雪の重さ | In My Life■無印良品の家

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毎日のように、豪雪地帯の雪かきの映像を目にします。テレビ

今年の降り方はハンパじゃないですね。

全国の天気予報を見ると、新潟は毎日雪マークが付いているな気がします。雪




屋根にどっさりと雪が積もった住宅を見ると、
「重さで潰れないかな?」

って心配になりますよね。


え?ならない?まぁいいか。にひひ




結論としては、ちゃんと建てられた建物なら、

雪の重みで崩壊することはまずあり得ないでしょう。


「ちゃんと建てられた建物」っていうのは、某リフォーム番組でよく

見られるように、“老朽化して柱が浮いていた”とか“リフォームの時に

柱はちょん切った”とかいう不適切な状態にない建物、という意味です。




建築基準法では、積雪量の多い区域ではきちんと

積雪荷重も含めた構造設計をするように定めています。


さらには、雪が積もった状態の時に地震が起きても

崩壊しないように荷重を設定して、設計を行います。


ですから、雪の重みだけで潰れるような建物は、

そもそも何らかの欠陥があった、ということになります。




とはいえ、雪の重さは侮れません。


ふわふわの新雪は綿のようなイメージでも、降り積もって
締め固められた雪はそれなりの重さがあります。


建築基準法では、雪の比重は0.2以上として

設計するように定められています。


この数値は、例えば新潟市では0.3とするなど、雪の種類や

積雪量などの過去の研究データから、地域によって定められています。





さて、比重が0.3、つまり「水の3割」の重さの雪が、

屋根全体ではどのくらいの重さになるのでしょうか。

例えば、5間×4間20坪)の広さの屋根に1mの雪が積もったとします。


 0.3 × (20 × 3.3) × 1 = 19.8 

<t/㎥>     <㎡>     <m>   <t>


※学校で、比重は「g/c㎥」と習いましたが、「t/㎥」も同じです。



つまり、屋根全体では約20トンもの重さの雪になります。

単純に考えれば、2m積もればこの倍の重さ(約40トン)です。


すごい重さですね。ビックリマーク

逆に言えば、建物はそれだけ丈夫に造られているということです。


もうちょっと詳しく知りたい方は、こんなページを見てみてください。(↓リンク有)

(社)日本金属屋根協会/テクニカルリポート/積雪荷重に関する考え方