新たなる旅立ち

「愛とは決して優しく甘美なものばかりではありません。辛く、苦しく、恐ろしいものである事の方が多いのです」

この言葉は、クイーン・オブ・アクエリアスの台詞（宇宙戦艦ヤマト完結編）。

アクエリアスとは銀河系を回遊する水惑星で、接近した惑星の異常気象の原因となって、洪水で文明や生物を押し流したりします。

一方で、この水惑星はかつて太古の地球に水と生命の芽を与え、地球人を造り上げる要因となりました。

「アクエリアスは地球に恵ばかりを与えたわけではありません（中略）試練も愛なのです。人は戦わねばなりません。勇気を持って試練と戦ってください」

当時、劇中の『試練』に対し感じたのは「シビアだなぁ～」でした。

ともすれば、このコロナ禍も『試練』なのでしょうか？

更に脚の血管炎を患い立つことさえ儘ならず、入院や車椅子での生活を余儀無くされた私には、少し受け止めきれない現状です。

指定難病に罹患した今、自由に歩き、自由に行動できていた毎日を思い出します。

『宇宙戦艦ヤマト完結編』

企画・原作・製作・総指揮：西崎義展

原作・設定・監修：松本零士

２０２１年１１月２３日、東京オペラシティ・コンサートホールで開催された『銀河鉄道999』『さよなら銀河鉄道999』シネマ・コンサートへ。

会場には、久しぶりの再会を喜んでくれるスリーナイン・メンバー。

マスク越しでも伝わる、優しさに包まれた時間です。

来場特典のオリジナルカード型記念チケットは、２作品の間の２時間休憩に会場を出入りする際にも使えます。

ロビーには『銀河鉄道999』が描かれたアルコール飲料の紹介もされていました。

私たち飲み手が『星野鉄郎』なのか、現在は主人公以外の第４弾まで商品化されています。

・第1弾（21年02月）：『メーテルのヴァイツェン』

・第2弾（21年06月）：『車掌さんの黒ビール』

・第3弾（21年12月）：『ハーロックのギャラクシー IPA』『ハーロックのくらハイボール』

・第4弾（22年02月）：『エメラルダスのレッドエール』

それぞれの映画の途中にも１５分の休憩が入り、トータル７時間越えのコンサート。

前の週（11/16）飛行機で『北九州』↔『羽田』を日帰りし、この日は朝イチの新幹線で『小倉』～『東京』入りした私にはハード過ぎです。

しかしながら生演奏で『劇999』『さよなら999』が上映される奇跡に、どうしても立ち合いたいという気持ちの方が勝りました。

「人は言う。９９９は鉄郎の心の中を走った青春という名の列車だと」

『さよなら999』エンディングの城達也さんのナレーションのように、未知への憧憬の念を抱いていた『青春』の頃が甦ります。

終演後は人数制限４名での宴となりましたが、参加できて本当に良かったです。

翌２４日は、練馬文化センター前の公園に建てられた記念碑（文字 : 松本零士先生）を写真に収め、友人が主宰の『Music Gallery Arietta』へ向かいました。

