思いがけない敵。

昔なら、今までなら、全く気にもしなかった存在。

でも、今はとてつもなく大きく立ちはだかる壁になり、自力で乗り越えることさえもできない。


逃げたくない。


そう思っても、立ち向かえば無条件で降服せざるをえず。

どうして、こんなになってしまったんだろう。

そんな事を考えても、なにも、できない。



最近の夢見が酷いもので、なかなかうまく寝付けず、寝ても短時間。

短時間の間に目まぐるしい程の夢を見て。

夢は夢でしかないはずなのに、いろんな事実が重なり続けて、夢が怖い。


いや、そんな夢を見てしまう自分が怖い。

そして、憎い。


起きれば汗だく。

ボーっと時間を過ごすよりも、眠っている方が疲れてしまう。

元々、眠る事が苦手で、下手なヒト。


でも、夜は好きなのだ。

昼よりも。

空が、空気が、星が、月が。

醜いものが綺麗に見える。

暗闇を照らす小さな光は、見たくないものを隠してくれる。

自分という存在を暈してくれているようで、安心する。



リアルがほんの少し忙しくて、尚且つ休息もままならず。

一時の癒しを与えられても、体が、ちょっとだけしんどい。

体力は然程あるわけでもないけど、身体のしんどさには慣れてる。

精神に関しても、ある程度は。


ただ、予期せぬデストルドーが働くときもあって。

今がきっと、ちょうどそんなときなのかも。

結構大切な時期に、こんな状態に陥るなんて。


…不覚だ。


もう少し、あと数日。

それまで耐えればまたしばらくはなんとでもなる。

自分のことなんてどうでもいい。

ただ、あのヒトの糧になる。

数年前のあの時、自分の中で決めたこと。


自らの身体に何が起きようが、それが例え自分にとって予期せぬものだったとしても。

迷惑はかけず、ただ、あの人の成功と無事を祈って。

だから、あと少しだけ、頑張れ。

自分。


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電子科学の日進月歩。

文明の力。

幼い頃から比べて、目を見張るほどの発展。

世界に対して、それは素晴らしいことであると感じる。

でも、ヒトはそれに踊らされていることも否めないと私は思う。


だって、こんな小さな機器の電源を落とすだけで、こんなにも楽になれるのだから。


造り出した、静かな夜。

倖せかもしれない時間。


休まることはなくとも、新たなモノに侵食されずにすむ。

傍迷惑な話かもしれないが、今の自分の精神衛生上には不可欠なのだ。


ごめんなさい。


我儘なんです。

非力なんです。

馬鹿なんです。



なにも出来ない自分だということは、自分自身が一番わかっていることで。

ただ、明日もその次も、周りの人々が笑顔でいてくれたら。

沢山の大切な人たちが、幸せとまで感じられなくとも、辛い出来事に見舞われることなく、涙をながしたりせず、穏やかに過ごしてくれたら。

そう、願う。


ヒトの数ある願いの中で、こういう願いが一番贅沢かもしれない。

だから、対価を。

私に起きる色々な事が、どうか対価として認められたら、いいのに。


自分の為ではなく、他者の為に対価を払うこと。

一見すると、とても優しくて、素晴らしいものに聞こえるかもしれない。

でも、これは…


逃げているんだ。


だって、自分の為に生きる方が、よっぽどしんどくて辛いもの。

全力で逃げている自分が、あぁ、疎ましい。



あ、そうか…。

なんとなくだけど…わかった気がする。



やっぱり親子なんだ。

ほんとに。

親子そろって、馬鹿なんだ…。

ねぇ、父さん?