最高裁-初判断
ネット中傷書き込み→プロバイダーに情報開示義務
4月8日、携帯電話からインターネットの掲示板で中傷の書き込みをされた男性らが、NTT
ドコモに書き込んだ相手の氏名や住所の開示をするよう求めた訴訟の上告審判決で、最高裁
第1小法廷(金築誠志裁判長)は、
「権利侵害が明らかな場合などには、発信者情報を開示しなければならない事業者に、
携帯電話会社などのプロバイダーも含まれる」
との初判断を示し、ドコモ側の上告を棄却しました。これにて、一件落着!
あ! いや・・・ドコモに開示を命じた二審判決が確定しました。^^
-1審は「プロバイダーは書き込んだ人物と掲示板とを仲介したにすぎない」として、訴え
を退けたのに対し、2審は逆にNTTドコモに情報を明らかにするよう命じていました。-
同小法廷は、インターネットでの情報発信は、プロバイダーを利用するのが普通で、プロバイ
ダー以外が発信者の住所、氏名を把握していることは極めて少ないと指摘。その上でプロバイ
ダーが開示対象に含まれなければ、実質的に加害者の特定を可能にし、被害者の権利救済
を図るという法律の趣旨を損なうと判断しました。
プライバシーを侵害された被害者への情報提供などを掲示板管理者らに認めた「プロバイダ
ー(接続業者)責任制限法」の規定が、発信者と掲示板管理者の通信を媒介する「経由プロ
バイダー」のドコモ側にも適用されるかどうかが争点でしたが、金築誠志裁判長は「適用され
なければ被害救済を図る法の趣旨を無視することになる」と指摘し、今回の判決になりました。
こうしたケースをめぐっては、プロバイダー業者の業界団体などでつくる協議会が、3年前す
でに、被害者から正当な請求があれば、プロバイダーも情報を明らかにできるというガイドライ
ンを定めています。
ネットの匿名性については、いろいろ議論がありますが、警察の捜査の対象になれば匿名
性など無いのは理解しています。しかし、それ以前の状況・民事などではどこまで個人情報
を開示することが許されるのか? というのは今回の最高裁判決が基準となるのでしょう。
早い話 裁判沙汰になれば、匿名性確保は出来ないとの決着で、ネットの書込などでの自身
の書込などの基準と言うか、そういうものの基準線がハッキリしたということですね。
心に記して、ネット生活を楽しみましょう。 ^^
※最近の判例でもう一つ重要なのは、ネット上の掲示板・ブログなど書込に対して
「個人もマスコミと同じレベルで責任を果たさなければいけない」
という高裁の判断がありました。
個人も大手新聞社と同じ取材・裏付け調査などを持ってしなければ、記事の書き込みは出来
ない(!?)との、疑問符的な判決(!?)であり、納得しづらい判断でもあります。
心に記しておきましょう。^^;
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