土地探しの話、2回目。
といっても、前回より時間は遡ります。
1回目で乗せた更地の写真は、実際に建てた土地。
その土地を見つけるまで、どんな検討をしたか?というお話です。
こちらのスケッチは、我が家にとっての
「最小敷地面積算定用間取り」です。
言うなれば、ただの妄想です(笑)
現実には建っていません。
まぁ建築士って基本みんな妄想大好きです。
「想像力に長けている」って言ってもいいんだけど、どっちかっていうともっと入りこんじゃう感じ。
それはさておき、このスケッチを描いた条件はこちら。
・北向きの土地
・車1台を置ける
・無印良品の家(木の家)で建てる
・吹抜階段あり
・LDKや水廻りはコンパクトに
・フリースペースは狭くてもいいから二室分割できるように
・長期優良住宅の認定が取れる
(ある階が、階段を除いて40㎡以上必要)
北向きの土地を指定しているのは、土地が安く済む点と、道路から水廻りまでの距離が最小になり、結果的に施工費が少しでも安くなることを意識しているからです。
それから、妻と相談した結果、経済性、安全性、使い勝手等の観点から、3階建は考えないことにしました。
このスケッチの最終目的は、
『うちはお金に余裕がないんだけど、住みたい間取りに住んだ場合、土地っていくらになるわけ?てゆーか、結局どのくらいの広さの土地が必要なわけ?』
という、注文住宅を建てるほとんどの人が最初に感じる疑問を解消することなんです。
ぶっちゃけた話、プラン上は甘い点がいくつもあります
1階の通風は不十分だし、ソファ~テレビの距離はもう半間ぐらい必要だし、子供部屋も細すぎます(笑)
無理ではないか、っていう程度。
敷地だってほんとは南側にもっと広い庭が欲しい。
しかし現実を見なければいけません。
あくまで最小の大きさの検討なので、最初はこの精度で十分。
大事なのは、数字の把握です。
読めるかわかりませんが、右側や下側にいろいろ数字が書いてあります。
内容はこんな感じです↓(分かりやすくするためいじっています)
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■このプランの概要
1階:43㎡(13.0坪)
2階:38㎡(11.5坪)
延べ面積:81㎡(24.5坪)
建築面積:53㎡(16.0坪)
■このプランの場合に必要な敷地の大きさ
(建蔽率で制限されるという想定)
建蔽率 必要な敷地面積 坪単価100万の場合の土地代
60% → 88.33㎡(26.7坪)→ 2670万円
50% → 105.99㎡(32.1坪)→ 3210万円
40% → 132.49㎡(40.1坪)→ 4010万円
■この敷地の現状
敷地面積:99.37㎡(30.0坪)
↓
建蔽率 :53.3%
容積率 :81.6%
(金額が厳しいから南側の庇を短くしたらどうかなぁ?)
■庇を1820→910とした場合に必要な敷地の大きさ
(建蔽率で制限されるという想定)
建築面積:48㎡(14.5坪)
建蔽率 :48.3%
建蔽率 必要な敷地面積 坪単価100万の場合の土地代
60% → 80.05㎡(24.2坪)→ 2420万円
50% → 96.06㎡(29.1坪)→ 2910万円
40% → 120.07㎡(36.3坪)→ 3630万円
(それでも厳しいなぁ。)
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上の数字は全て四則演算です。
何にも複雑なことはしていないので、素人の方でも計算自体は簡単にできます。
ただ、建築面積や床面積の算定に少し注意が必要になりますから、そこは本やネットで調べるか、教えてもらうかしないといけませんね。
足立区は、23区の中で最も土地が安い地域に入ります。
それでも通常坪単価は100万円はします。
もっと安い場合は、借地・周辺環境の良くない土地・事故物件など、なんらかの理由があります。
(ちなみに人気の地域は、上を見ればきりがありません。)
このスケッチ&検討でわかったことは、
●建蔽率の低い地域(第一種・第二種低層住居専用地域)では土地が広く必要になるため、我が家の予算では難しい。
●角地は建蔽率10%緩和されるため望ましい
(でもおそらく土地代も高い)。
●無印良品の家のタイプとしては、(3~3.5間)×(4.5~5.5間)ぐらいになりそう。
とういこと。つまり…
土地も建物も余裕はないっ
このスケッチは割ときれいに書いた方です。
これ以外にもたくさんお絵かき(落書き?)しています。
でも決して無駄じゃありませんでした。
スケッチの右下に「6/13(日)」と小さく書いてあるのですが、この一週間後の6月20日に、実際に建てた土地が見つかるのでした。