入学式が終わっても、ミアはあの時の少年のことが気になっていた。

あの人は誰なんだろう、同級生かな?でも同じ小学校じゃないよね・・・

ミアはこのことをなみに話した。

「ミア、その人同じクラスの人だよ。まじであんなのがいいと?あたしとしてはー勧めないけど。そーかあ、ふーん」

「名前はなんていうの?」

「松田一成・・・、だったかな」


2になってクラス替えがあった。ミアとなみは隣のクラスになったが、1年生の時ほど話さなくなった。ミアはあの時の少年、松田一成と同じクラスになった。ミアとしてはクラス替えは大当たりだった。

席替えで、ミアと松田は前後の席に。嬉しい!でも話しかけられない。プリント回す時も恥ずかしくて顔が見れない。毎日のように続いたが、ミアは近くになれただけで嬉しかった。

修学旅行の時期となった。一大決心をするミア。

「松田くんに告白しよう」クラスで1番仲良しの絵都未に話し、お願いした。「給食準備中に、松田くんに階段に来てほしいって伝えて欲しいの」


ミアは一足先に階段に行った。しばらくして松田君が来た。

来て早々手紙を渡す。「これ、読んで」

そこには、クラス発表の日に手を貸してくれて嬉しかったことと『好き』という字がたくさん書かれていた。

クスッと笑いながら「かわいい字だね」という松田君に、さらにドキッとするミア。「あたし松田君のことが好き。なんだ。」

その頃、教室では給食の配膳が終わり、準備が出来ていた。

「沢詩と松田がおらーん」先生が気付いた。「豊田、山室、探してこい」

ミアと松田はまだ階段にいた。しばらくしてハシリに使われたい男子2人が来た。

「お前ら、ふたりでなんしよっとやー?給食準備終わったぞー」

「あ、ごめん。沢詩、教室戻ろう!」

松田君は走って教室へ戻った。ミアはそれをしばらく見ていた。

「豊田と山室が来んならよかったのに・・・」


結局、松田の返事は聞けなかった。