ちょっと、

あいだをいただきました。

何せ、

来週の月曜日は、

娘の成人式なもんで、、、、

着付けの先生でもある、

彼女と打ち合わせて、

娘の成人式の準備もろもろでございました。

着物の用意から、

セット、

メイク、

着付けの段取り、

本当は、

彼女、東京に来て着付けてくれると嬉しいのだけど、

この日は、

彼女も稼ぎ時の一日。

だから、

髪のセット、メイク、着付けは、

僕の友人の美容室にお願い。

娘も、

小さい頃から、

一緒に行ってるから、

気心はしれていますが、

段取りは大切です。




さて、

前回の乗務での出来事。


1月4日月曜日、

今年最初の月曜日とはいえ、

世間はまだまだお正月モード。

なかなかに厳しい営業状況で、

時間だけが過ぎていました。


途方にくれながら、

秋葉原で信号待ちをしていた僕に、

ふらふらと近寄って来た

独りの男性。


目でご乗車の合図、

軽く手を挙げられたので、

ドアを開けました。


たける「ありがとうございます。どちらまで参りましょうか?」

お客様「判んないの?俺の行くところ?あんた職業なに?」

たける「タクシーの運転手でございますが。あいにく、行先をお伝えいただかないと車を走らせることができませんが、、、、」

お客様「運転手?じゃあ判るだろう!俺と勝負するか?」

たける「いや、ご住所とか駅とか、何か行先を教えては頂けないですかね?」

お客様「あ~っ、ダメだダメだ!俺と勝負しろよ!」

たける「何の勝負をしたらよろしいですかね?」

お客様「俺と勝負だよ!!!」


もう、しこたま酔っていらっしゃいまして、言ってる事がなんやら判りません。

降りていただければ良いのですが、

降りようともなさいません。

そんな、

かみ合わない話が5分ほど続いた頃に、

お客様「アクア、、、」

と、ポツリ。

たける(アクア??美容室か?歌舞伎町のホストクラブか???)

たける「アクアと言われましても、私には見当がつきませんが、、、、」

お客様「だから、アクアに行けよ!アクア知らないのか??ダメだなぁ~!お前本当に運転手のプロか?」

なんか、

だんだん腹が立ってきました。

つい声も大きめで、

対応してしまってました。

でも、

ふと何かが頭をよぎりました。

たける(あれっ?もしかして、お店の名前ではなくて、地名じゃなのか?)

たける(アクア、アクア、あくあ、、、、、、、もしかしたら、、、、、)

たける(横浜の瀬谷区にアクワ…阿久和…ってところあったよな。)

たける「お客様、もしかして横浜市瀬谷区の阿久和でございますか?」

お客様「わかりゃぁ良いんだよ、わかりゃぁ!」

たける「お客様、阿久和も広うございます。阿久和のどのあたりに向かいましょうか?地番などお伝え頂けないでしょうか?」

お客様「う~ん、東1-2-3!」

たける「かしこまりました。阿久和東1-2-3ですね。そちらに向けて出発してもよろしいですか?」

お客様「いいよ。」

なんとか、スタートすることが出来ました。

神田橋から高速に乗って、

横浜町田ICまで、

そこから下道で、

更に5㎞以上走りました。

道中、

終始、

意味の判らない事をずっと話しかけられておりました。

それでも、

お客様のご指定のご住所に到着することができました。

お客様「おや、ここ何処だ?俺んちのマンション無いぞ!」

たける「いえ、お客様のご指定のご住所に間違いございませんが。」

お客様「そうか?まあいいや、ここで降りる。」

そう言って、

カードで料金をお支払いになり、

お客様は降りて行かれました。


1時間余りの道中のわけのわからない会話に、

もう、

辟易していました。

一刻も早く、

その場を離れたかったんです。



少し離れたところのコンビニに車を止めて、

彼女に電話しました。

今、降ろしたお客様との顛末を話しました。

そしたら、

彼女が、

「なんか、たけるクンっぽくないよ!その、お客さん、ここ自分の家じゃないって言ったんでしょ?どんなお客さんでも、なんとかきちんと目的地まで乗せるのが本来のたけるクンじゃないの?免許証見せてもらうとか、何か本当の住所教えて貰うこと出来なかったの?」

たける「いや、免許証見せて下さいとは言ったんだけど見せてはくれなかったんだ。」

彼女「そうか、、、教えて貰おうとはしたんだよね。でも、なんか方法無かったのかなぁ、、、まだ、その降ろした辺りで困ってないかなぁ、、、」

その後、

彼女との会話の中で、

いろいろ、

弁解の言葉重ねていましたが、

僕には、

彼女の最初の一言が、

すでに刺さってました。

『俺らしくない』

ある意味、

一番、言われたくない人から、

いや、

言わせてはいけない相手から言われた一言だったかもしれません。


彼女と電話で話しながら、(もちろん、無線のイヤーフォンですよ)

車、

お客さん降ろしたところに戻してみました。

彼女の予想通り、

降ろしたところで、

まだ、

お客様はフラフラしていました。

通り過ぎるタクシーに手を挙げようとしていますが、

どの車も気付かないのか、

乗せたくないのか、

止まりません。


反対側の車線に車止めて、

たける「お客さん!!降ろしたあと心配だから戻って来てみたよ!早く乗って!今度は、本当の住所を言って下さいね!!」

お客様「おおっ、お前か!」

たける「お前か!じゃないよ、こんな寒いのに、ほら早く住所教えて!マンションなんだよね!」

寒空に、

15分ほど彷徨われたせいか、

少しは酔いが醒めたのか、

今度は、

正しい住所伝えてくださいました。

もう、

目と鼻の先。

時間にして3分くらいのところでした。

その間も、

わけのわからない話は続きます。

イヤーフォン越しに、

僕とお客様のやり取りを聞いていた、

彼女も電話の向こうで笑ってます。

マンションの前に着きましたが、

車を降りて頂くまで、

5分くらいかかってしまいました。


彼女「あんな感じで、1時間くらい乗ってたの?」

たける「そう。ずっと何言ってるか、判んないの。」

彼女「早く降ろして、かかわりたくなくなる気持ち、わかるわ~!!」

たける「でしょ~っ!」

彼女「でも、良かったじゃない。困ってたみたいだし。ちゃんと送り届けることが出来て。それでこそたけるクンよ!!こうやって、戻ってくれるところが良いとこよ!!」

たける「まあね、、、、」



何か、

大切な事に気付かされた気がします。


先月の仕事の成果に浮かれていなかったか。俺。


もっと、

謙虚に仕事に臨むのが常ではなかったのか。俺。



きっと、

こんな感覚は、

日々の生活にもどこかに現れているはずで、

どこか傲慢な、

何か自分を正当化しているような、

そんな生活をしていないか、

ふと、

自分を振り返る事が出来ました。


俺らしさって何だ?


挨拶とか、

応対とか、

上辺だけの接客になっていなかったか?


大きく反省してしまった。


優しく伝えてくれて、

ありがとうございました。


今後も、

日々、

精進して参ります。










たける