医療現場において、看護師は多様な年代を生きてきた患者と接することになります。特に、内科・皮膚科・整形外科・眼科といった診療科は、乳幼児から高齢者までの幅広い年齢層の方が訪れるため、世代に合ったコミュニケーションを心がけたいものです。人の性格は、年代や性別、育った環境や生活習慣といった要素で成り立っています。患者の考えや発言が千差万別であるのは、当然のことであり、一人ひとりと向き合うことが求められます。

 あらゆる世代の患者と良好な信頼関係を築くには、まず患者が持つ価値観を理解することが大切です。価値観とは、人それぞれが大切にしている考え方や、物事の捉え方のこと。価値観の傾向は、周囲の環境の土台となる時代背景による影響が大きく、世代ごとの違いは押さえておいた方が良いでしょう。

 たとえば、高齢の患者は、若い世代と比べて、人生経験が豊富です。生きてきた中で色々な情報・体験談を見聞きしており、健康や医療に対して、自分ならではのこだわりを持っていることが多いようです。ただ、医療の知識がアップデートされていないケースも見られるため、きちんと噛み砕いて説明する必要があるでしょう。

 一方、若い世代の患者は、スマートフォンやパソコンなどに慣れ親しんでいるため、医療に関する情報をネットで検索し、リサーチを徹底してくる人も多いです。よって、積極的に質問したり、意見を求められたりしやすい傾向にあるようです。その場合、看護師は、相手の質問に丁寧に答え、意見を尊重することを重視しましょう。

 医療施設で働く看護師は、数多くの患者と日々接する事になります。人それぞれに違った価値観を持つ事から、時として職場で患者との衝突が起こるかもしれません。人によっては人との衝突が精神的に大きなストレスとなって、仕事に支障をきたすケースもあります。医療現場での看護の仕事は人と接する場面が多い仕事柄であるため、違う価値認識を持つ人たちともうまく付き合わなければなりません。

 そこで看護の仕事を続けながらも、人との衝突を避けるためのテクニックを早い段階で身に着けた方が望ましいです。看護師がさまざまな価値観を持っている患者と上手く付き合うためには、プロの医療従事者である事を意識し、客観的な立場から相手に対して接する事が必要になります。

 看護の仕事では患者に対して、相手を受け入れるホスピタリティを意識する事は重要です。しかし一方で、看護師と患者の間にはサービスを提供する者と受ける者と言う歴然とした立場の違いが存在します。看護サービスを提供する者が患者と同じ立場で価値観の違いを争っているようでは、患者に対して医療サービスを提供するための必要な体制が整えられません。あくまで仕事である事を念頭に入れた上で、患者との間には遠すぎず近すぎない適度な距離を保つ事が大切です。
 この点を意識して客観的立場で患者に接するようになれば、例え相手がどのような考え方を持った患者であったとしても、意見の対立で衝突せずに済みます。
 とは言え、自分の価値観を大切にしたいと思う人も中にはいるのではないでしょうか。そんな気持ちを抱いている人には、【多様な価値観の共存】を読んでみる事をおすすめします。