なみはその頃、自分の部屋でCDを聴いていた。玄関のベルが鳴った。

「はーい」出てみると、そこにはミアと一成がいた。

「ミアじゃん。どうしたのー?息切らせて。松田君も一緒に・・・」「理由はいいから、とりあえずかくまってほしいの」「う、うん。じゃあ中に入って」ミアと一成は、なみの家のリビングに入れてもらった。


「下山田さんが襲ってきたー?」なみは驚いた。「で、松田君に脅迫電話してきたって?」「ああ、心配で沢詩の家に行ったらもう、下山田が先に来てて、こうなったんだ」一成から一部始終を聞いた。

「もう、怖かったぁ・・・」ミアが泣き出した。

「よしよし、怖かったね。とにかく無事でよかったよ」なみはミアを抱きしめて撫でた。

「ミア、家には誰も居ないの?」「うん」「それはちょっと怖いね、うちも今誰もいないから、ゆっくりしときー。松田君も今出ると危ないから、一緒にいてあげて」「ああ。萩原、ありがとう」「いいってことよ」なみは飲み物とお菓子を出した。

「あ、センター試験も近いからさ、勉強してていいよ。あたしの教科書とか貸すし。そこにある鉛筆とルーズリーフ、使っていいよ」「ありがとう」ミアと一成は2人で勉強した。


「家、鍵閉めて来てないや」ミアが言った。「しょうがないよ、逃げるのに必死だったんだもん。アイちゃんに連絡しとく?」ミアはアイに連絡した。


10分後、「家の鍵閉めて、なみちゃん家のポストに家の鍵入れとったよ」となみの家にアイから電話がかかってきた。「ありがとう、アイちゃん」


しばらくしてなみの家のベルが鳴った。部屋の窓から覗くと、下山田だった。