遅ればせながら、2013年の総括。


手術面ではCABG、AVR、LVAD、上行大動脈置換、移植心の執刀までで60-70例程度か?(集計をする必要あり) 北米の良いプログラムであれば150例以上執刀できることを考えるとかなりボリュームは落ちる。良いこととしては、3.5倍の拡大鏡をつければCABGでかなり精度の高い吻合は快適にできるだろうし、AVRは独立してできるだろう。運針もほぼ思うように出せる感覚が戻ったのでブランクによる手の感覚の鈍りはほぼ解消された。英語環境で手術をしているのでどうしてもスタッフに主導権を取られて、手術をコントロールしきれていないことが問題として挙げられる。こちらにいる以上は、止むを得ない部分であり限界を感じる。今年は帰国までにTAVI をものにすること、OPCABをスムースにこなすこと、AVR の石灰化をen-bloc で切り落とすことを目標としたい。帰国後は年末までに大動脈解離を独立して執刀できるようになりたい。1年後の年末は独立して術者で当直当番。。。もう中年だが結構緊張するかもしれない。


リサーチ面では充分の成果をあげれたと思う。論文はco-author を入れると5本だけだが、インパクトファクター20点、国際学会で5回oral presentation と今までで一番良い年だった。今年の目標は、帰国もあるので学会発表はそこまでできないだろうが、同じくらいのインパクトファクターを論文で稼ぎたい。それに加えて、今年は日本からも論文を出すことと、国内でデータベースを作ることを目標としたい。来年以降は後輩を指導することが目標となる。


英語はもう撤退気味で昨年末にかけて少し実力ダウン。思えば夏ごろの学会発表時がマックスだったと思う。最近はジョークにも全くついていけないがあまり気にしなくなってしまった。。。学会発表でスムースにしゃべれたら良しとしよう。


総括として心臓外科人生を変えれた一年だったと思う。たくさんの世界的な心臓外科医としゃべる機会もあったし、学会で数回会ううちに数人と知り合いになることもできた。日本人の有名な心臓外科医の先生たちともであうことができたし、いくつか国内から魅力的な job offer を受けることができ、一番よさそうなものを選んだ。残念ながら、昔夢見たように手術の実力で未来を開くことはできなかったが、膨大な時間と努力をリサーチに費やすことで未来は少し開けたと思う。帰国後に普通に通常手術をこなせれば今後もチャンスは広がるだろう。


今年はさらに激動の一年になると思う。帰国に向けて加速度的に臨床、リサーチ両面で仕上げる必要があり、帰国後も人間関係から日本式の手術、リサーチの土台作りとやることが山ほどある。