朝顔







マフィンが上手に焼けたので、皆さんに食べてもらうべく森に向かう。
けど、たまたま皆さん出かけてる時間だったみたいで。
残ってらしたルッツさんも、忙しそうに行ったり来たりしてる。
出直そうかなとも思ったけれど、

「じゃあ後でお茶にしよう。」

そう言っていただけたから、小屋の中で待つことにした。
でも、1人だし、時間を潰すようなものは持ってきてなかったしで、だんだん寂しくなってくる。
1人は、あまり得意じゃない。
意識し始めたら、さらに寂しくなってきて、顔を上げてられなくなり、とうとう涙まで滲み始めてしまった。
寂しいな、そう口にしかけた時、ルッツさんが小屋に戻ってきた。

「あ、お帰りなさい!」

ぱっと顔を上げると、ちょっと困った顔のルッツさん。

「ごめんね、もうちょっと待ってね。」

「あ、ごめんなさい。待ってます。」

今日は暑いから開けておくねと言って、ルッツさんはドアを閉めずに小屋を出ていく。
見送った背中が見えなくなると、引いていた寂しさがまた、じわりじわりと戻ってくる。
膝の上に乗せていただけの手が、いつのまにかスカートを握りしめてしまってる。
皺になっちゃうなと思いながらも、離せない。

時々、ルッツさんが開け放たれた扉の前を通って行くけれど、まだ忙しいみたいで、前を通るだけ。
でも、私の様子は気にかけて下さってるみたいで、通りかかるたびに目が合う。
それだけで、ちょっとだけ、寂しさが紛れるから、頑張って待とうと思えた。
ただ、目が合うとき、いつも笑顔じゃなくて、いつかの模擬戦の時の様な笑顔になってる理由は、私には分からなかった。

丈夫な棒を用意しておき、可能であれば扉の閂代わりにする。
マスカレイドの接触により、メイガスがマスカレイド化するかどうかが判明するまでは、メイガスには乗り込まない。
問題ないようであればメイガスに搭乗。

○陣形
通路、広間共に先頭に立ち、前衛として行動。

○戦闘
手近な対象>回復所持機体>ダメージの多い対象
順に攻撃していく。

槍地獄を主に使用。
残り一体になれば雷撃槍に切り替え。

暴走時は麒麟撃にてキュアを図る。
ギアス・3マヒ時は、交戦中の敵が3体以上いるのであれば麒麟撃。
2体以下であれば、ギアス時は雷撃槍、3マヒ時は槍地獄を継続して使用。

通路移動時、後方より攻撃された場合は雷撃槍。

○撤退
騎士団と遭遇した際、マスカレイドがその場にいないのであればすぐに水路へ。
まだいるのであればマスカレイドを殲滅を優先。

殿を務め、味方が全員水路に逃げ込んでから撤退。
その際、メイガスが邪魔になるようであれば乗り捨てていく。

「イリーナ。」

「……。」

「イリーナ……?」


暖かな陽が障子越しに差し込んでくる。畳特有の香りが漂う部屋で寛ぐ彼女と彼。
寝そべって本を読む彼女と、銀製の指輪を磨いている彼の隣で、針を動かすのはよくあること。
三人揃っているのは久しぶりではあるけれども。

「「イリーナ!」」

「はいぃ!?」


二人揃って声を掛けてきたので、跳びあがるように驚いてしまった。
暴れる鼓動を抑えながら二人を見ると、どちらも困惑交じりの苦笑いを浮かべていた。

「驚きすぎだろう。」

「今日は随分とぼんやりしてますね。」

「いえ、ちょっと考え事を……。どうかしましたか?」

すると二人して私の手元を指差した。
何かと思って見てみると―


「それ、さっき仕事だと言ってませんでした?」

「言ってたよな。大人しい感じのものにするとも言ってた。」

「……。」

「どう見ても、大人しくはないですよね。」

「……。」

いつのまにこれだけ縫い取ったのか、大きな薔薇、しかも赤やらピンクやらに小鳥がいて、さらに金糸で模様まで。
小さな薔薇を、布と同色の模様に絡めるだけのつもりだったはずなのにどうしてこうなったか。

