デジタル改革担当の平井大臣のオリンピック顔認証システムにまつわる発言が話題をよんでいますね。
この発言の背景を見ながら、CADやBIMといったデジタルエンジニアリングの業界にも当てはまるなと思ったので備忘録がてら残して置きたいと思います。
これはオリンピックの顔認証システムを担当していたNECに対する発言で、主には以下の平井大臣の発言のようです。
- デジタル庁はNECには死んでも発注しない
- 場合によってはNECを出入り禁止にしないといけない
- オリンピックであんまりグチグチ言ったら完全に干すから
- ちょっと一発、遠藤のおっちゃん(NEC会長)を脅しておいた方が良い
- どこか象徴的に干すところを作らないとなめられる
この発言の背景には、ITベンダーの言いなりになって多額の請求をされていては、国民の税金がいくらあっても足りない。
「交渉するスタッフが弱腰になったら、いくら取られるかわからない。国民の血税だから強気で交渉しろ」との背景があるようです。
これによって、78億を38億に予算削減したとのこと。
CADやBIMなどデジタルエンジニアリング業界もITベンダーの言いなり?
今回の平井大臣の発言の背景を見ると、CADやBIMなどのデジタルエンジニアリング業界も同様の傾向があるように感じる。
例えば、CADやBIMを使うユーザ企業は、CADやBIMの各ソフトの中身がどうなっているのか分からないし、何かできないことがあると「これは仕様です」とお決まりの発言。
その仕様を改善してほしいと言うと、個別のカスタマイズとして別途開発費を請求されたりする。
市販ソフトなので、個別の顧客に合うようにいちいち、開発していられないと言わんばかりだ。
それにも関わらず、ソフトの保守費やライセンス費がユーザー企業には毎年重くのしかかる。
本当にこの構造どうにかならないのか?と思うことが良くある。
これもユーザー企業側が、そのITツールを活用するニーズやシーンは分かっていつつも、ソフト内部のIT知識には欠ける場合が多いため、結局はITベンダーの言いなりになっているような気がする。
もし、IT技術的に何ができて、何ができないというのがはっきりわかっていれば、それを事実としてITベンダーの言いなりにならず、毅然として態度で交渉できるような気がする。
DXという名のもとにITベンダーがボロ儲け?
ここ最近はDX(デジタルトランスフォーメーション)の流れで、IT化に拍車がかかっている。
DXとはその名の通り、デジタル化によって会社や会社のサービス自体が変容するレベルの意味で使われることが多いが、蓋を開けてみると結局はIT化のままのことをやっていたりする。
IT化をDXという言葉に変えただけで、結局はITベンダーが儲けるのを世界的に後押ししてるだけでは?とも考えられる。
ITベンダーが生き残りをかけて、DXという新しい言葉を作り、ユーザー企業をあおり、どんどんお金を使わせようとしているようにも見える。
デジタル化が不必要だと言っているわけではない。
筆者もデジタル化が重要だと思うし、ここ20年を見てきてもデジタル化によってかなりの効率化の恩恵を受けてきた。
ただITベンダーの言いなりならないためにも、しっかりとしたIT知識を持ち、強気でITベンダーと交渉できるようでなければ、気付いたらお金ばかりを浪費していたということになりかねない。
ITベンダーのほとんどが欧米の企業であることも解せない。
モノづくりでグローバル競争で勝てないと悟った彼らは、ITは支配することに注力している。
CADやBIM、PDMなどの基幹システムを抑えてしまえば、あとは保守やライセンス料でボロ儲け。
ユーザー企業も浸透してしまった基幹システムを簡単に変更することもできない(スイッチングコストが高い)ので、ITベンダーにお金を払い続けてしまう。
プラットホームを支配したものが世界を制す
今の世の中、ITがなくては生きていけないのも確か。
我々もその便利さを実感してしまっている。
それだけにこれから先、グローバル競争を勝ち残っていくためには、GAFAMなどのビックテックのように基盤となるプラットホームを抑えたいものだ。
ここはアメリカの独壇場になっている。
これから日本がここに食い込むのは難しい。
ではどうするか?
例えば、デジタルエンジニアリングのプラットホームは日本企業が抑えに行くなど、戦場を絞って競争するのも手だと思う。
個人的には、デジタルエンジニアリングのITベンダーで日本企業が出てきてくれることを期待している。
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