人文系や社会科学系など、研究の軸にケーススタディを据える機会は多いと思います。

査読論文を読んでみると、ケーススタディの対象の選定理由として、様々な助成やプロジェクトの存在を挙げているものを見掛けます。

もちろん、それらは立派な「選定理由」でありますが、個人的な努力で博士号を狙う社会人においては、より原則に立ち返り、数ある研究対象候補の中で、どうしてその事例を選んだのか、客観的・合理的な理由の記載が求められます。

また、ケーススタディの結果を普遍的な研究成果に向けた考察材料とするためには、研究対象とはしていなくても、周辺知識としての事例蓄積は必要になります。

ケーススタディの対象をどのように選ぶかは、ケースバイケースとしか言えませんが、色々な論文を読む中で、次のパターンがあることがわかりました。

A.助成・プロジェクトの対象であり、その成果を論文にしたため、当然に研究対象となったもの
B.研究対象の選定にあたり、当該論文の結論を導く上で、合理的・客観的な理由がある。もしくは一定の制約や、与えられた研究対象候補の中で、最良であると推察できる材料を提示できるもの
C.データや知見の入手難易度が高く、それ自体に価値があるもの(合理的・客観的な研究対象の選択が、なんらかの理由で難しいもの)

私はケーススタディを通じて、論文の論旨を検討するタイプなので、後付けで理由を考えることもありますが、今のところ、なんとかなっています。