CADの仕事の中に操作サポートやヘルプデスクという仕事があります。

 

役割はCADを使うユーザーが操作で分からないことが出てきた場合、質問に答えたりします。

 

今後、AIにより今の仕事の半分がなくなるのでは?と言われたりしますが、このCADサポートやヘルプデスクという仕事は残っていくのでしょうか?

 

個人的にはこの5年ぐらいで簡単な操作サポートやヘルプデスクという仕事のほとんどがAIに代わると考えています。

 

今回は、その理由や、今現在CADサポートやヘルプデスクをやっている人はどうすればよいのか?今の経験を活かしてどうキャリアアップをしていけば良いのかを書きたいと思います。

 

  CADサポートやヘルプデスクの仕事とは?辛い?

 

 

本題に入る前にまずは、この仕事がどういったものなのかもう少し詳細に見ていきましょう。

 

一般的にCADサポートやヘルプデスクは、社内版と社外版の大きく2つに分かれます。

 

社内版では、ユーザである設計者やCADオペレーターに対して、何か操作で分からないところがあれば、質問に答えたり、システムのトラブル対応をしたりします。

 

社外版とは、CADの開発元や代理店が顧客企業に対して、操作の質問やトラブル対応をします。

 

社内版、社外版とも立場は違うもののやっている仕事内容は変わりません。

 

トラブル対応という仕事だけあって、問題の切り分け能力はつくものの、トラブルを抱えているユーザは基本、不機嫌なことが多いので、その対応をするので辛い仕事でもあります。

 

  CADサポートやヘルプデスクの仕事がなくなる理由

 

仕事が辛いだけでなく、仕事の将来性を見た時に、徐々に需要がなくなっていく仕事でもあります。

その理由は大きく以下の2つだと思っています。

  1. ユーザーがCADの使い方に慣れてきていて質問が少なくなっている
  2. AI技術により代替される

それでは、これら2つの理由の詳細を見ていきましょう。

 

ユーザーがCADの使い方に慣れてきている

 

そもそもCAD自体が世の中に出てきてから結構な時間が経っていて新しい技術は追加されているもののユーザーが使い方に慣れてきているというものがあります。

 

3DCADが導入された当時は、ユーザーの質問に答えるサポートやヘルプデスクが必要でしたが、今では質問しなくても自分でできてしまいます。

 

また最近のユーザーは学生時代に3DCADを覚えてくるので質問が不要というのもあります。

 

AIによるユーザーサポートに代替される

 

 

現状だと設計者やCADオペレーターが操作で分からないことがあると、社内ウェブサイトなどでマニュアルやFAQを見て自己解決を試みると思います。

 

それでも分からない場合は、CADサポートやヘルプデスクに問い合わせて操作方法を教えてもらっていたと思います。

 

ただこれらサポートやヘルプデスクが混んでいると電話が繋がらなかったり、夜遅くだと対応時間を過ぎているなど、聞きたいタイミングで聞けないなんてこともあったでしょう。

 

特に設計者だと夜遅く出図対応している際に、聞きたいことがあっても聞く人が近くにいないのでは出図が止まってしまい、後工程の人たちに迷惑をかけてしまいます。

 

それがAI技術により、例えば常にCAD画面にAIアバターがいて、ユーザーが操作で分からないことがあると、そのAIアバターに質問することでやり方を教えてもらえるという世界が来るでしょう。

 

対応時間や電話が混んでいるなど気にする必要はありません。

 

実際にInventorやFusion360などの3DCADで有名なAutodesk社はAVA(オートデスク・バーチャル・アシスタント)というアバターを開発しました。

 

AVAはCAD画面の中で待機していて、いつでもいらだつユーザをなだめ、問題のトラブルシューティングを行うなど、テクニカルサポートをこなすことが可能。

 

このAVAによりユーザーからの問い合わせの約半分を完了しているとのことですが、このシステムはニューラルネットワークを使って構築されているため、機械学習により解決率を更に改善していけるようです。

 

今のところ英語版のみの提供のようですが、この辺りもAIなのですぐに多言語対応できるようになるでしょう。

 

このように今後はCADだけでなく、様々なソフトにおいてAIユーザーサポートのような技術が普通になっていくことが予想されます。

 

そうなると簡単なQ&Aのようなものは完全にこのAI技術に代替されてしまうと思うのでしょう。

 

  CADサポートやヘルプデスクからの転身先は?

