応急危険度判定員 | In My Life■無印良品の家

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建築士の視点から見た「無印良品の家」(木の家)の紹介を中心に、
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1ヵ月ほど前に、講習を受けてきました。

注文住宅の建て方■無印良品の家-講習会
↑定員500人、都庁のホールにぎっしり。


何の講習か、簡単に言えば 防災ボランティア


でも物資を運んだり、がれきを片付けたり、炊き出しをするといった

直接的な手助けをするわけではありません。



この講習会によって取得するのは、

「応急危険度判定員」という資格です。


タイトルの通り、『建築物の応急危険度判定』を行います。

被災地(の映像など)で、こんな貼紙を見たことがありませんか?

注文住宅の建て方■無印良品の家-判定結果
↑応急危険度判定ステッカー


これを貼るのが、応急危険度判定員です。



行政からの指示があれば被災地に行って、その建物がどういう

状態なのかを分かりやすく示すことにより、

「二次災害を防ぐ」ことが主な目的です。


1回目の大きな揺れで躯体が損傷し、でもなんとか建っている。

そういう建物は、余震で倒壊する可能性がありますから。



注目すべきは、一番左の「調査済」。

安全と書いてあるわけではありません。


これは、建物を安全と宣言するには詳細な調査を要するけれども、

簡易な調査をした限りでは大丈夫そうですよ、というニュアンスです。



応急危険度判定は、「広く浅く」行います。


詳細な調査を1軒1軒行うのではなく、まずはできるだけたくさんの

建物に対して、どういう状態なのかを示すことが重要です。



建築士という資格を生かして、災害時にできることはないか。

そう思って参加することにしました。


各都道府県で講習会を行っており、講習会に参加すれば

「防災ボランティア登録証」が取得できます。

注文住宅の建て方■無印良品の家-登録証(表)

注文住宅の建て方■無印良品の家-登録証(裏)


ただ…実際のところ応急危険度判定を行う機会というのは、

一生に一回あるかないかです。


東日本大震災は津波による被害という特殊事情が

ありましたが、東京都から派遣されたのは

公務員を中心とした十数人だったそうです。



でも、出番が無い方が世の中にとってはいいことですね。