20190814 アルゼンチンの暴落が中国に飛び火するか【及川幸久−BREAKING−】 | 幸福実現党ならばこうする

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20190814 アルゼンチンの暴落が中国に飛び火するか【及川幸久−BREAKING−】

8月12日㈪、つい二日前なんですが、【アルゼンチンで株価と通貨の大暴落】が起きました。アルゼンチンということで一見、日本とはあまり関係ないことに見えるんですが、実は非常に関係しております。そして日本のメディアがあんまり今のところ報道していないので、このチャンネルで扱うことにしました。月曜日にアルゼンチンの【株価が一日で37%ぐらい暴落】してるんです。一日でです!【通貨のペソはこれも一日で33%も下落】しています。
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アルゼンチンというと南米第三位の実は経済大国だったんですが、今、大変大荒れになっています。きっかけは11日㈰、大統領選挙の予備選挙が行われました。アルゼンチンでは今年の11月に大統領選挙が予定されてまして、その「候補者を絞り込むための予備選」ていうのが、日曜日にあったんです。ここで「異変」があったんですね。
 
左派の候補で、前の政権で大統領でなくて首相だった人が今回大統領候補として出てるんですが、その人が47%の得票をしてしまったんですね。現職のマクリ大統領という人が大差で第二位に落ちたんです。この予想外の結果をマーケットはどう見たか?➝【アルゼンチンが左派の政権に戻ってしまう】ということで、これがきっかけで株価と通貨が大暴落になったわけです。
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アルゼンチンの状況なんですけど、今は「マクリ政権」というのがアルゼンチンの大統領なんですが、なんといっても、アルゼンチンは【デフォルトを過去に8回】ぐらいやってます。(デフォルト➝アルゼンチンの国債を発行して、それを返せなかった)
それでアルゼンチン経済は信用が無くなってしまって、そこに現れたのが今のマクリ大統領。
 
この方は【財政緊縮型】の経済政策をやっているわけです。➝財政を緊縮して借金(大体、海外に国債を発行して海外から借りてる金ばっかりなので)を海外に返して【海外の信用を取り戻すというのに努めてきた】んです。それによって信用が徐々に戻ってくることによって、海外からの投資をアルゼンチンに呼び込むという政策をやってきました。
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しかし【緊縮財政をやると、どうしても国内の国民に不満が募り】ます。【国民へのサービスが一気に下がってく】ので、それによってマクリ政権に対する国民の不満ていうのは、かなり積みあがっていたところだったんです。
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この前の政権ていうのが、いわゆる【ばら撒き】を中心にやっていた左派政権だったんですね。それによって国家財政がどんなに悪くなろうとも、ばら撒きをやり続けるというとこだったわけです。
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もし日曜日の予備選のとおり、【前政権の首相だった人が大統領になってしまったら、政権に返り咲いたら何が起きるか?】
➡今のところ言われてるのが、【年金の支給額を増額する】【最低賃金を増額する】というように、財政規律を無視した「ばら撒き」政策を行うということになっていまして、アルゼンチンで「ばら撒き」をやるとどうなるかというと、過去の事例でいったら【デフォルト】になるだろうという風に、マーケットは見てるわけです。
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そうなると何が悪いかというと【海外からの投資が逃げてしまう】からです。既に月曜日のマーケットのこれだけの【暴落】っていうのは、⇒【外国投資が逃げた】兆候だったと思われます。
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これに対して【アルゼンチンの中央銀行】は、通貨を防衛しないといけないので、【金利を10%ぐらい一日で上げてる】んですけど、これによって【政策金利が74%】になって、かつ【為替介入】をして必死で、【通貨安をなんとか支えよう】としています。
 
