心理学の本の中で、
『人は誰しも、認められたいと思っている』
というくだりを、以前読んだ。
自分の才能を認められたい、ということはもちろんだけれど、
自分がここにいる、という、
存在を認められたい、ということを望むのが人間なのだと。
抗がん剤中、副作用がいちばん酷かったときは、
生きる、どころか、死なないでいるのがやっと、という時もあった。
そんな時にはもう、明日のことすら考えられず、
自分の存在どうこう、なんてことは、全く考えられなかった。
けれど、投与が終わり、副作用が抜け、
身体が回復するのと同時に、
少しずつ少しずつ、自分の周囲へ目がいくようになり、
前へ向こうとする気持ちも、ぐぐっと首をもたげてきた。
そういう思いを確認するたびに、
ああ、もう、終わったんだ、
もう副作用はないんだという喜びを味わいながら。
また自分の役割を果たしたい、
かつてのような日々を送りたい、
そう思いながら、気持ちが凹みながら、
職場復帰をどうすべきか、ずっと決められないでいた。
戻るのか、新しい道を探すのか。
休職させてもらっている職場は、
帰っておいでと言ってくれている。
ありがたい話だ。
なのに素直に喜べない。
復帰を考えただけで、不安で仕方がなかった。
怖い。
戻って、わたしに何が出来るんだろうか。
気力も体力も、かつてと比べ、どう変化しているのかも想像できない。
延々、マイナスのことばかりを考え、最後には、
この年で癌になったわたしを、同僚たちはどう思うのだろう、とまで。
働きたいのに、怖くて踏み出せない。
考えすぎて、先月はずっと落ち込んだ。
ああ、どうすればいいんだろう。
戻るにせよ辞めるにせよ、
考えているだけは埒が明かないので、
何度かメールでやり取りした後、
昨日、4ヶ月ぶりに職場へ行き、話をすることに。
向かう道々、
お店へ足を踏み入れて、店長やスタッフと顔を合わせれば、
自分の中でなにか答えが出るかもしれない、と、まるで博打のような気分。
うわあ~と、出迎えてもらえ、
いいよいいよ、戻ってきてくれるだけでいいんだよ~と皆に言ってもらえて、
わたしのなかの、硬い強張った何かが、少し解けたような。
いいのかな、戻っても。
1時間以上店長と話をし、今週末から復帰することを決めました。
もう、軽い気持ちで戻ることにしました。
駄目なら駄目で、仕方がないさ。
そしたらまたそこで考えればいい。
久しぶりの皆との再会で、そんな風に思えて嬉しかった。
案ずるより産むが易し。
頑張らないけど、頑張ろう(笑)
明日から、復帰です。
明日。
3月11日。
あれから1年という、忘れられない日に、
再出発することに意味があるような気がして、
見えないたくさんの人たちと、
一緒に改めてスタートをきるような気持ちです。
そして、明日は、わたしの40歳の誕生日でもある日。
40歳。
人生まだまだ半分。
こちらも、大きな意味を持った、スタート地点に立つ思いです。
どんな未来が広がっているか、
わくわくしながら、生きていきたいと思っています。
未来は、きっと変えられる。
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