とうとう洗礼を受けてしまいました、、、

そのお客様は、

深夜、

1時の少し前、、

歌舞伎町からご乗車頂きました。

しこたま酔っていらっしゃいました。

もう、千鳥足を過ぎています。

でも、お二人でした。

そのうちのお一人は、いくらかまともな状態でした。

しっかり歩いていらっしゃいました。


行き先は、

都内某所。

新宿からは、割と遠い、23区でも東の方向。

「○○行って、○○!!わかる?○○!!」

たける「はい、わかりますよ!!高速、お使いになりますか~?」

「おうおう、何でもいいよ~ん!」

「ぴゅ~っと行っちゃおうよ!!」

「で、どこ行くの?」

「何言ってんだよ、俺んち行くんだろ!俺んち泊まれよ!」

「な、俺んち行こうぜ!運転手さん、○○、○○まで行って!わかるよね!」

たける「はい、わかりますよ。駅にお付けすればよろしいですか?」

「うんうん、俺んち駅前だから、駅、駅でいいよ~!」

「ん~、、、どこの駅に行くの?」

「だから~、俺んちの駅だよ!○○!なっ、運転手さん!○○行くんだよな~!」

たける「はい、かしこまりました。○○駅に向かっておりますよ!」

「ほ~ら、運転手さん、ちゃんと○○わかってるよ!」

「知らない運転手さん多いんだよ!運ちゃん、偉い!!」

「で、どこに行くって??」

「○○だってば!!」

「運転手さん、○○わかる??」

たける「はい、十分、存じておりますよ。○○駅ですよね。」



もう、べろべろです。

おんなじ会話の繰り返し、

オートリヴァース状態です。

でも、まあ、愉快な感じなので、それも苦にはなりませんでした。

割とロングだし、

お客様、降ろした後に向かう営業エリアも、

想定できるし、、、


車が首都高に入った頃、

しこたま酔っている方のお客様に異変が起こり始めました。

気配で感じるのは、














どうも、吐きそう!


会話のオートリヴァースは構いませんが、

そっちの方のリヴァースはちょっと、、、、

そのうち切羽詰った感じで、

「気持ち悪い、、」

たける「お客様、大丈夫ですか?」

「おい、大丈夫か?運転手さんも心配してるぞ!おいっ!大丈夫か??」

「大丈夫、大丈夫だってば!」


もうこりゃダメな状態ですな!

自分で、「大丈夫」なんて2回も繰り返した日にゃぁ、、、、

エチケット袋を渡そうとしましたが、

「大丈夫だって!!」

と言って、受け取ってもらえません。


車は、首都高を走っていますので、路肩に止めることも出来ません。


ピ~ンチ!!


自衛の為の最終行動に移りました。

車の速度を落として、

左側の車線をゆっくり走らせながら、

左後方の窓を、運転席からの操作で全開に致しました。


ほらねっ!

速攻、窓から顔を出してリヴァースでございます。


たける(良かった~、間に合った!車内でリヴァースされるのだけは勘弁だよな~!それにしても良かった、間に合ったぜ!)

とか、思ってました。

その後、お二人は、いびきをかいてお休みになられ、

無事に目的の駅まで到着致しました。


たける「お客様、到着致しましたよ!」

「おっ、おおっ、着いた??」

「ところで、ここどこ??」

たける(えっ??)「○○駅ですが、、」

「ああっ、○○ね!!○○!幾ら??」

たける「高速の料金を含めまして、××円になります。」

「ん~、ありがと、××円ね!はい、一万円からおつり頂戴!」

たける「かしこまりました。」


精算も終わって、ドアを開けました。

リヴァースのお客様が降りられましたが、

もう一方は、座ったまんまです。

「運転手さん、俺、本当は帰りたいんだよね。△△わかる?」

言われた行き先は、23区の西の端。

心は「ラッキー」ってなもんです。

たける「はい、わかりますよ。今日も、2度行ってきましたし!」

「本当?じゃあさ、そこに向かってよ!」

たける「はい、構いませんが、一度ご精算をされてますので、ここからの初乗りになりますがよろしいですか?」

「うんうん、構わないよ!お願い、行ってくれる?」

たける「はい、もちろん参りますよ!」


そんな、私にとって嬉しい会話が交わされてるとは露知らず、

先に降りた、リヴァースのお客様は、

「おい、何やってんだよ、一緒に降りるんだよ!ほら!」

「いや~、俺、帰ろうと思ってさ、、、」

「何言ってんだよ、運転手さんも迷惑だよ!な~!これから△△まで行くなんてなぁ?なぁ、運転手さん!」

たける(何言ってんの?迷惑なわけないじゃん!早く、帰ってくれ~!)

