プロデューサーの高橋です。
ドッグスタッフ&カットモデルのルーディ・ライラの里親について千差万別のご意見を頂戴いたしました。
その中の一部にはルーディ・ライラを思うと、辛く納得がいかず、悲しい思いをしているとのご意見には本当に申し訳なく思います。
皆様思いは多種多様ですが、ルーディ・ライラを愛してくれています。
又、お客様が誤解してしまう犬界についてなどを含め、
良い機会なので店やドッグエクスパートを育てるプロデューサーの立場からのお話をさせていただきます。
ルーディ・ライラをお店に迎え入れたのは…
①スタッフ技術向上
トップグルーマーとしてシャンプードライが出来るまで5年と言われています。
アメリカではそれを専門にする人をベイザーと言われ資格を取るスクールもあります。
日本の学校は二年間での資格取得に力を入れ、修了してしまうので就職してからトリマーを続けている限り、技術向上レッスンをするべきと考えております。
それにはレッスン犬が常に居て、手が空いた時にあらゆるレッスンが出来るようにと、レッスン犬に一番適しているスタンダードプードルを迎え入れました。
部位が大きいのでポイントが掴みやすく、スタッフ皆でカッティングレッスンも可能です。
技術向上の為、レッスン犬がいるサロンが理想だからです。
②ブリーディング
繁殖はどこの学校も必修科目となっており、必ずマスターしなくてはならない科目なのに、座学でしか学ぶ事が出来ません。
一般の方でさえブリーディングを経験している方がいらっしゃるのに、世の中のトリマーのほとんどが出産に立ち会った事も無く、生まれてどのように育って行くのさえも知りません。
経験していないのだから当然ですが、これではお客様から相談されてもお答え出来ません。
ルーディ・ライラのお産の時には、真夜中でもスタッフが見守る中、全員のスタッフが一匹ずつ取り上げて、へその緒を縛り切って摩り、声を上げて鳴いた時に感動のあまり一緒に泣いてしまうスタッフもいます。とても良い情操教育で、貴重な、神秘的な、現場でしか学べない体験と思っています。
それをブリーディングして子供を売るなんて酷い、とコメント頂きましたが、スタンダードプードルは8頭前後生むので店に残すのは困難です。
可愛がってくれるお客様にお譲りしてそれを飼育管理費としてまかなっています。
私達トリマーは動物を扱う仕事ですのでトリミングが出来ればいい訳ではないのですね。
ルーディ・ライラは6月で5歳になり、この先の幸せを考えなければならない歳になりました。
ルーディ・ライラの今の生活は、スタッフの仕事中の空間での飼育なので、遊んであげられなかったり、目が行き届かなくて当然の環境です。
店で生涯終わらせる事も考えました…
今はまだ元気で心配ないですが、老犬になると静かな場所を好み寝ていたいのです。
自分達の寂しさは考えなければ、ペットとしてのんびり優雅に暮らして貰いたい。
旅行もドッグランも行きたいかな?皆で真剣に何カ月も話し合った結果です。
スタッフ達にとっては、毎日一緒に居たワークメイトドッグなのです。
寂しいのは当たり前、お客様以上です。
あるお客様のコメントで子供が産めなくなったからすてるの?
あまりに悲しい投げかけです。
スタッフ達は犬が好きでトリマーになり、真のプロトリマーになりたく今も尚、勉強している若き技術者なのです。
店には県外からトリマーになりたく、現場修業に来ているお弟子さんが来ていたり、県内のショップや動物病院から依頼され、トリマーが現場レッスンに参加していたりします。
トリマー希望がいる限り、カットモデルも世代交代してあげなければいけません。
犬が好きで学び始めた仕事ですが、プロである限りペットとして考えて居られない時もある職種です。
それをトリマー達は学生時代に身をもって学んでいます。
好きだけでは出来ない仕事です。
決して、ルーディ・ライラを愛していないのではありません。
長くなりましたがご覧いただきありがとうございました。