「ミアがそこにいるのは分かってんだよ。早よ出せや!じゃないと警察呼ぶぞ!」下山田は玄関のドアをドンドン叩き出した。
「ピッピー」
『おおだまタクシー』が停まった。下山田はクラクションに気づかず、まだ叫んでいた。
「トントン」肩を叩かれた下山田が振り向くと、社長だった。「下山田君、仕事サボって何しおっと?」ミアの母もいた。後ろからパトカーが来た。ミアの母が、警察に連絡したのだ。警察官が下山田に「下山田カゲキ、ちょっと署まで来てもらおうか」と声をかけた。
「えっ?なんですか?なんですか?」
下山田はそのまま捕まった。
あれから2週間が経った。センター入試当日。ミアはあれから、猛勉強した。一成と会うことはなかった。
「アイちゃ〜ん、学校行く前に迷ったらどうしよう〜」「ミア、あんた何言いおると?」「お母さ〜んタクシー代払うから送って」「わたし疲れたけん、い・や・よ」「ミアちゃんなんでそんなに緊張してんの?頭いいのに。受かるって。頑張れ」「みっ宮本さんが言うほど、緊張してないもんねっ」「でもさー、ミアって方向音痴だったりするんだよねー」朝から『おおだまタクシー』は賑やかだった。
ルルルル・・・ルルルル・・・「はい、もしもし」「ミア、電話。松田って人から」本当に?と思いつつ、電話に出た。「あのさ、沢詩もA大学で受けるんだよね?」「う、うん」「一緒に・・・行かない?」「う、うんっ」ミアは最高に嬉しかった。
しかし、2人とも学校の場所が分からず道に迷ってしまい、結局試験に遅刻したのであった。
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これでひとまず終わりでっす。お付き合いいただき、ありがとうございました(^^)❤️またね♪