 

上記まででCADサポートやヘルプデスクがなくなる理由について述べてきました。

 

では、今までこれらの業務を担当していた人はどうすればいいのでしょうか?

 

全く別の仕事に代わってしまったらもったいないですし、今までの経験を活かすところは沢山あると思います。

 

CADのことに精通していたり、現場のことも熟知している人材なだけに、上手く別の仕事に転身できればかなりの戦力として期待されるでしょう。

 

ここからは具体的にどんな職種に転身していけば良いかのいくつかの可能性を探っていきたいと思います。

 

CAD・BIM/CIM・CAMオペレーターへの転身

 

まず容易に思いつくのがCADやBIM、CAMのユーザーであるオペレーターへの転身です。

 

単純にオペレーターというわけでなく、機械業界や建築業界では3DCADの次の技術が始まっています。

 

機械系でいえば3D図面(3DA)、建築系でいえばBIM/CIMです。

 

これらは今後、製造工程の色んなものを自動化する上で重要なデータを作る技術になります。

 

3DCADという基礎知識を活かしてこういった新しい技術を担うオペレーターになることもありだと思います。

 

それぞれの詳細については以下の記事も参考にしていただければと思います。

 

機械系の3D図面

 

 

建築系のBIM

 

 

CAMオペレーター

 

 

またCADオペレーターとして海外に挑戦するのもありでしょう。

世界に目を向けてみるだけで自分では気付かなかった人材としてのニーズがあるものです。

 

 

 

設計者への転身

 

CADオペレーターから設計者に転身するケースはよく聞きますが、同じくCADを良く知っているサポートやヘルプデスクからの転身も可能だと思います。

 

設計者への転身することで年収のアップが見込めるでしょう。

 

 

 

プログラマーへの転身

 

今後は様々なものが自動化されていきます。

 

例えばCADの単純な繰り返し作業などはプログラミングによって既に自動化されているものも多いでしょう。

 

今はAIでも良く使われるPythonや他でもRubyやJavascriptなどの言語を使ってCAD操作も自動化されています。

 

サポートやヘルプデスク業務をこなしてきたことによって現場でのCADの使われ方を知っていると思うので、その知識に合わせて、プログラミングを覚えることで、色んなCAD操作の自動化に挑戦してみてはどうでしょうか?

 

こういったニーズはどの企業でも多いと思います。

 

 

 

3DCGデザイナーへの転身

 

3DCADはモノづくり的な要素が多く、3DCGは映像やアニメといったイメージかと思いますが、これらは共通点が多いものです。

 

例えば建築などではプレゼン用に3Dパースを作ると思いますが、これはどちらかといえば3DCGの技術です。

 

映像やアニメの世界に興味のある人は業界は大きく違ってきますが、思い切って転職してみるのもありでしょう。

 

 

  CAD関係の仕事に強い転職エージェント

 

CADの仕事は様々な業態からの求人があります。

 

まずは転職エージェントに無料登録し、情報収集から始めましょう。

 

もちろん、いま勤めている会社で上記の職種に転身することもありですが、せっかくキャリアアップを考える上で、転職エージェントを使って幅広い選択肢を考えるのも必要です。

 

転職エージェントによってはカウンセラーがいて、自分に合った会社を紹介してくれたりもします。

 

以下がおすすめの転職エージェントになります。

 

  まとめ

 

いかがでしたでしょうか?

 

今回は、CADサポートやヘルプデスクといった職種がなくなっていく理由と、その仕事に従事してきた人がどういった職種に転身すればよいのかをご紹介しました。

 

今まで現場の縁の下の力持ちとして働いてきた職種で、技術はあるだけにしっかりと考えてキャリアアップしたいものです。