9月、暑さも和らぎ少し過ごしやすくなってきて、母の体調も落ちつき、食欲がある日もありました。



母は、体力を落とさないように、なるべく毎日家の掃除をしたり洗濯をしたりして体を動かしていました。




ですが、歩くのが好きな母が抗がん剤が効いて調子が良い時と比べると、一人で2~3キロ歩いて買い物に行ったりはしなくなっていました。




抗がん剤が効いている時は、平気で片道5キロ程母は歩いていましたが、9月、往復2キロ程歩いて帰って来た母は少し呼吸が乱れていました。



母は、もうおばさん歳バイと言い、長く歩くのがきつくなってきたと母は言っていました。




その時、私は母の様子を見ていて、胆管炎を発症して体重も減り、体力も低下しているせいだと思っていました。




でも、実際はそうじゃなくて、後の検査で、がんの進行によって転移肝臓がんが大きくなり、肝臓のがんが心臓を圧迫して呼吸が日を追うごとにだんだんと浅くなってきているという事がわかりました。



呼吸の変化も出てきて、長い距離を歩くのが辛くなってきていた母ですが、この頃はまだまだ元気でした。



冗談も言って、変顔をして笑わせてくれたり、いつも笑顔で、本当にこの母が死ぬはずないとあの時の私は思っていました。