昭和49年にスタートした『宇宙戦艦ヤマト』を、初めてみたのはテレビでの再放送なのか映画館だったのか?

幼かった私は覚えていません。

唯一の記憶は、宇宙空間に浮かびあがる幻想的な女性の正面顔。

その美人画を松本零士先生が描いたものだと、後になって知りました。
私が『宇宙戦艦ヤマト』を認識した頃、世間は既に『ヤマトブーム』の真っ只中。

テレビスポットや通学路に貼られた予告のポスターに時めきます。

もう『劇場版  宇宙戦艦ヤマト』(昭和52年)『さらば宇宙戦艦ヤマト』(昭和53年)の2本立てを観に行かずにはいられません。

ポスター下部の安彦良和さんが作画された古代進&森雪と、松本零士先生のスターシャとテレサが並んでいる事に胸躍らせたものです。
宮川泰先生の劇伴や、ささきいさおさんの唄にも魅了されました。

特に『真赤なスカーフ』は最高傑作だと思っています。

「ラララララララ…♪」の、曲に歌詞を載せずに表現した感情の意味合いも、今では理解している・・・たぶん。

『真赤なスカーフ』(作詞:阿久悠    作・編曲:宮川泰)

あの娘が振っていた真赤なスカーフ
誰の為だと思っているか

誰の為でもいいじゃないか
みんなその気でいればいい

旅立つ男の胸にはロマンのかけらが欲しいのさ

ラララララララ…ラララララララ…

ラララ真赤なスカーフ
当時『ヤマトブーム』を受けて、グッズを取扱うショップが北九州市にもオープンします。

店名は、『アニメショップ・ヤマト』

暫くして、東映動画の直営『アニメポリス・ペロ 』もオープンしました。

数ヶ月に一度、家族で少しオシャレをして、私たちを小倉の街へ連れて行ってくれた母。

裕福じゃなかったけど、幸福だったんだなぁ~と思います。

懸命に養い育ててくれた母へ「ありがとう」の気持ちでいっぱいです。

因みにショップで必ず購入していたのは、ラミネート加工されたカードやポスターでした。

今のコレクションの原点は、この頃なんだと思います。

『TV版  銀河鉄道999』作画:荒木信吾&姫野美智

『劇場版  銀河鉄道999』作画:松本零士

『さよなら銀河鉄道999』作画:長岡秀星

荒木信吾氏と姫野美智氏の手掛けた作品は松本アニメ以外にも数多く、可憐で美麗な作画が特徴です。

長岡秀星氏は国際的なイラストレーターで、作曲家の喜多郎さんや作詞家の松本隆さんとも作品を発表されました。

他にも嶋津郁雄氏や横山宏氏など、様々な方たちが松本美女を描かれています。

『メーテルレジェンド』『クイーンエメラルダス』

増永計介氏の作画では『PS宇宙戦艦ヤマト』シリーズが、個人的には一番好きです。

松本零士先生の描き方に近いキャラクターデザインへとアレンジされています。

結城信輝氏の『CR銀河鉄道999』は小松原一男さんへのオマージュを感じられる作画で素敵です。

『劇場版  銀河鉄道999』がベースということで、監督りんたろう氏から「小松っちゃんがもう居ないんだから、結城君しかいないでしょう」と依頼されました。

また、松本零士先生といがらしゆみこ先生のコラボ作品もあります。

『キャンディ・キャンディ』『ジョージ!』など、いがらしゆみこ先生は妹の影響もあって好きな漫画家さんのひとりです。






さて、4月29日(水)昭和の日。

何もかもが皆懐かしいあの頃に想いを馳せながら、ステップガーデンが特徴でもある福岡県福岡市の複合施設『アクロス福岡』へ行って参りました。

宮川泰×羽田健太郎『宇宙戦艦ヤマト』コンサートです。

施設内の福岡シンフォニーホールで待ち合わせをしていたのは、過去の記事『’79』等で紹介した東京の999メンバーたち。

更にSNSで知り合えた、綺麗なものを写し出すカメラマンさんやコレクション数が半端ないフォロワーさんとも初めて逢うことができました。

プログラムは、指揮:宮川彬良(父・宮川泰)とヴァイオリン:篠崎史規(北九州市出身)のトーク・ショーからスタートです。

その後は、組曲『宇宙戦艦ヤマト』(作曲:宮川泰)、 交響曲『宇宙戦艦ヤマト』(作曲:羽田健太郎)へと続きます。
そんな内容の記事を、今回アップする筈でした。

終演後、東京の仲間たちと私のBARへ移動し、宴から参加の大阪の友人も交え、去年のように『銀河鉄道999』特製グラスで乾杯したかったのに・・・

パンデミック化した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によって、実現することはありませんでした。

