夢見館の物語 | ゲームを積む男

夢見館の物語

「夢見館の物語」はセガサターンが発売される1年前の1993年にセガからメガCD向けソフトとして発売されたアドベンチャーゲームです、開発はシステムサコム(既にゲーム開発から撤退)


セガとしては本作の他にメガCD用ソフトの実写ゲーム・ナイトトラップ等のCD-ROMの容量を利用したムービーを多用した一連の作品群を「バーチャルシネマ」と呼んで広告していたのが印象的、一言にバーチャルシネマと括ってもじっくりプレイ出来るアドベンチャーだったりタイミングに合わせて任意のボタンを押すゲームだったり様々。


ゲームの目的は不思議な館に迷い込んだ兄妹の兄として先に館に迷い込んだ妹を捜し出して共に脱出すると言う内容、基本的には洋館を行き来してフラグを立てて進んむスタイルですね。


基本的にプレイヤー=主人公の少年の視点でゲームが展開して不思議な館の中を探索、メガCDの性能から全体的に靄が掛かったような雰囲気になっており主張しすぎない音楽とかも含めて雰囲気重視の作りになっている訳なんですね。


館の中にいる住人は元人間なのですが全員蝶の姿をしています、住人達はそれぞれ館の各部屋にいますが彼らのバックボーンに合わせた部屋になっており、物語が進むとそのバックボーンが語られていったりします、姿が蝶なので本来の人間としての姿はわからないのですが声の演技による力等と合わせてプレイヤー各自にイメージが浮かぶんじゃないかと思うわけです。


主人公は少年なので視点が低く設定されています、館の階段を上り下りする時はその高さを感じたり、手すりから下を覗き込んだ時の見せ方とか、コンシューマーゲームで3D視点のアドベンチャーゲーム初期を考えると非常に秀逸な出来なのです。


でも、雰囲気だけのゲームじゃないんですね、基本的な作りは恐怖物で。


その恐怖は驚かせる感じの恐怖じゃなくてじわりじわりとやってくるような恐怖なのです、洋館を舞台にしたゲームなんだけど日本的な恐怖と言うか、これもメガCDの性能の限界が良い意味で作用していた部分もあるのかも。


大体4時間程度でクリアー出来るので人によっては物足りない部分もあるんだけどこの雰囲気とかは機械と機会があれば体験して欲しいな、って思ったゲームなのです。


ただ、セガサターンで発売された続編らしきゲームは正直駄目だった、本作の良さを台無しにしてしまう部分が多いのに加えて本作とのストーリー的な繋がりがちょっとガッカリ過ぎるのです。


○こんな人にオススメ

・洋館好き

・蝶好き

・メガCDユーザー


○お勧めプレイ環境

・静かな部屋で