3。受験シーズンが来た。ミアは担任の先生に「愛知の高校」を勧められた。ミア自身、地元の高校を受けたかった。愛知の高校に行けば「特待生」として学費は全て免除になるそうで、親としては経済的に楽になる。親に苦労をかけたくないミアとしては、そちらの方がいい。

「お母さん、あたし愛知の高校に行くけん」本当は地元の高校に行きたい。でも全額免除なら・・・。

受験申込書を母に渡しながら「これに、お母さん書いとってね」


「なみちゃん、あたし愛知の高校受験することにしたよ」

「そっかあ。ミアが行くっていうんだもん。いいんじゃない?」

「でもねー、お母さん、許してくれるかなー」

「おばちゃんのことだから、許してくれるんじゃない?そう思うよ」

数日後、ミアは母から記入された受験申込書を受け取り、愛知の高校を受験した。愛知でもトップの女子高である。難関と言われる試験を受け、見事に合格し、正式に行くことが決まった。


バレンタインデー。そういえばあれ以来、松田君から返事を聞いていない。ここでまた気持ちを伝えたい、最後のチャンスかもしれない・・・。

なみの協力を得て、朝早く学校へ行った。ミアはなみが2組へ来るのを待った。なみがカバンを置いて急いでミアのクラスに来て「ミアミアっ、松田君が今、教室に1人でおらすよ」「うそっ!ホントに?」ミアはチョコを持って急いで隣のクラスへ行った。

3年のクラス替えで、ミアは2組、なみと一成は3組と、隣のクラスになったのだ。


3組の教室には、ミアと一成の2人きり。「チャンスだ」と思い、ミアは一成にチョコを渡した。