美優紀side












「ママ、今日学校休む。」




朝食の準備をするママに
そう伝え、もう一度ベッドに入る。








あれから何時間が経ったのだろう。



体がだるくて学校に行く気力がない私は
休みがちになっていた。









目を閉じもう一度眠ろうとした時
インターホンが鳴る。







窓から外を見ると、
確かにそこにいるのは彩ちゃんだった。








玄関のドアをあけ



「彩ちゃん?」



そう声をかける。
どうやら私が学校を休んでいると聞いて
様子を見にきてくれたみたい。



彩ちゃんを部屋にあげるのは久しぶりで、
物珍しそうに私の部屋を見渡していた。
そして静かにそこへ座る。







体の調子が優れないこと
彼のことを伝えると、



「はよ病院行き」

「彼のことはオススメできひん」



そう言われた。
たったそれだけのことだけど
どれも否定は出来なくて、
彩ちゃんの言葉にはいつも説得力がある。 
だけどその言葉のひとつひとつには
ちゃんと愛があって、その日は素直に
病院へ向かうことにした。









あいにく近くの病院は何処も休みで、
大きめの病院へ行くことになった。








しばらく椅子に座って待つ。



「ただの風邪やのに
こんなところ来たら笑われちゃうやん。」



つい、小声でそう呟く。










そして診察室に入り、病状を伝えると
少し経って、隣の棟へ向かうよう言われた。








診察が終わり結果がでる。




「ありがとうございました」




そう伝え、家へと向かう。















なんでや、なんで?
私これからどうすればええねん。



ただひたすら不安に
押しつぶされそうになりながら、
暗い夜道を一人で帰った。