「近頃、様子が変じゃないか?」

「いえ、きっと気の「そうですね、ここ最近、少し変です。」

嫌な、予感。

「ちょっと考えご「いつ頃からだ?」

「えーっと、確かリヴァイアサンの……。」

彼女がそこまで言った途端、二人してこちらをじーっと見てきた。
いつも通りの笑みを返したつもりだけれども、多分出来てない。
その証拠に二人とも、とても、清々しいというか爽やかというか楽しそうに、満面の笑みを浮かべている。


「うふふふ……。」

「あははははは。」

「はっはっはっは。」

すくっ。
立ちあがったのは三人同時。
動き出したのも、三人同時。
ただ、私の方が襖に近かったのが幸い。
彼が襖を抑え、彼女が私を捕まえようとする気配がしたけれど、僅かな差で私は部屋を抜け出した。

「ゆっくん、追うんです!!」

「おうっ!!」

「いやあああああああ!!」

ばたばたと廊下へと逃げれば、後ろからは狩猟上手な狼と狐が追いかけてくる。

「イリーナ、詳しく聞かせてもらいますよ!!」

「何があったのかしっかり教えてもらうからな!!」

「いぃぃぃぃやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

追いかけっこは夜にまで続いたとかなんとか。

「イリーナ。」


「はい。」


暖かな陽が障子越しに差し込んでくる。畳特有の香りが漂う部屋で寛ぐ彼女。寝そべって本を読む彼女の隣で、針を動かすのはよくあること。
今さら沈黙なんてお互い気にならない。だから私は呼ばれて尚、針を止めなかった。


「それ、仕事じゃありませんよね。」


「違います。」


「また凄いものを……。」


邪魔にならない程度に覗き込んでくる彼女のことは気にせず、針を進める。
声音からすると、彼女はひきつった笑みを浮かべていそうだが、それもお構いなし。


「苛立ってますね?」


「はい。」


彼女に苛立ってる訳ではない。苦笑交じりの言い方から、彼女もそれは分かってる筈。こんなやり取りも何度目だろう。
ただ単純に、色々なことがあって苛立っているだけ。そんなときは良い生地と良い糸を使って、気が済むまで刺繍。それが私の発散方法。
そこも理解されてるのは良いことなのか悪いことなのか。
とはいえ―


「これ、出来たところでどうするんですか?」


「……どこぞの狼さんに着てもらいましょう。」


私は変わらず針を動かしながら、竹林と厳つい虎を縫いとりながら彼女に答えるのであった。

後衛として行動
被弾を避ける為、出来るだけ中央に布陣

1、2撃目は攻撃対象を尤も手前にいる一体にしぼり、プラスワンをキャンセルしたフェアリーパウダーで攻撃
攻撃を当てた敵以外もアビを真似てきた場合、それ以降はプラスワンをキャンセルせずにフェアリーパウダー
4体にギアスをかけ次第、弱っている対象を攻撃に切り替える

攻撃を当てた敵のみが真似てきた場合は引き続き、プラスワンをキャンセルしたフェアリーパウダーで攻撃
弱っている敵を確実に落とす
敵の通常攻撃で暴走・チャージ・ハイパーがあるならば、シキヤに声をかけ、攻撃を繋ぐ

私自身が3マヒにかかっておらず、かつGutsが800を切った仲間が4人以上の場合
もしくはGutsが500を切った仲間がいる場合にはフェアリーサークルを使用

麒麟撃は、私自身を含めた回復手全員が3マヒか暴走のいずれかにかかっていて、なおかつGutsが800を切っている仲間が4人以上居る場合のみ使用