偶然興味を持って手に取ったこの本
角田光代さん
井上荒野さん
森 絵都さん
江國香織さん の4人の直木賞作家が
ヨーロッパの郊外を旅しながら書いた小説である
NHK BShiの「プレミアム8」で準ずる番組があったらしく
見逃したのが悔やまれるのだけれど
江國さんの回だけは来週火曜に再放送が見られそう
「チーズと塩と豆と」 集英社
「愛と胃袋」というサブタイトルのついた番組で
それぞれの作家がどんな旅をしたのか興味がある
地域に根付く日常の食べ物から生まれた作品は
さすがの力量で「料理」されていて
行った事もない地の風景が浮かんでくる
田舎独特の「必要以上の絆」「無意味に思える慣習」
そこを逃げ出した主人公が最後に行き着く場所
私は個人的に 中でも角田氏の「神さまの庭」が好きだった
殺伐とした空気とは一見対極に思える「おいしそうなテーブル」
幸福や笑い声や花束とともに食事があるのと全く同じように
別れや死や絶望や涙の前にも食べ物はあるのだ
4編を読んで知らない土地を旅したくなった
ひとりになったら 忙しい毎日で忘れている事を思い出せるかも
家族 恋人 どんなに愛している相手でも
違う人間である以上譲れない物はあるし 時にぶつかる
だけども同じ物を食べて 同じ時に心から美味しいと思い
一緒に移りゆく景色を見て 同じ時に心から美しいと思う
その大切なできごとは消えることなく胸のどこかに残っていて
もしかしたら相手を失った時に 何かが分かるのかもしれない
とても印象的な本だった
