尊敬している人は、
と問われたら、
迷うことなく、姉、と答える。
今日は姉の入院に付き添った。
いいよいいよ、
入院する時は元気だもの、
別に来なくていいよと言っていたけれど、
休みだったこともあって、
行ってきた。
6歳上の長姉。
ザ・長女、という気質の人。
我慢強く、真面目で、
わたしにないものを山ほど持っている人。
入院手続きや、
ナースステーションへの挨拶。
まだ新しい巨大病院は、
なにもかもがキレイで、
4人部屋だけれど、
それぞれのベッド脇に大きな窓があり、
明るい雰囲気にとても救われる。
病院にくると胸がざわざわする。
患者の家族は、
こういう気持ちなんだね。
こんな気持ちになるんだね。
パジャマに着替えた姉と、
デイルームで一緒にお昼ごはん。
お昼の面会時間が終わるまで、
小一時間、おしゃべりしながら。
わたしの手術なんて大したことないんだから、と、
だから、手術の付き添いもいらないし、
なんて淡々と言っていた姉だけれど、
食欲がない、
食べられない、
haruちゃん、これも食べな、と、
けして悪くなさそうな病院食だけれど、
ほとんど食べようとしない。
翌日の手術のことを考えたら、
食べる気が失せてしまったよう。
目に見えてナーバスになってしまった姉。
明日は一日絶飲食なんだから、
今日はちゃんと食べなきゃ。
ちゃんと食べとかないと、
体力なくなって回復力落ちるよ!
何を言っても、
いらない、もういいと言い、
箸を置いてしまった。
生命に関わる病気ではないのだけれど、
手術には6~7時間もかかるという。
辛抱強い姉だけれど、
半分だけでも変わってあげられたらどんなにいいだろう。
言葉にするのが辛くて、
ブログには書いてこなかったけれど、
実母とのことに続いて、
次姉ともいまは距離が開いてしまっている。
もう次姉とも1年以上、
会っていない。
姉たちと実母と、
全員で顔を合わせたのは、
わたしの乳がんの手術の翌日。
病室で会ったのが最後になった。
10代の頃に父と生き別れ、
夫と娘を除けば、
長姉は、わたしのいまの唯一の家族だ。
遠いのに来てくれてありがとうね、
来てもらって良かった、
ひとりで食べるんじゃ寂しいもんねと、
繰り返し言うパジャマ姿の姉が、
すごく弱く見えて、
ここに置いて帰りたくない、
と、泣きたいような気持ちになる。
面会終了の時間になって、
姉がエレベーターまで送ってくれた。
駅までの途中に、
haruちゃんの好きそうな店があるよ、
寄って行きなねと、何度も言う。
生まれて初めて、
姉とハグした。
明日、がんばれ、大丈夫だから。
エレベーターのドアが閉まるまで、
手を振った。
お姉ちゃん。
がんばれ。
よく眠れますように。
また行くからね。

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