ハンモック③ | In My Life■無印良品の家

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建築士の視点から見た「無印良品の家」(木の家)の紹介を中心に、
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またまた「ハンモック」(3回目。最終回?)


今回は“王道”の大きいタイプです。

取付についてちょっと細かい話も出ますが、ご勘弁を。



■ハンモック


2階のフリースペースに設置したのが、
グリーンストライプブラジリアンハンモック


ハンモック2000」で購入、\18,000でした。
(そのうち、確か金具が\1,500です。)


無印良品の家を建てました@足立区-ハンモック2




【ハンモック設置幅について】


実は現在はこの写真のような位置ではなく、
「ハンモック①」の記事内にある写真の位置で使っています。


間違い探しみたいですね(笑)

何が違うかと言うと、写真右側のフックの位置が違うんです。



経緯は…ってそんな難しい話じゃないんですけどね。


HPには「設置幅:3300~3600mm」って書いてあります。


実際取り付けようと思って当ててみると、

「1間半(2730mm)の柱の内々でいいかな」

と思って付けてみて、最初は良かったんです。


それが上の写真。


でも徐々に乗っているうちに生地が伸びてきて、

時々 お尻が床に付いてしまう という、くつろげない事態に…ガーン


そこでもう1本の柱に金具を取り付け、

無事にくつろげるようになりましたとさ。

(後のチェアハンモック購入時に入手しました。)


つまり、
「内法寸法で2.6mでは短すぎたので、3.2mに変更した」
というだけの話です。


金具は将来何か引っ掛けるのに使えるし。
そもそも子供部屋になったら、

このハンモックはどうしたもんかなぁ(笑)
ま、その時考えようOK




【補強は必要?】


床ではない部分で人の体を支えるのですから、

そりゃ心配になりますよね。


結論から言ってしまえば、 『心配無用』 グッド!

家の強度からすれば、誤差範囲でしかないからです。


我が家ぐらいの、都心ではよくある延べ25~30坪程度の木造総2階建の戸建住宅の場合、建物の重さは約18~20トンです。


これは建物上部の構造設計用の荷重であって、地盤検討用の

荷重ではないため、基礎の重さは含んでいません。


ちなみに、小さな我が家でも基礎だけで約20トンの重さがあります。
コンクリートって結構重いんですよ。


無印良品の家(木の家)は外壁も屋根も鋼板ですから、

一般的な住宅よりはかなり軽いほうです。


鉄骨造や鉄筋コンクリート造はもちろん、

木造でも瓦屋根や窯業系サイディング外壁の場合は

もっと重くなるでしょう。


風の力に対しては、建物は重い方が有利ですが、

地震の力に対しては、建物は軽い方が有利です。


「有利」というのは、単純に強い、というわけではないんですけどね。

不利でも他で強度を上げて強くすることはできるので。


一方、ハンモックの仕様は「耐荷重:200kg」となっています。
普通の体型の人なら2人で乗っても大丈夫です。

単純に考えれば、片側の金具で100kgは耐えられるように作られています。



うーん…


ちゃんと話そうとすると構造計算書の話になっていまいそうだ…
どつぼにはまっていく気がする。


よし、まとめてしまおう!




とにかく!(ひどいまとめ方爆弾


『家は結構重たい。柱はそれに耐える十分な強度を持っている。
その柱に100kgの重さが加わったところでたいしたことはない』


ってことが言いたいんです。




無理やり例えるなら、


「人が座っても壊れない、木製の椅子の脚に釘を刺して、

そこに買い物をした袋をぶら下げても大丈夫ですか?
椅子の脚に補強しなくてもいいですか?」


というのと感覚的には同じようなことです。



荷重オーバーの場合、椅子の脚よりも釘の方が抜けたり折れたりするであろうことはなんとなくわかりますよね。


それと同じで、柱の心配は杞憂です。仮に壊れるとしたら、金具が外れるか、紐が切れる方が先でしょうね。




【SE構法の基準】


さて、建物の構造上は大丈夫だとして、

「勝手に柱に穴を開けていいの?」
という心配も出てきます。


僕の見解はこうです。


『強度的には全く問題ないけれども、やり方によっては補償が受けられなくなるかもしれないから、注意しながら自己責任でやりましょう。』


たとえ小さくても、柱に穴を開けることは、設計者・施工者としてはお勧めしないでしょうね。


ただ、SE構法において穴開けの基準を設けているので、それに則った穴開けをすれば、実際に問題はないのではないか、と僕は思っています。



SE構法の基準では、120mmの柱については以下の範囲に穴開け可能です。

 ・床・天井から500以上、つまりFL+500~1800の範囲内
 ・柱幅の1/3の範囲内、つまり中央の40mmの部分
 ・最大穴系:30mm以下
 ・最小穴間隔:最大穴径の10倍以上(2ヵ所まで)


この基準は、設備配管用の穴を想定したものです。
釘・ねじなどの数mmの穴開けについては明確に示されていません。


でも、「柱の真ん中ら辺に3cmの穴を開けても問題ないよ」と基準の中で言っているわけですから、常識的に考えれば小さなねじの穴がいくつかあったところで問題はないはずです。


結局、こんな感じで取り付けました↓



無印良品の家を建てました@足立区-ハンモック金具1


無印良品の家を建てました@足立区-ハンモック金具2

床や天井に近いところはSE構法の柱用の金物が入っているので、いくらねじ穴と言えども、やはり50cm程度は離すべきだと思いますし、柱の端っこに近いとやっぱり割れるのが心配。


そんなわけで、勝手ながら配慮しつつ取り付けをしました。
NCNの許可を取ったとか、そういうわけではありません。




【裏話】

ちなみにこのハンモック、なんと真冬の大雪の中雪を、持ち帰ってきました(笑)


引渡しの2週間後、2月11日。



早く付けたくて、恵比寿で別件の用事を済ました後

世田谷のショールームに買いにいったのでした。


今思い出しても滑稽です。


ハンモックと言えばキャンプ場や別荘でのんびりするイメージ船

つまり「ビックリマーク」って感じじゃないですか。


なのに…雪の中を…叫び

一応補足しますが、こんなトートバックに収納されていました。


無印良品の家を建てました@足立区-ハンモックトート

(写真はハンモック2000のHPから拝借しました。)



これがせめてもの救いですね。


世田谷から足立区へ向かう電車の中では、

誰も「ハンモック」だなんて気付かなかったはずっチョキ