2025/10/03配信
金価格「7000ドル」を予測するこれだけの理由

真夏の、うとうとするような日曜日のことだった。多くの米国人が自宅のテレビで西部劇ドラマ『ボナンザ』を見ていると、画面が突然切り替わり、リチャード・ニクソン大統領が映し出された。ニクソンは、米ドルと金(ゴールド)の兌換を禁止するといきなり宣言した。
のちに「ニクソン・ショック」と呼ばれることになる出来事は当時、国際通貨体制のたんなる調整のように見えたかもしれない。
だが実際には、米国はこの日を境に財政規律をかなぐり捨て、変動相場制へと向かったのだった。
1971年以前、流通するすべてのドルは有形の実物に裏づけられていた。35ドルを持っていけば1トロイオンスの金と交換できたのだ。1971年以降は「印刷された紙幣そのものに何の価値もなくなった。それは人工的なものであり、人工的なものはすべて仮のものにすぎない」。
最後の一文は最近出た書籍『1971: How All of America’s Problems Can Be Traced to a Singular Day in History(仮訳:1971年──アメリカのあらゆる問題の発端になった一日)』からの引用だ。読者にもぜひ手に取っていただきたい一冊だ。著者のポール・ストーンとデイブ・エリクソンはそのなかで、ドルと金の結びつきがほどかれたことが米国のインフレや債務膨張の根本原因であり、さらには「歯止めのかからない道徳的退廃、人種差別、薬物蔓延、家庭の崩壊、戦争、飢餓」などの淵源でもあると論じている。
金との切り離しでタガが外れた米国財政
ストーンとエリクソンの結論には納得できない点があるという人もいるだろう。それでも、ひとつの点については誰もが同意するはずだ。ドルが金から切り離されるや、政府は節度なく支出をするようになったということだ。政治家たちはもはや厄介な選択をせずに済むようになった。支出を減らす、あるいは増税する代わりに、そのまま財政赤字を出し、不足分は連邦準備制度理事会(FRB)に穴埋めしてもらえばよくなったからだ(詳しい経緯については以前に筆者が作成した年表を参照してほしい)。
そもそも、それが最初から狙いだったのかもしれない。ストーンとエリクソンによると、ニクソンと彼のアドバイザーたちは金本位制によって米国のパワーが制約されているとの認識から、ドルと金の結びつきを断ち切ればソビエト連邦を上回る支出をし、世界と「すべての人を支配」できると信じていた。
それからおよそ55年後、米国の政府債務は37兆5000億ドル(約5500兆円)という途方もない額になっている。国内総生産(GDP)に対する比率は約124%に達する。国際金融協会(IIF)によると、世界全体でも債務は338兆ドル(約4京9600兆円)に膨れ上がっており、GDP比は324%を超える。比較のために言うと、ニクソンが「金への窓」を閉めた当時、米国の政府債務は約4000億ドル、GDP比は40%足らずだった。
要するに、米国はわずか50年あまりで、規律のある財政システムから放漫な財政システムへ堕落してしまったのだ。
有限な「実物貨幣」としての金
筆者はもう何十年も、暴走する債務と誤った金融財政政策に対する“究極のヘッジ(資産防衛手段)”は金だと言い続けてきた。2020年にCNBCアジアの番組に出演した時には、金価格は1トロイオンス4000ドルまで上がると予測していたが、いまではそれに手が届くところまで来ている。金は足元で3800ドルを超える水準で取引されており、トレーダーはFRBによる複数回の利下げを織り込んでいる。
また、世界各国・地域の中央銀行は競うようにして金地金を準備資産として積み増している。国際業界団体のワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)によると、世界の中銀は今年1〜7月に正味200トンを購入した。ただ、前年同期からは4%ほどの増加にとどまる。中銀総裁たちは、不換紙幣は望めばいくらでも刷れても、実物貨幣としての金は有限だということを理解している。
裏を返せば、そうした有限性に担保される価値があるからこそ、金はいまでは世界でドルに次ぐ第2の準備資産になっているのだろう。しかもドルと違って、金にはカウンターパーティーリスク(取引相手の破綻リスク)が存在しない。
ほかの貴金属も見過ごすな
