はじめましてアメーバのスマートフォンサービスを担当しております、
新居朋子(@marutomokimoko )と申します。

これまでにAmebaアプリ、萌えガチャ、girlspicなどの
プロデュースやディレクションに携わってまいりました。

今回は去年の秋に大きくリニューアルをしたAmebaアプリについて書きたいと思います。

はじめに

AmebaアプリはiOS,Androidあわせて現在400万ダウンロードを超える、
当社スマートフォンサービスの中でもメインタイトルとなるアプリの一つです。
iOSは2010年1月、Androidは2010年12月にそれぞれver1.0をリリースしました。
当時の状況を振り返ると、各企業が本格的にスマートフォン対応を始めつつあった、
手探りのフェーズだったなと思います。
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Amebaアプリでは当初、ブランドカラーを抑えiOSアプリらしい基本的な作りをしていました。

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Androidにおいては、利用ユーザーがiOSの3割にも満たないという時期でした。
iOSと異なり明確なガイドラインが存在しなかった中、デバイスの特徴や一般的な操作方法を
捉えた構成づくりに試行錯誤した記憶があります。

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(※Androidは端末ごとに標準フォントが異なります。Amebaでは同等のUIが提供できるようにAndroidで採用されていたモトヤフォントを埋め込みました。OS4.0より正式フォントとなっています。)


その後も着実にスマートフォンの市場は拡大し、
OSバージョンや端末スペックも多様化していきました。
アメーバアプリもダウンロード数が急激に伸びるとともに潜在的なバグが多く発覚したりなど、
改修に四苦八苦した時期がありました。(ご迷惑をおかけしましたm(. .)m)

そのような中2011年10月に向け初夏より開発をスタートし、
iOS,Androidの同時リニューアル対応するに至りました。

リニューアルについて

リニューアルに関しての取り組みや所感を幾つかにまとめたいと思います。

1.リニューアル版の機能と画面の要件について 
<要件>
ーiOS,Androidユーザーに向け同等の機能を提供すること
ー他デバイスから移ってきた方にも不足がない機能を提供すること
(ブラウザを利用しなくてもアメーバのメイン機能が利用できること)
ースマートフォンの利用シーンに即した機能を提供すること

上記を前提条件として、画面の構成と機能を決めました。
Androidでは新しく「Amebaなう」の閲覧、投稿を加え、
iOS,Android両者に
 ・コメントや読者申請のノーティフィケーション
 ・撮影した写真の加工
 ・オフラインでも絵文字を利用したブログの下書き 等
スマートフォンならではの機能をつけ加えました。

<デザイン>
機能のラインナップを整理したうえ、デザインにおいては
スマートフォンらしい直感的なUIにアメーバらしさをプラスした
バランスの良いインターフェースを模索しました。

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2.テストについて
<影響度を考える>
アプリのテストでは、リリース済みのバージョンで多く利用されていた
端末やOSを分析し重点的に実施しました。

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<金曜の夜>
ブログ投稿機能については様々なパターンでテストを行いました。
特に通信環境の悪い時間帯で実施し、
妥当なタイミングでのタイムアウト処理を盛り込みました。
(渋谷という場所がら金曜日の夜は回線がかなり細くなるので、格好の時間帯です。
また山手線内などより使われそうで、不安定な条件のもと実施したりもしました。)

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上記をはじめ、「投稿ができない、失敗する」という最もクリティカルな問題に対し、
外的要因も考慮に入れたできる限りの対応を行いました。



3.反省点
リニューアルを通してたくさんの反省と学びがありました。

<スマートフォン上でサービスがどのように使われているか>
・web viewでの横画面対応を行わなかった
(端末でピグをはじめ様々な操作に利用していた背景を掴みきれなかった)
・マイページで一部機能を除外したためにたくさんの問い合わせをいただいてしまった

などリニューアル初期にたくさんの方にご不便をかけてしまいました。
利用パターンを捉えきれなかったことが大きな反省点です。

<ユーザー環境の変化を知る>
開発中にiOS5のβ版がリリースされ、文字入力のインターフェースに
大幅な変更が入ることが分かりました。
そのため主要画面であるブログ投稿ページへ対応をいれるなど、
直前にプロジェクト内を慌ただしくさせてしまった場面がありました。

環境は足を止めず刻々と進化していくことを肌で感じました。
流れを常にキャッチアップし、必要であれば対応を検討する。
この意識は開発の大詰めであっても持っておくべきであり、
プロダクトの最終的な品質を大きく左右するものであることを痛感しました。

4.運用、改修について(アプリの質を保つための体制づくり)
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ー最新OSや、新端末への動作保証
ー要望にあわせた機能追加や修正

これらをはじめ、守りと攻めの運用をスピーディに行うことが
Amebaアプリの品質を守る鍵です。

プロジェクト内では
 ・重要な部分にエラーログを埋め込む
(特定の端末による不具合を洗い出すため、主要部分は端末名まで確認できる形にした)
 ・トレンドの調査を頻繁に行う(端末名やOSの利用ボリューム)
 ・ユーザーのお問い合わせ対応を行う専属メンバーを配置し、重大な内容はその場で開発メンバーと連携する 
 ・様々な観点で週に1度、アプリの定期テストを行う

などをはじめ、ソースコードのレベルからプロジェクト体制まで運用・改善に適した形を整えてきました。


最後に

寄せていただく不具合のレポートや要望から、私たちは多くのことを学び、反省し、
時には励まされ、スピーディな改修へと反映することができました。

ユーザーの皆さんが届けてくれる声こそが品質向上に直結しています。

現在ではiOS,Android共に一定の評価をいただけていますが、
日々変化していく環境をしっかりと見据えてよりいっそう快適に使ってもらえるよう
引き続き機能改善に取り組んで行きたいと思います。


これからもAmebaアプリをよろしくお願いします。