はじめまして。
Ameba事業本部でイラストを担当している2012年入社の岡崎です。

今はブレイブナインというソーシャルゲームで、カードイラストの「塗り」の担当をしています。イラストの着彩をするうえで学んだ事、意識しているところを紹介します。
よろしくお願い致します。

内製カード制作の流れ

私たちのチームでは分業を行っています。設定資料をもとに
ラフ→線画作成→塗り
という流れで分業をしてイラストの制作をしています。

このように順番にまわってきたものを着彩していくのが僕の担当の部分です。

色を塗る

着彩は
1.色の選定
2.進化後の色のパターンの決定
3.塗り
4.仕上げ
の順番で考えています。

1.色の選定
まず色を選ぶ上で一番大切なのが、そのキャラクターらしさをわかりやすくすることです。
例として「暗黒騎士ヴァーリー」のカードをで考えてみます。
このカードは進化3段階目のカードになります。


まず、使う色を考えます。
「暗黒」というキーワードをもとに、
どのような色のを使えばそれらしさが出るか考えます。
暗黒だと暗い青や紫などが思いつくと思います。


そのパターンを基準に、線画にベースを塗って色のバランスをとります。

このヴァーリーの場合は一番メインに見せたい紫の他に、
色相の違う紫を使うことにしました。また面積の少ない部分にさし色として黄色をいれてバランスをとります。

2.色のパターンの決定

進化の色替えがある場合は、進化バリエーション色のパターンを決定します。
今説明しているヴァーリーは進化後のものなので、色のバリエーションは作りませんが、
進化前では2パターンの塗りをしています。

変わったということをはっきりわかってもらう必要がありますので、
キーワードとしていた暗黒騎士のイメージを損なわないようなパターンを作ります。

また、同じ色のパターンだとしても、
色の面積をかえることで印象を変えることができないかも考えたりします。

3.塗り
影をつけることで形をはっきりさせていきます。
まず光源を設定します。
どこから光を当てたら見やすくなるのかを考え決めます。

このようなイラストならば、手前と奥がはっきりしているので、
右を光源にしたほうが見えやすくなると考え、光源を設定しました。

その光源からずれないように意識しながら影をつけていきます。

光の方向をしっかりさせれば、要素の多いイラストでもすっきりします。
ブレイブナインのイラストの場合は、陰に焼き込みをいれています。
陰の中に明度の違いを入れることで、自然な反射光をいれられます。

<ショートカット紹介>
普段制作するときに使っているショートカットを少し紹介したいと思います。

ラバーハンド

・ペンツールを使うとき、このチェックボックスを入れると
軌跡が表示されて便利です。
command+enter
・パスを選択範囲に変更
alt+delete
・描画色で塗りつぶし
command+delete
・背景色で塗りつぶし
command+J
・選択範囲をコピーして新しいレイヤーの作成


4.仕上げ

最終的になると全体的な彩度等を調整していきます。手前にきている大きな部品があれば彩度を高めに設定してあげて、遠近感をだすようにします。
また一番見せたい色以外で抑えられるものは彩度を抑えて引っ込ませます。

最後に形の中で一番見せるべき流れを考えて、
それがはっきり見えるように黒い色で落とし見やすくするようにします。

そして最後にはカード枠にはまって完成になります。


最後に

絵は曖昧な部分が多くなってしまいがちですが、
その中でしっかり理由を持って、描いていくことが大切だと思います。

学生時代はなんとなくで描いてしまうことが多かったですが、社会人になってからは理由を持って描くように努力しています。それでもまだ曖昧に進めてしまうこともあるので、たくさん場数を踏んでスキルアップしていきたいと思っています。


ありがとうございました。
聖戦記ブレイブナインもよろしくお願いします。