40〜42℃の大発見!温灸と自律神経の関係 | セントラルたなか鍼灸院

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 こんにちは。セントラルたなか鍼灸院の古田です。昨今、様々なメディアで「自律神経の乱れ」についての特集を多く目にします。それら自律神経に関係した悩みをお持ちの方がこのブログを読まれていたら、是非知って頂きたい事です。

 

 今回は当院で主に使用している灸施術の方法と自律神経の働きについて紹介します。先回のブログ灸の効果について(①免疫力を高める・②鎮痛・リラックス効果・③経絡の循環改善)ご紹介しました。

 

 自律神経の働きを良くするには上記3つの作用をより高めつつ、私達の身体にある「スイッチの切り替え」がスムーズに行われるようにする必要があります。

 

 自律神経は交感神経と副交感神経に分けられます。それぞれ作用が相反するもので、この2つがシーソーのようにバランスを取って私達の身体の働きをコントロールしています。交感神経は興奮状態、副交感神経はリラックス状態にする作用があり、入浴にヒントがあります。

 

 皆さんは普段お風呂に入った時、どのような感覚になりますか?きっと多くの人がポカポカして良い気分になると思います。入浴の医学的な作用は「温熱作用」です。適正な温度の湯船に浸かる事で体の表面にある血管が温まり、そこを流れる血液が全身へと巡ります。血液には酸素や栄養素を運搬する役割がありますので身体に蓄積している老廃物などは体外に排出されます。このように身体が温まってくると筋肉や関節の緊張が和らぎやすくなります。

 

 そしてこの作用はお湯の温度によって身体への影響が変化します。その境界となる温度が「42℃」である事が研究により明らかになっており、交感神経と副交感神経はこの温度を境にそれぞれが作用する仕組みです。

 

 よって42℃以上のやや熱いお湯に入ると交感神経が高ぶります。血圧の上昇、発汗、筋肉は硬直します。そして、胃腸の動きはストップします。逆に40℃くらいのぬるま湯に入ると副交感神経のスイッチが入ります。血圧の下降、汗はかかず、筋肉は緩みます。胃腸は活動し、消化が促進します。

 

当院の初代院長である田中法一は、灸の温度に着目して40〜42℃で温める事のできる「温灸法」を様々な研究を重ねて考案しました。本来、灸施術はもぐさを米粒くらいの大きさに捻り、肌の上に据えて直接燃焼させるものですが今回ご紹介した理論に基づき、自律神経のバランスを整える事で、身体の様々な機能回復に向けてのサポートをしていく事ができます。

 

この「温灸法」で優れている点は・・

①患者様の身体の状態や好みに合わせて調整できます。

②市販灸と比較し、緩やかに温度が上昇するため優しい刺激です。

そして、温かさの持続時間が長いです。

③眉間の中央に印堂と言うツボ(経穴)がありますが、市販灸では対応が難しい場所にも施灸できます。

④40〜42℃の温感で自律神経系他、幅広い症状に適応できます。

 当院の歴代の先輩方の話を聞いた事があります。今、この瞬間に私達が患者様と関わる事のできる環境がある事に感謝します。今回ご紹介した温灸法は当院の50年以上の伝統の中で培われてきたものです。40〜42℃の温感でこの灸法が実現できた事は大発明だったと言う訳です。多くの方々に笑顔になってもらえるよう、この灸法を通して皆様に貢献します。

 

鍼灸師の先生方へ

 今回ご紹介した温灸法は、当院で行われているナヴィア塾で学ぶ事ができます。