清潔で温かな雰囲気の、可愛くて綺麗なサロン。

作曲家：東海林修先生のコンサートの『さよなら銀河鉄道999』奏者である友人に、ピアノで『再会（さよなら999）』を弾いていただきました。

もう、これ以上の贅沢で幸福な時間はありません。

ご近所の方とも言葉を交わしましたが、穏やかで素敵な街でした。

次に向かったのは『浅草』

前回は時間の都合で断念した、松本零士先生デザインの水上バス・クルーズ船『ホタルナ』に乗船するためです。

因みに『子供たちが見て思わず乗ってみたい』と思う船を目指したクルーズ船のシリーズは第３弾まで就航しています。

第１弾『ヒミコ』には星野鉄郎、メーテル、車掌さんたちのパネル、第２弾『ホタルナ』では屋上デッキを設置し船外で景観が楽しめます。

どちらも観光アナウンスは、星野鉄郎、メーテル、車掌さんたちです。

弾３弾『エメラルダス』は星野鉄郎、メーテル、エメラルダスたちによる観光アナウンスが流れ、座席指定が出来るコンパートメントが３か所設けられました。

浅草寺やTOKYO CRUISE（水上バス乗降場）付近を散策し、煌めく水面を『浅草』～『お台場海浜公園』へと進みます。

お台場では『チームラボボーダーレス』や、１７～１８世紀の南フランスや北イタリアのような街並みを再現した『ヴィーナスフォート』などを楽しみました。

大観覧車のイルミネーションと夕暮れの広い空を見渡して、フジテレビ本社ビルのシアターモール『サザエさんのお店』でお土産を購入です。

新交通『ゆりかもめ』の前面展望席から眺める大都市の夜景、新橋ＳＬ広場のクリスマス仕様の機関車。

一緒に『東京の旅』をしてくれた友人へ、心からのありがとう。

尚『チームラボボーダーレス』『ヴィーナスフォート』は閉館され、新たな施設が誕生する予定です。

２０２２年になってからも『劇999』『さよなら999』を、連続してみれる機会に恵まれました。

鮮明な映像と立体音響、最新上映システムをそなえたドルビーシネマ版です。

上映は、JR博多シティ“９”階のT・ジョイ博多“９”番シアターと“９”尽くし。

新たな命が宿ったかのような、進化した『銀河鉄道999』がありました。

ドルビーシネマのクオリティーにも感激しましたが、今の時代のグッズと『999グッズ』が同じショーケースに並んでいること、館内アナウンスで『999』のタイトルが聞こえることも嬉しかったです。