これはですね、ヨーロッパで数年前にあった【ギリシャ危機】とよく似てます。この時も政府はギリシャの国債を沢山売って借金をしまくってたわけですね。しかしその時にデフォルト懸念(ギリシャはデフォルトになるんじゃないか?という)が出たところで、国債が一斉に売り叩かれたところです。この時と今アルゼンチンは同じような形になってるんですね。アルゼンチンの場合は現在、【国債・株式・通貨】と【トリプル安】➡すべてが売られてるという状態になっています。
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特にアルゼンチンのケースで【気になるのが➡アルゼンチン国債のデフォルトのリスクに対して保険という形で発行されているのが、【クレジットデフォルトスワップ➝CDS】という、今はデリバティブの一種として大変有名になってしまった「悪名高きデリバティブ」ですが、このアルゼンチン国債の保険商品として、このCDSが相当出てるはずなんです。この【CDSのマーケット】の【アルゼンチン国債のデフォルトの確率➝デフォルト率】というのが既に【75%】なんです。もう75%になってるんですね。
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こうなると、もうアルゼンチンだけの問題じゃないんです。【アルゼンチンのCDSがこんなにリスクが高くなるということは、「CDSのマーケット全体」に影響】します。このCDSというと、思い出すのは【ドイツ銀行】ですね。ドイツ銀行がものすごい数を売って、自らも持っているはず。このドイツ銀行が一体いつ破綻するのかっていうのが世界がずっと心配、懸念してる部分なんですが、よもやこのアルゼンチンからドイツ銀行のCDSに飛び火しないだろうかというのが、気になる一点です。
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そしてアルゼンチンというと【中国との関係】がある国なんです。一年ぐらい前にこの時も通貨が下落しています。ペソが下落して、IMFから支援を受けたんです。その時に中国が接近しています。習近平さんが接近してるわけですね。そして【通貨スワップ協定】これの枠の拡大を持ちかけてるんです。既に中国はその通貨スワップの枠はもっていたんですが、その枠を拡大しましょうという風に助けの手を差し述べたんですね。
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この南米というのは、いわゆる「アメリカの裏庭」と言われるぐらい、アメリカとの影響が長年大きかった地域です。しかしトランプ政権になってからアメリカの南米におけるプレゼンスというのはかなり弱くなっています。そんな中で、アルゼンチン、ベネズエラが国家破綻に近い状態になってるわけなんですが、そこに助けに現れたのが、【中国】なんです。
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【中国】はアメリカに代わって【南米の覇権】をアメリカから奪おうとしているわけです。そしてあの【一帯一路】…一帯一路ってユーラシアの大陸ことだと思ってたんですが、実は「一帯一路」を南米とも組んでやろうとしているわけなんです。ただここでアルゼンチンがもしかしたらデフォルトになるかもしれない。➝そうなるとアルゼンチンに手を差し延べてきた中国の政策は裏目に出る確率があります。➝中国にも飛び火するかもしれない。ちょうどタイミングが悪いことに【中国の人民元】が今、今月の初めから【下落中】なわけです。
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それによってトランプ大統領から【為替操作国】に認定されたばかりです。「1ドル7元」という一番超えてはいけないところをもう超えてしまってるので、この【元安】が止まらないわけですね。中国はアルゼンチンのことを心配してる場合ではないはずなんですが、むしろこの「アルゼンチンの通貨安」が人民元にも今後飛び火してくる可能性があります。
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そして影響を受けるのは中国だけではありません。こういう中国とかアルゼンチンとかというのは、いわゆる【新興国マーケット】と言われるわけです。【新興国マーケット】の特に為替市場に大きな影響が拡散していく可能性があります。例えば、オーストラリアドル、ニュージーランドドル、これはまあ新興国とは言いずらいんですけど、このオーストラリアドルとかニュージーランドドルにも既に影響が出つつあります。
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それから、近いところで言うと、メキシコのペソ、それから新興国という意味ではヨーロッパのトルコリラ、この辺にも影響がもう既に出ています。つられてみんな下がっちゃうんですね、こういう新興国の通貨っていうのは皆弱いので、つられて下がるということがもう既に起きてるわけです。
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もう一回中国に戻りますけど、この同じタイミングで香港でデモが起きている。昨日の動画でもお届けしましたけど、この香港のデモが今激しくなってるわけですね。この香港のデモによって香港の株式市場の株価はかなり下落しています。ということは、香港の資金がもう香港はだめだということで、香港の資金が香港からもう逃げだしている状態ですね。
 
このように香港から資金が逃げ出す。アルゼンチンからも、中国の人民元からも、こうして新興国のあんまり信用のない弱い通貨のマーケットからどんどん資金が逃げている。➝【キャピタルフライト】これが、安心できる通貨、【円、ドル、スイスフラン、金】、こういうところにどんどん資金が動いてるというところです。
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最後に【日本の機関投資家】、日本の個人投資家もそうでしょうけど、この【アルゼンチンやトルコのような新興国の国債、それから投資信託を買ってる場合】もあると思うんですが、「要注意】だと思います。
 
今日はここまでです。ご視聴誠にありがとうございました。