幻想曲 「さくらさくら」(平井康三郎)





人生の散り際の色合いにみえる。

華のある儚さ。

水彩画のように、色に水を垂らす。

ここの和音が艶っぽい。

さくらは、陰のある妖しさをもつ。



普段、明るくお喋りが大好きで

とても元気な印象の彼女が

曲を弾く時に言葉にしたこと、、、

、、、注意深く見ていると気づく。

中に壊れそうな程の繊細さを併せ持つ。

優しさが見える。


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筝をイメージして。

ときに和太鼓のように奏でたり。

または龍笛?

ロマン派の手法。

イメージと合わせて。



曲の難易度、、、という言葉。

私はあまり好ましく感じられなくて。。。

こういった曲の難しさは、音色の持つ繊細さや華やぎを、如何に音にしてゆくか、というところにある。と思う。



技法、だけではなく。

でも、、、技法も必要。。。

難しいですね。。。




冒頭の8小節。散りゆく桜の花の記憶のように。

3小節めのアラルガンドの後、4〜5小節をペダリングで工夫してみる。

後の繊細なタッチと響きの余韻を謳うような。余韻は五七五。。の雰囲気で。

絶妙な位置でのタッチ。息は止めずに。





今までの彼女の選曲とはうって変わって。





新たな一面を垣間見たようで。

嬉し。



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花の色は  うつりにけりな  いたづらに

 わが身世にふる  ながめせしまに


愛だ恋だとうつつを抜かしているうちに私の美貌も時の移ろいと一緒に衰えてしまった(現代語訳)


あまりにも有名な句(うた)。

かの時代の句に、花といえばさくら。


無常感。常ならず。

永遠ではない移ろいゆく儚いものに、

極上の美を想う日本の美意識。。

散り際の美。


たとへ散ったとしても風情あり。


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学生時代に読んだ時には、花の色の盛り。

愛だ恋だの最中(笑)で、美しい句だなと思いつつも、私には感覚的にまだピンときていなかった、、、かもしれません。



若さ、というものを手放してから

自分自身に立ち返るとき。

古今東西の芸術や文化、歴史の奥深さに、改めて精神を寄り添わせる。。。



曲を通して、来る人と。

時空を超えたように共有する幸せ。