よし、長所も短所も書いていこう!
と思い立ったものの、どこから書こうか…。
とりあえず「SE構法」について。

「無印良品の家」のコンセプトはHPを見たことがある人ならご存知、
『永く使える、変えられる』。
それを実現する方法として、SE構法を採用しています。
じゃあ、SE構法って何?って話。
仕組みについては、主催している「NCN」というところの説明を…。
ってそれじゃ丸投げか。
かみくだいて言うと、
木造軸組工法の接合部分を特殊金物で強度を各段に増した構法。
う~ん、イマイチ伝わらない。
かみくだきすぎると誤解を生じそうだし、詳しく言うと専門用語の羅列になりそう。
普通の木造住宅も、たいてい金物は使用してます。
でもその効果は「補強」という程度です。
SE構法の金物は、もっと根本から検討し直して考えられています。
補強じゃなくて、新しい構法なんです。
その結果、通常では難しい木造での大スパンを可能にしてます。
SE構法を使うと、耐力壁の数が約半分にできます。(プランにもよるけど)
「無印良品の家」の場合は、梁せい300とか360とかで統一して、天井の納まりもちゃんと検討して、規格化しています。
SE構法は、実は「無印良品の家」でなくても、建てられます。
しかし、設計者も施工者も、SE構法を主催しているNCNという会社の研修や登録が必要です。
どの工務店でも自由にやれるわけでもないけど、自分たちの会社でしか使えない、なんてケチなこともしません。NCNは、
よりよい家を造るための技術を、提供してくれているのです。
その分坪単価にして2~3万は高くなっていると思われます。
高くなるというのは、短所と言えば短所ですね。
ただ、SE構法の建物のうち、一番多くのシェアを占めているのは「無印良品の家」でしょう。
「木の家」「窓の家」「朝の家」全て使われていますから。
また、SE構法の特徴として、構造計算を行うことが挙げられます。
「構造計算って、どの木造住宅でもやっているんじゃないの?」と思う人もいるかもしれませんが、それは違う。
普通の工務店が建てる木造2階建てでやってるのは構造計算じゃなくて、ただ単に必要な耐力壁の数や位置を算出するだけの計算。
これは構造計算とは呼ばない。
構造計算っていうのは簡単に言うと、「建物にどういう力が加わって、柱や梁などの各部材にどれだけの強度が必要か計算して、それに対して各部材はこれだけの強度があります、よってこの建物は大丈夫です」っていう高度な計算を言います。
話は戻って、『永く使える、変えられる』というコンセプトに合った構法がSE構法なんです。
だって、改修しようとしたら「これは耐力壁なので壊せません」っていうのがそこら中にあったら、間取りを変えるなんてできないでしょ?
日曜の夜の建築系バラエティ番組では、施主となるおじさんが
「邪魔だから柱は切っちまった」
とかいうケースをやってますよね(笑)
あんなのありえないんだけど、とにかくSE構法の特徴としては、改修しても邪魔にならないような適切な位置に、最小限の耐力壁を設定しているのです。
間取りの可変性と、構造計算による安心感。
SE構法の採用がもたらすメリットは、数十万~百万円のコストアップに見合うだけの十分な価値があると思います。