で~、、、、、、、、







結局、、、、、、、、








すったもんだの末、、、、、、、









お二人は、降りていかれました。

「運転手さん、ごめんね!!ありがと!」

時間にして、到着してから15分くらいの押し問答でしたでしょうか、

時刻は、深夜1時40分。

まだまだ、稼ぎ時の時間帯です。

(まあ、いっか~!今日は、この時間で、ここまで50000円近くの売上あるし、△△まで行けなかったのは残念だけど、これから銀座に向かうぞ~!)

とか、考えていました。

この日、ここまで絶好調の私は、銀座でロング拾える妙な感も働いていました。


でもまあ、ちょっと疲れたので、一服しようと車を止めて、車外に出てみて、

唖然!












リヴァースのお客様の吐しゃ物が、

車の左後ろのドアから、左後方側面にかけて、

びっしり!張り付いています。

そりゃそうです。

いかに低速で走ったとはいえ、首都高での出来事。

風圧に晒された吐しゃ物は、

物理の原則に従っていたのであります。


oh my god!!


普段の営業では走ったこともない、こんな場所で、

しかもこんな時間に、

これを綺麗にしてくれる場所なんて、

全く思いつきません。

止まっている地元のタクシーの運転手さんに聞いて、

最寄のスタンドに行ってみましたが、

「あー、ダメダメ!そういうのは、自分の会社に戻ってやってくれる!」

と、つれない返事。

自力で見つけたスタンドでも、

同じ返事。

会社に電話して、こんな時に対処できる場所を聞いても、

「わかんないよ!」

なんて役に立たないスタッフなんだ!!!

とか、やり場のない怒りとともに、途方にくれてました。

まだ、自分の営業時間は9時間近くも残っています。

このペースなら、素晴しい売上も期待できるほどの絶好調だったのに~、、、、


上京して24年間、

車で、夜、この付近を走った記憶を頼りに、

開いているスタンドを探して、彷徨いました。

この辺で、対処できれば、銀座でロング拾える妙な予感があったんだもん!!

ぜ~ったい、何とかしてやる!

とか、思っても、

お水すら頂けません。

1時間、

貴重なゴールデンタイムに1時間、

彷徨いました。

そして、

ついに、

協力してくれるスタンドを発見しました。

「うわ~っ!ひどいっすね!う~ん、本当はダメなんすけど、困ってんすよね?」

「店長いないから、いっか!お客さんもいないし、暇だし。」

「そうだね、いいっすよ、車、こんな感じで付けちゃって下さい。」

もう、あのアルバイトの若者二人が神に見えましたね!

何がしかの料金を払おうとしましたが、

「いいっすよ、こんなの、水かけてちょっと洗っただけだし。」

それならばと、

ほんの気持ちですが、二人にお小遣いを渡したところ、

「ほんとに、いいんすか??」

たける「もちろんです。ありがとう!!これからの営業考えたら、感謝の一言です。こんな形でしかお礼できなくてごめんね!」

「いや、嬉しいっす!ありがとうございます!」


拾う神が、いてくださいました。

ありがとう!あのスタンドの若者二人!

必ず、近々、自分の車のガソリン入れに行くからね!!


時刻は、3時少し前になっていました。


もう、チャンスはそう残っていません、そんな火曜日深夜のこの時間。

それでも、銀座に向かいましたさ!

こんな日の感は当たるもんです。

きっちり、ロングのお客様をお乗せして、

彷徨いのロスを、

取り返しました。


リヴァースの洗礼、

恐るべし、、、、

これから、酔客には更なる注意を致します。

まあ、

この仕事してれば、いつかは出会う出来事とはいえ、

これが車内でなくて良かったかなと、、、、










たける