うちの彼氏は脳腫瘍47 | 【男×男】理想はStressFree【2005年~】

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アラフィフゲイの日常。

2005年からの付き合いになる彼氏のことや彼氏の脳腫瘍のこと、仕事のこと、飼っている猫のことなどを、徒然なるままに書き連ねています。

現在彼氏とは戸建てにて同居中。東京から地方へ転居してきたので、周りは高齢者と田んぼばかりです。

細野医師の診察を終え、次は三谷医師の診察。
ただ、細野医師の思ったよりも強い拒絶感に「自家がんワクチン」に前向きだった私たちは出鼻をくじかれた格好となった。

 

理論上はバッチリだと思ってたんだけど、医師からするとまだまだ要注意の治療法なのかなぁ……。

 

実は「自家がんワクチン」を紹介した人間である私としては、細野医師から全否定されて結構バツが悪かった(^^;
とはいえ、やるかやらないかは決めていたわけではなかったし、状況が状況ならやらずに済ますだけだ、と気を持ち直して三谷医師の診察に臨んだ。

 

三谷医師の診察室に入ると、細野医師とは対照的にいつも通りのニコニコとした笑顔で出迎えてくれた。

 

三谷医師

「はいどうもー。どうですか、調子は?」

 

アラヤちゃん

「えーっと、細野先生にもお話したんですけど、高次脳機能障害というか……。」

 

三谷医師

「うん?

なんだろう?

より言葉が出辛くなりました?」

 

アラヤちゃん

「えーっとね、考えが、考えが……。

えーっと少しまとまらないです。」

 

三谷医師は私の方を向いて、「今も一緒に生活してるんですか?」と尋ねてきたので、私は「そうです。」と答えた。

 

三谷医師

「一緒に生活していて、どうですか?

日常の様子とかは。」

 

「思考の部分に関しては、言葉に出してくれているわけではないので気付かないんですけど、右手での動作を避けるようになってきたかな、とは感じています。」

 

三谷医師

「あー……。」

 

そういってカタカタと三谷医師はPCに入力を始めた。

 

「重たいものとか、細かい作業とか、ペットボトルのふたとか、そういったものを右よりは左を使用するようになってきたかな、とは思っています。」

 

そしてアラヤちゃんの方に向き直り、

 

三谷医師

「それは力が入りにくいとか、細かいことがやり辛いとか、そういうこと?

それとも、無自覚?」

 

と尋ねた。

 

アラヤちゃん

「無自覚……ですけど、そう言われるんだとすれば、そうなんでしょうね……。」

 

ちなみに私としては、

 

無自覚かーいヾ(-д-;)ビシッ

 

という感じだった。

 

アラヤちゃんは自分の症状を隠さなくなってから、割と頻繁に自分の不調を訴えて来ていて、
「ほら、右足が動かしにくそうでしょ?」
「文字が上手く書けない。」
「右手でフライパンが良く振れない。」
など、こちらが訊いてもいないのに猛烈にアピっていた。

 

正直、「ほら、俺って可哀そうでしょ?」と言わんばかりに(´`)=3

 

三谷医師

「トイレのドアが開けっぱなしとか、蛇口の水が出しっぱなしとか、そういうのはどうかな?」

 

「あ、それは特に変わらないです。」

 

三谷医師

「変わらない、っていうのは、あるの? ないの?」

 

「あ、えー、私と変わらないくらい程度にはある、ということですw」

 

三谷医師

「あははw

人様レベルでは、ある。

ってことねw」

 

笑いながらPCにカタカタと入力する三谷医師だったw

 

三谷医師

「えーっと、そしたらですね、細野先生から色々話があったと思いますが、手術の予定が組まれて、一応「覚醒下」でなんとか、と。

ただやっぱり、言葉の出が悪いと中々……なんというか、「言葉」という能力の評価ができないんですね。

で、手足の部分に関してもこちらの意図を汲んでくれないと中々難しいので、覚醒度合いによって摘出の範囲というのは大きく変わってきます。

もちろん、条件を整えてなるべく最大限とれるようにやっていくつもりではあります。ただ、それが出来たとしても腫瘍の一部は残ってきます。」

 

脳腫瘍がアラヤちゃんの脳に与えたダメージは、主に言葉や表現能力(相手に理解できるように発言すること)だ。麻酔が効いてどうしても朦朧としてしまう中で、どこまで覚醒下手術の真価が発揮できるかはわからない、と念を押された。

 

三谷医師

「でも今回の手術の目的は、腫瘍の量を減らすことだけではなく、腫瘍の『顔』を見に行く、という点もあります。

どのタイプの腫瘍なのかをしっかり診断をつけて、その後の治療法に活かしていく、というのも大事な目的です。

今すぐ手術をしないと命を取られるということはおそらくないでしょうが、出来なくなることは日に日に……というよりは月々にくらいのペースかな?で増えていくと思うので、脳腫瘍だと分かった以上は手術に踏み切らざるを得ないと思います。

ま、一部分の能力は手術によって失いかねないところもあるんだけれど、まあそれを最小限に抑えるための覚醒下手術になってくるのかなぁ、というところです。」

 

 

そういうと、三谷医師からの手術についての説明は終わった。

 

その後は、メチオニンPET検査は無事に受けられたのかを確認され、受けたと答えるとまだこちら(県立病院)には届いていないけれど入院までには届くでしょう、と言われ診察が終わった。

 

三谷医師

「あとは何か聞いておきたいことはある?」

 

そして私は、細野医師の時と同じようにおずおずと言うのであった。

 

「あの……ちょっと伺いたいことが……。」

 

↓「自家がんワクチン」についての三谷医師の見解が明かされる!!!