実は、東映九州【公式】から『ドルビーシネマ公開記念キャンペーン』の告知があり“９”州の“９”名に当選しました。

１月１８日に『劇999』と福岡市美術館で開催されていた『ゴッホ展』を、松本零士先生の誕生日１月２５日には『劇999』『さよなら999』を鑑賞です。

合計３回、T・ジョイ博多でドルビーシネマ版を堪能いたしました。

ご招待券、ありがとうございます。

ドルビーシネマ鑑賞の初日（1/18）北九州市から博多駅に到着した際、同ホームの対面に停車していたのはクルーズトレイン『ななつ星 in 九州』でした。

ホームのLED電光掲示板の行く先は『新たな人生』です。

指定難病『好酸球性多発血管炎性肉芽腫症（EGPA）』なる、なんとも長い病名。

寛解しても治癒することのない病と、一生涯付き合っていく私の『新たな人生』なら、もう覚悟を決めて重篤化しないよう加療を怠らず継続していくことを誓います。

膠原病内科での適切な診療、２４時間の看護等々、沢山の手を差しのべてくださった医療従事者の方たちには大変お世話になりました。

感謝申し上げますと共に、今後も末永いお付き合いをよろしくお願いいたします。

闘病中の顔馴染みさんたちとの交流を通じて学んだ人生の機微も、私にとって大きな財産となりました。

心身ともに、どうか良い状態を維持できていますように。

私は大学病院を一時退院し、リハビリテーションの診療実績も豊富な同系列病院へ転院しました。

画像は、点滴『献血ベニロン』４本 × ５日と皮下注『ヌーカラ』３本 × 毎月。

それと、同じB９病棟を共に退院した、二十歳のイケメン消防士から貰ったホットドリンクです。

彼は子供の頃から消防士に憧れ、夢叶い職員となった三年目直前に腰の指定難病と診断されました。

「お互い元気な姿で再会しよう！」

写真には、ふたりの約束と祈りが込められています。

アメブロでは私と同じ指定難病で苦しんでいる方からアドバイスを頂戴し、入院生活の長い時間を楽しませてくれたのもインスタなどSNSで繋がった方たちです。

改めて、ありがとうございます。

そして「迷惑とか思わんでイイけんね」と、多忙にも関わらずサポートし続けてくれる家族や友人。

励ましのメッセージや、何気ない日常を連絡してくれる仲間たち。

職場のBARの再開を、楽しみに待ってくださるお客様方。

人の優しさが、心に染みます。

余談ですが、一時退院中は櫻の咲く頃で、少しだけ自宅周辺の櫻花をみることもできました。

ただバリアフリーの病棟廊下と違って、介助無しの移動は困難です。

まさか７９歳の母に車椅子を押してもらう日が来るだなんて・・・

ありがとう。

人生には『良いこと』『悪いこと』が半分ずつ起きているとか。

「ならば私は『良いこと』に目を向け、見付け、書き残したい」と考えていました。

今回は、私事の不快な内容となってしまい申し訳ありません。

『シネマコンサート』や『ドルビーシネマ』の投稿も、もっと早くにしたかったのですが今となってしまいました。

健康だった頃のように立って歩けるのは半年後か１年後かとの診断でしたが、リハビリ次第では脚の麻痺は残るものの社会復帰は早くなるそうです。

激痛の足裏に全体重をのせて行う拷問のようなリハビリタイムですが、転院先でも新たな出逢いがありました。

これからも薬物治療と並行しリハビリも頑張って、仕事もして、いつか必ず松本零士先生ゆかりの地を巡ったりしたいと願っています。

皆様も身体の不調を感じたら自己判断せずに、ご面倒でも行動力を持って専門の医療機関を受診されてください。

画像は、美しい夜明けとメーテルのいる北九州空港です。（撮影：2021年11月16日）

「夜明けの来ない夜は無いさ」

滑走路の向こう側、水平線から昇る朝陽は、松田聖子さんのアルバム『SUPREME』収録曲『瑠璃色の地球』の歌詞のようでした。

さて、本日４月８日（金）から『銀河鉄道999 THE MUSICAL』が日本青年館ホールで開催されます。

私が先行予約で購入したチケットは、終演後のアフタートークショーにメーテル役・神田沙也加さんの出演が予定されていた日です。

降り積もった雪、突然の訃報に驚愕しました。

松田聖子さんのなかに命が宿ったと発表されてからの、私にとって特別な存在だった沙也加ちゃん。

享年３５歳（1986年10月1日～2021年12月18日）

心より哀悼の意を表します。

「さーやと一緒に、心を込めて精一杯メーテルを生きたいと思います」と、代役を演じてくださる花總まりさん。

公演中止にならなかったことが、せめてもの救いです。

GODIEGOのミッキー吉野さんが音楽監督を務め、オリジナルエピソードも加えた新たな物語『銀河鉄道999 THE MUSICAL』の成功を祈念しております。

松本零士先生のキャラクターでは『銀河鉄道999』のメーテル以外にも『さらば宇宙戦艦ヤマト』リメイク版で、精神体となったテレザート人の集合知・テレサの声を担当された神田沙也加さん。

CDデビューは、母娘共演でクリスマスソングを歌った『Twinkle Star, Shining Star（松田聖子 with SAYAKA）』でした。

まるで天使のような当時６歳の歌声は、松田聖子さんのアルバム『Sweet Memories'93』に収録されています。

松田聖子さんが我が子への想いを作詞・作曲したシングル『私だけの天使～Angel～』裏ジャケットの繋いだ手は、当時小学５年生の神田沙也加さんです。

沙也加さんが１３歳の時『ALICE』のペンネームで初めて作詞した『恋はいつでも95点』は、松田聖子さんのアルバム『永遠の少女』の収録曲。

聖子さんのシングル『bless you』は、二十歳となった娘から『上原純』のペンネームで作詞・作曲し贈られました。

次のシングル『WE ARE.（PawPaw名義）』も『上原純』作詞・作曲です。

きっと一番近くにいる『歌手・松田聖子』の最大のファンは、沙也加ちゃんだったのかもしれません。

一人娘を失った母親の、言葉にできない悲哀は察するに余りあります。

ですが『歌手・松田聖子』に逢える日を、多くのファンは心待ちにしている筈です。

新たなスタートとなる明日４月９日の歌手活動再開に、心からの祝福を贈ります。

May God bless you.

【お知らせ ①】

『銀河鉄道999 THE MUSICAL』

2022年4月8日（金）〜18日（月）全15公演

日本青年館ホールにて上演！

STORY

未来社会。人類は肉体を機械に変えることで永遠の命を手に入れていたが、貧しき者たちは高価な機械の身体を買えずに虐げられていた。

そんな中、母を機械伯爵に殺された少年・星野鉄郎は、謎の美女メーテルと共に、機械の身体をタダでくれる星を目指して銀河鉄道999に乗り込む。

遙かなる銀河の旅の中、鉄郎はハーロック、クイーン・エメラルダス、大山トチローなどとの出会いや、機械伯爵の意外な過去に触れ、限りある生命の美しさに気づいていく。

さらに鉄郎の真っ直ぐな心は、メーテルにもある大きな決意をさせるのだった──。

【お知らせ ②】

松本零士原作の普及の名作アニメ「銀河鉄道９９９」の世界を紹介する企画展「銀河鉄道999展」が４月９日から、東京・杉並区の東京工芸大学杉並アニメーションミュージアムで開催される。

登場人物紹介や設定資料を公開するだけでなく、数々のフォトスポットも用意。1978年に放送が開始されたテレビシリーズをはじめ、劇場版２作品に関する情報を展示する。参加型展示として、銀河鉄道999号の客車内を再現した、実物大ジオラマを設置。車掌さんを案内役に、メーテルと一緒に宇宙旅行の気分を味わえる。車両先頭部分の大型模型も登場した。

　また、ミュージアムのアニメシアターでは「銀河鉄道999」のテレビ版第１話「出発のバラード」、第16話「蛍の街」、最終回である「青春の幻影さらば999 後編」を上映する。上映スケジュール等詳細はミュージアム公式HPまで。入館料は無料。６月２６日まで開催される。

企画展『銀河鉄道999展』開催！ | 東京工芸大学　杉並アニメーションミュージアム