「付き合っとるよ。友達として」「今日、何かされた?」「目、きれいだねってせまられた」

「目、きれいだねえ?」ムサシが聞き返した。ミア以外皆大うけした。

「あたしだって、ムッちゃんにそんなこと、言われたことないよ」「そっからして普通じゃない。オレだったらクサくて言えんよ」ミアの母が言った。「そう言ってせまってきたんでしょ?それは誘っとったとよ。で大丈夫だったと?」「うん。歌って場を変えた」出会って2日、この進展は早すぎる、本当にこの人なのか・・・とミアは考えた。


アイとムサシと母は仕事に出かけ、ミアとなみは、2人だけで話した。「松田君のこと、今まで話さなかったけど、どう思ってるの?」「ーわかんない。離れてるし」

なみはミアが出かけている時に、アイ達から聞いたことをすべて、ミアに話した。「うそ、そんな所に行ってるの?じゃせまられたのって・・・」


それからも、ミアは何度か下山田と会った。1度だけ、ミアとなみと下山田の3人で遊びに行った。

「本当に下山田さんって、ミアには優しいよね」なみは言った。


公園に行き、車を止めて車内で話した。

「ミアは下山田さんのこと、どう思ってると?」なみはわざと聞いた。

「彼氏と思って付き合ってるつもりはないよ。はっきり言って友達としか思ってないよ、今は。まずはそこからだし。カー君のことは」ミアはそれだけは、下山田にはっきりと言った。

下山田は「ミアがそう思ってるならば、それでいい。けどこれは言える。オレは浮気はしない。手紙も出します。電話もします。信じろよー」

『信じろよ』なみはその言葉に引っかかった。

「本当?」「本当て」「信じられんなー」ミアは疑った。わざと「本当?」と聞いた。