ガス式給湯器 | サボテンマニア

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※注 マニアになったからといって、特典などはございません…w

こんにちは。サボテンです。

今回も『昭和シリーズ』でお送りしますw
ぶっちゃけ「昭和」っていうより、我が家だけに限った昔話なのかもしれませんがね。
ままま、生暖かく見守ってくださいまし。

今でこそ、ボタン一つ押せば全部の蛇口からお湯が出てくるけど。
子供の頃は洗面所に別体の給湯器があった。
平成生まれの方には分からないかもしれない。
小さめのキャリーバッグぐらいの躯体に、点火の覗き窓と湯温調節のツマミがついている。
ツマミを2~3秒押して点火して、ひねるとガスが出て着火する。
すると下の蛇口からお湯が出てくるのだ。

ツマミを押してると、「チッチッチッチ・・・」と音がして、頃合いを見てひねる。
このタイミングを逃すと、上手く着火しない時がある。
一回しくじると、その後しばらくは着火しにくくなる。
この状態を「シケる」「カブる」などと呼んでいた。
大体朝忙しい時に給湯器を使う時が多いので、「シケらせた」者は白い目で見られることとなった。

僕はこの給湯器の扱いが苦手で、よく「シケらせ」た。
チッチッチッチ・・・ボッ!
上手くいけば一発点火が可能なのだが、僕はツマミの押しが甘かったのかせっかちだったのか。
「またサボテンか!」とよく言われたものだ。
親父や兄貴は一発点火が多かったけど、僕はヘタだった。
なので、僕はこのタイプの給湯器が嫌いだった。

また、着火してすぐ蛇口から出てくるお湯はメッチャ熱い。
冬など焦って手を出そうものなら、熱湯風呂のダチョウ倶楽部よろしく、朝から一人コントをする羽目になる。
また、ずっと出してるといきなりお湯がぬるくなったり、逆にめちゃめちゃ熱くなることもあった。
冬の朝はよく洗面所から「あっつ!!」という声が聞こえてきたものだ。

今はどうだか知らないけれど、昔の給湯器は点火の電源が電池だった。
確か単一か単二だったと思う。
電源に不具合があると着火がしづらい。これは使用する上で重要な事なのだが、我が家では放置され気味だった。
電池が消耗している状態を無視しつづけて、「シケらせる」ことが増えても、使用続行された。
その結果、よく事故が起きた。

ツマミを押し、「チッチッチッチ・・・」と音はしても、電池に電力が無いため、実はスパークしていない。
なので、その状態でツマミをひねっても、ガスしか噴出されない。
意地になって、何回も点火→ガス噴射を繰り返す。
「チッチッチッチ・・・カチッ」「チッチッチッチ・・・カチッ」
数回繰り返すうちに、何かの間違いで点火してしまうことがある。
そうすると、数回に分けて噴出されたガスに着火して、小爆発が起こるのだ。

ある朝のことだった。
3つ上の僕の兄貴が、洗面所で格闘していた。
「チッチッチッチ・・・カチッ」
「あれ?おかしいなぁ?」
「チッチッチッチ・・・カチッ」
「なんだよもう!」
「チッチッチッチ・・・」
「ボカン!!」

「えっ!?」
家族が一斉に洗面所に押し寄せる。
そこには、ほんのりガス臭い洗面所にうずくまる兄貴がいた。
「大丈夫かっ!?」
誰かが呼びかけると、顔を押さえる兄貴が振り向いた。
「うっうん、だ、大丈夫・・・」
押さえていた手をそっと下ろすと、前髪が焦げてパラパラと落ちて、黒くすすけた兄貴が顔を覗かせた。
顔を手で払うと、前髪と眉毛・まつげがパラパラと粉のように落ちる。
まるでドリフの爆破コントのようになった兄貴を見て、皆一斉に笑い出した。
当の本人も笑っていたのだが・・・一つ間違えば大惨事だ。

その後点火ツマミがスイッチ式になったが、同様の事故は起きた。
兄貴はさらに一回、僕も一回小爆発させた。
結構な衝撃と恐怖だった。目の前が一瞬オレンジ色になって、僕も前髪が焦げた。
しばらく給湯器が使えないほどのトラウマを植えつけられた。

その点、今はいい時代になった。
点火はボタン一つ「ピッ」っと押せばいいだけだし、熱すぎるお湯が出ることもない。
小爆発のトラウマを植えつけられる小学生も皆無であろう。

まれに古いお宅や、プレハブ等の仮設備へ行くと、ガス式給湯器の場合がある。
その場合、給湯器のスイッチを入れなくてはならない。
仕方なくスイッチを押すことになるのだが。
いまだに「チッチッチッチ・・・」という、あの点火の瞬間は実は軽く怖かったりする。