特別な夜の特別なゲストたちの為この日は貸切にして、BGMも好みの曲ばかりにする予定だったのになぁ~。

コンサートの曲は勿論、『劇場版  銀河鉄道999』(作曲:青木望)や『さよなら銀河鉄道999』(作曲:東海林修)などなど。

東海林修先生の命日(4月30日)に合わせ、零時過ぎに仲間たちと献杯もしたかったけど・・・

仕方ありませんね。
4月7日、国から発出された『緊急事態宣言』に福岡県も含まれ、即日施行されました。

COVID-19 の感染拡大を防止する為の、外出自粛等の要請効力は1ヶ月間。

前に県からは週末(土・日)の自粛要請が出ていたので、私の職場のBARでは4月4日(土)からの臨時休館を、ゴールデンウィークの最終日 5月6日(水)まで継続する事にしました。

苦渋の選択ではありますが「私達ひとりひとりが我慢して協力しないと。」と、京都大学 iPS細胞研究所の山中伸弥教授も仰っています。

松本零士『銀河鉄道999・iPS細胞編』
未知のウイルスからの『感染、不安・恐れ、偏見・差別』の収束・終息は全人類の課題です。

世界中の人たちの意識が1つに結ばれその日を迎えられたら、きっとそこには新しく生まれ変わった地球の姿があるのかもしれません。

因みに、松本零士先生が育った北九州市のご当地ヒーロー・キタキュウマンもメッセージを発信しています。

「正直、情報が多すぎて何が正しいか分からない。確実な治療薬も予防薬もない現在、一つだけ言えることは、ネットで人を叩くな傷つけるな。何の解決にもならん。誰も悪くない。人間同士で戦うメリットはない。」

キタキュウマンPV『Hey!!北九州
さあ、無職状態の巣ごもり生活も希望を込めて、あと7日。

学生時代以来の長期休暇は殆ど外出もできず退屈でしたが、自宅の物置の片付けで忘れかけてた想い出の品々を発掘できたのは収穫です。

家族の職場への送迎と、週1の必需品の買い出しでは季節を感じることもできました。

後は、BARの清掃や、日常の炊事・洗濯・掃除くらいだったので、好きな音楽を聴いたり映画やドラマを観たり筋トレしたり・・・

原作『銀河鉄道999』に登場するエピソード『時間を食べるテスト』を受けてるようです。

松本零士『C62の反乱』
ただ無収入の日が続いているので不安でしたが、国からの支援は有り難く大いに助かります。

そして、精神的に救われたのはお客様や友人からの励ましのメッセージです。

私の原動力が、大切な人たちとの繋がりなんだと再認識できました。

東京の999メンバーから、『宇宙戦艦ヤマト』コンサートのチケット手配の御礼にと、成田市で開催された『松本零士展』のチラシやグッズなどが届いた時も嬉しかったなぁ~。

BARを応援してくれる皆に恩返しできるよう、今後も油断せずに気をつけながら、元気な姿での『再会』を心待ちにしています。

一刻も早く、安心・安全を取り戻せる日が必ず訪れますように。

【追記】

新型コロナウイルスが世界的に拡大し始めた2月以降、SNSでは、流行終息の願いを込めてアマビエの自作イラストなどを公開する動きが広まりました。

アマビエとは、江戸末期の弘化3年(1846年)に肥後国(現在の熊本県)の海に出現したとされる妖怪です。

自ら「アマビエ」と名乗り「病が流行したら私の姿を写して人々に見せよ」と告げて海へ帰ったという言い伝えが残っています。

このことから、疫病退散に御利益があると信じられてきました。

松本零士先生も、妖怪アマビエを描いてコロナ封じを願われています。