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過去最大の下落率を記録した平成20年の株式市場。米国のサブプライムローン(低所得者向け高金利型住宅ローン)問題に端を発した世界的な金融危機は、日本の株式市場も大きく揺さぶった。割安感から個人投資家が18年ぶりの買い越しに転じたものの、外国人投資家は日本市場から逃げ出し、景気の急速な悪化で上場企業の経営破綻(はたん)も過去最悪となるなど、株価の低迷が実体経済にも影響を与えている。
「経験したことのない厳しい風にさらされた」。東京証券取引所グループの斉藤惇社長は30日の大納会で、低迷した今年の株式市場をこう振り返った。
今年は、トヨタ自動車やソニーなど日本を代表する国際優良銘柄の株価が異常ともいえる安値を記録した。
株価を1株当たりの純資産で割って算出する株価純資産倍率(PBR)はこの日、東証1部で1倍を割り込んだ。PBR1倍は会社が解散して株主に戻る1株あたりの金額に相当する。つまり1倍割れは企業を解散したら株主に投資した以上のお金が戻る水準だ。
トヨタやソニーのPBRも1倍割れとなったが、実際には「優良企業の両社がつぶれることは考えられない」(市場関係者)ため、1倍割れは“異常”な割安水準といえる。
こうした歴史的な株価低迷で「今が買い時」と判断した個人投資家は、18年ぶりに買い越しに転じた見込み。個人中心のネット証券などでは、株価が急落した10月以降、新規の口座開設が急増した。
しかし、東証の売買シェアで6割を占める外国人投資家は売りに転じた。今年の日経平均株価の下落率は4割超を記録。金融危機の震源地である米国市場よりも下落率が大きくなった。
これは金融危機で多額の損失を被ったヘッジファンドなどの外国人投資家が、損失を穴埋めするため株式を手放して現金化を急いだためとみられる。とくに、円高が進んでドル建てでみれば、日本株は比較的下落率が小さい。このため、世界的な株安の中で日本株は外国人投資家の換金売りの対象にされたようだ。
また、日本の代表的な企業は、業績が世界景気の動向に左右されやすい輸出関連が中心だ。このため、自動車や電機などの輸出関連銘柄に売りが集中し、結果として日経平均の下落率も大きくなった。
すでに新興市場を含めた今年の上場企業の破綻は戦後最多の30件を上回る水準に達している。とくに不動産関係などでは株価の急激な下落が信用不安を招き、それが経営破綻に結びついたケースも多い。
野村証券の木内登英チーフエコノミストは「金融危機の余波で景気は来年も全体的に厳しい」と予想する。景気後退が長引けば、記録ずくめの株式市場の「異変」が常態化する恐れすらある。(大柳聡庸)
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