一年ぶりに。
運転席は次姉。
助手席は長姉。
わたしは後ろから、
ふたりの間に顔を出して。
一年前と同じ。
父のお墓に。
一年経ったんだね。
あれから。
誰ともなく言う。
感慨深い。
相続にまつわる諸々が収束してから一年。
この年末、父は三回忌を迎える。
父が亡くなって2年。
最後に会ってから32年。
墓石に彫られた、父、叔母、祖父母。
皆で丁寧に確認する。
連綿と続く、わたしたちのルーツ。
姉妹のなかで父と過ごした時間がいちばん短い。
あいまいな記憶は都合よく上書きされ、
長い長い年月とが過ぎ、
いまはもう物言わぬ父は、
わたしのなかでいつしか理想の父になっている。
問いかければいつでもほしい答えをくれる。
甘えられる。
姉たちとわたしの記憶の鮮明さと量は結構違う。
良くも悪くも。
けれど、姉たちはわたしのそんな発言のいくつかを黙って許してくれている。
お墓詣りの後は、昇仙峡へ。
子供の頃何度も訪れた懐かしい場所。
おじいちゃん、おばあちゃん、おばちゃん、イトコ。
タイムマシンで進む峠道。
また会いに来るんだろう、来年も。