注目すべきは金だけではない。今年は銀、プラチナ、パラジウムも大きく値上がりしている。米投資情報誌バロンズは最近の記事で、パラジウムが金やプラチナに対してなおかなり割安な水準で取引されていることに触れつつ、パラジウム価格は過去最高値の3400ドル超に向けて「上昇局面の初期段階」(ブルームバーグ・インテリジェンスのシニア商品ストラテジスト、マイク・マクグローン)にある可能性があると伝えている。
記録的な債務水準の時代
こうした状況に、現在の過剰に膨らんだ、テクノロジー株主導の株式市場を重ね合わせて考えてみよう。米金融取引業規制機構(FINRA)によると、投資家が証券会社から借り入れて投機に使う資金「証拠金債務(マージンデット)」は8月、過去最大の1兆600億ドル(約155兆円)にのぼった。前年同月に比べると約33%の増加である。過去には、証拠金債務の急増に続いて市場に大規模な調整が入ることが多かった。今回も同様の暴落が起こるとは断言しないが、留意しておくべき点だろう。
米国の政府は過剰な借り入れ状態にあり、家計も過去最大の18兆3900億ドル(約2700兆円)もの債務を抱えている。さらに投資家も過度なマージン取引を続けて市場の活況を維持している。筆者の考えでは、まさにこういう時こそ金を保有しておくべきだ。
金価格は「7000ドル」の高みへ
では、金はこの先どこまで値上がりするのか。
筆者の新たな予測は1トロイオンス7000ドルだ。ドナルド・トランプ大統領の2期目の終わり(2029年1月)までに到達する可能性もある。
理由は単純だ。債務の山はとんでもなく巨大であり、さらにどんどん積み上がっている。財政の不均衡が拡大し、金融政策は制約を受けている。FRBは金利を積極的に引き上げれば政府を破綻させてしまう一方、大幅な利下げに踏み切れば著しいドル安を招く結果になる。
筆者の見るところ、このどちらの選択肢も金価格の押し上げ要因になる。
同時に、世界の中央銀行は記録的なペースで金地金の買い入れを続けている。また、WGCによると北米の金価格連動型上場投資信託(ETF)への正味の資金流入額は今年、過去2番目の大きさとなっている。他方、インドや中国をはじめとする国々では、金の小売り需要も引き続き堅調だ。世界の金購入のおよそ6割を占める「ラブトレード(金への愛着に基づく取引)」が牽引している。
10%の「黄金律」
投資家であるわたしたちには、米政府のような贅沢は許されない。際限なく赤字を垂れ流すわけにはいかないし、もちろん自分でお金を刷ることなどできない(もしできたら人生はどんなに楽だったことか)。わたしたちは身の丈に合った生活をしなければならず、収支の帳尻を合わせる必要がある。
そういうわけで、筆者はずっと金こそが「真の資産」だと考えてきた。古来、歴史上のあらゆる帝国を通じて、富を保存する役割を果たしてきたものが金なのだ。投資家のレイ・ダリオと同じく、筆者は資産の10%を金に配分することを推奨している。うち半分は金現物(コインや地金、宝飾品、金連動型ETF)に、もう半分は優良な金鉱株に投じるのが望ましい。定期的にリバランス(資産配分の調整)することも忘れないようにしたい。
繰り返すと、筆者はかつて金価格4000ドルを予測したが、すでにそこにほぼ到達している。この先、7000ドルが視野に入ってきたといまではみている。大胆な予測に思えるかもしれないが、巨額の債務に覆われた今日の状況では、それはむしろ賢明な判断ではないかとも思っている。
(forbes.com 原文(英文))
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金価格「7000ドル」を予測するこれだけの理由
https://forbesjapan.com/articles/detail/82928?read_more=1
DM(資料請求)郵送に加えて
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買取売買が対面できるので開設しました。
最寄りの直営店に
口座開設前に立ち寄り
ジュエリー等金(ゴールド)の現物も
下見して決めました。
投資家や機関投資家にも目を付けられ
私的に今年から始めた
金価格に連動した
(NISA成長投資枠にも入っている)
✜ハイブランド
信頼できる販売元を選ぶ
ことが大切です。
どこにも逃げられない