

最新版のファームウェアをダウンロード。 圧縮されてるので、展開して、と。


さて、アップグレード開始!

処理中のダイアローグボックスが開き、完了するのを待つこと数十秒。 

あれ?エラーメッセージ?何々、問題が生じたのでインストールを中止します・・・


嫌な予感がする・・・仕事中のデータを開こうと・・・しても開かない。

何度やっても「何か問題が生じて云々」とメッセージが出るばかり。

エクスプローラーで・・・ハードディスク自体が表示されない。 何だとおっ!

おいおいおい・・・パソコン再起動・・・ダメ・・・ハードディスク再起動・・・ダメ・・・

何か、赤いランプが点滅してる。 やめてよお、冗談はっ!


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再び、サポートセンターへ

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またも30回近く電話して繋がったサポートセンターは、「どうやら故障のようです。

修理センターにお送りください」・・・どうすんのよ、仕事中のデータ・・・

「あの、あの、RAIDって、二台のハードディスクに同じデータ書き込んでて、

一つ壊れてももう一つが動いてて交換できて安心って、うたい文句ですよね?」


「いえ、今回は全部ダメになってます。一度壊れると、普通のハードディスクより

遥かに複雑なので、簡単には直せません。」


「??じゃ、普通のより何が安心なの?」


「理論上は一台より二台のほうが壊れにくいと。でも丸ごと壊れることもあるんです」


だと。


「ダメじゃん!そんなの!何も安心じゃないじゃないか!何のためにこれ買って

データをまとめて保存したのさ。バックアップを毎回取るのが大変なので、二台の

ハードディスクに同時に書くから、一台壊れても安心だって言うから・・・!」


「とにかく、修理センターに保証書付けて送ってください。」


やれやれ、どういうことなんだ・・・とにかく、修理が済むまで仕事が中断だ・・・

ため息をつきながら、それでも保障期間内だから無料だな、送料も向こう持ちで

いいんだよな、などとのんきに考えていた僕に、数日後、胃痛で下痢しそうな

FAXが届いたのである。(次回)