【3月19日の米国市況】

S&P500が最高値、円は年初来安値-
関心はFOMCに


19日の米株式相場は続伸。

S&P500種株価指数は最高値を再び更新した。

日本銀行の金融政策決定会合を通過し、

市場の関心は20日の

米連邦公開市場委員会(FOMC)政策発表

に移っている。


株式終値前営業日比変化率
S&P500種株価指数5178.5129.090.56%
ダウ工業株30種平均39110.76320.330.83%
ナスダック総合指数16166.7963.340.39%

この日も大手ハイテク7社「マグニフィセント・セブン」の株価が堅調。

その一角を占め半導体大手エヌビディアは、前日に発表した人工知能(AI)コンピューティング向け次世代チップへの期待感を背景に買いが優勢となった。

エヌビディアCEO、データセンター投資で大型シェア獲得に期待

ゴールドマン・サックス・グループのストラテジストは米株式相場について、良好な成長と一段のインフレ正常化というマクロ経済的背景がある中で下げた場合には、投資家は押し目買いに動くべきだと指摘している。

クリスチャン・ミューラーグリスマン氏率いる同行ストラテジストは「株式のモメンタムが広範なリスク選好を下支えしており、米国の金利ショックがよほどのものでない限り、継続的な相場反転の可能性は限定的とみられる」とリポートに記した。 

米株の上昇が行き過ぎかつピッチが速過ぎるかどうかを巡り、ウォール街では意見が分かれており、バンク・オブ・アメリカ(BofA)のストラテジストの間でさえも見解は異なる。

BofAのストラテジスト、米株相場の「陶酔感」巡り意見分かれる

BofAの米国株・クオンツ戦略責任者、サビタ・スブラマニアン氏はAIへの熱狂が相場をバブルの領域に押し上げている証拠はほとんどないと主張。好調な業績と底堅い米経済を改めて指摘し、株価には上昇余地があるとみている。これは同行のチーフ投資ストラテジスト、マイケル・ハートネット氏が先週示した見解とは逆だ。

BofAが実施した最新のファンドマネジャー調査によると、AI関連銘柄がバブル状態にあるかどうかについて、投資家は40%が「はい」、45%が「いいえ」と回答し、意見が分かれている。

  22Vリサーチが実施した調査によると、投資家の5割超は、S&P500種が次に10%動くのは上昇のケースだとみていることが明らかになった。FOMC会合後の市場の反応については「リスクオン」予想が37%、「リスクオフ」予想が33%、「ごくわずか・まちまち」予想が31%となっている。

国債

米国債相場は上昇(利回りは低下)。1300億ドル規模の20年債入札には強い需要が見られた。

FOMC会合では5会合連続での政策金利据え置きが予想されており、市場では四半期経済予測で示される金利予測分布図(ドット・プロット)の方に注目が集まるとみられる。最新の経済予測を通じ、依然として好調なデータが当局者の利下げ意向を後退させているのか、それとも年内3回の利下げ見通しに変化がないのかが示される。 

ブラウン・ブラザーズ・ハリマン(BBH)のウィン・シン氏とエリアス・ハダッド氏は「米国債利回りとドルの上昇が続くかどうかは、タカ派的なシナリオが正当であると米金融当局が確認するか否かにかかっている」と指摘。「パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長がタカ派的な筋書きから離れずにいれば、メッセージは一貫性を保ち、市場の反応は限定的なものになるだろう。その筋書きから外れてハト派的な発言をすれば、市場の反応はかなり激しくなるだろう」と語った。

FOMCは会合で、金融当局のバランスシートを巡って掘り下げた議論も開始する。

FOMCに回答迫る、FRBバランスシートに関する疑問が山積

ウルフ・リサーチのクリス・セニェック氏は「バランスシートの計画を巡る発言は、利下げのタイミングに関する発言と同じぐらい重要だというのが当社の見解だ」とし、「5月の金融政策決定会合まで量的引き締め(QT)テーパリングの公式発表はないと予想されるが、その開始時期やペースがどうなるのか、そのあたりを見極めたい」と語った。 

外為

外国為替市場では、ブルームバーグ・ドル・スポット指数が4営業日続伸。円は主要10通貨で最悪のパフォーマンスとなった。
(以上、一部抜粋引用転載)

(@business)

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-03-19/SAM29NDWRGG000