「腸活」って結局何。

管理栄養士に聞いた、まずやるべき腸活! 

(CanCam.jp)より

(12/27(火) 7:04 Yahoo!ニュースから引用)



腸活って何をしたらいいの? 


ここ数年、とてもよく耳にするようになった言葉、

「腸活」。


 「なんとなく健康に良さそう、お通じが良くなりそう」

「ヨーグルトや納豆など、発酵食品をいっぱい食べる」など、ざっくりとしたイメージはありますが、

改めて「結局どう体にいいの?」

「何から始めたらいいの?」と聞かれると、

答えられない人も多いのではないのでしょうか? 


【アンケート結果】

腸活の目的を調べてみた そこで、改めて知っておきたい「腸活」について、アスリートの腸内細菌データを世界トップクラスで保有し、腸内細菌の研究をベースに科学的に追求した腸ケア商品やサービスを開発・販売するAuB株式会社の管理栄養士、清水瑠美さんにうかがいました。 


Q.そもそも「腸活」って何? 


A.体の土台を整える行動です 最近あらゆるところでよく聞くようになった言葉ではありますが、

実は30年ほど前から言われてきたもの。 


よく、「腸活」はお通じを良くすることが目的とされがちですが、それよりもっと広く「体の土台を整えるための行動」と認識しましょう。


腸内細菌は、免疫力や栄養の吸収など、体の根本に影響を与えるため、腸が整っていない状態で他の健康改善に取り組んでも、あまり効果が出ないことも…。 


意識的に腸活を行うと、まず1週間程度でお通じに変化が出始めます。


そこからだいたい3か月ほどで、次第に

「そういえば最近、風邪を引きにくい」

「太りにくくなった気がする」などの

体の変化を感じるようになるはずです。


すぐに体そのものが変化するわけではなく、

ある程度時間が必要なため、

コツコツと毎日できることを積み重ねていきましょう。


Q.「腸活」って何をしたらいいの? 


A.「菌を摂る→育てる→守る」の3STEPをコツコツと 大きく分けて

「発酵食品やサプリなどで菌を摂る」

「摂った菌に食物繊維などのエサをあげて育てる」

「育てた菌を守る」こと。


できる範囲で毎日コツコツ取り組んでいきましょう。 


STEP1.発酵食品を食べて、菌を体に取り入れて まずは菌を体の中に入れるところからスタート。


ヨーグルト、キムチ、納豆、味噌、塩麹など

「発酵食品」を意識的に摂ることから始めましょう。


===========================

【メモ】


◎発酵食品の種類◎
〘乳酸菌/納豆菌/酢酸菌/酵母菌/麹菌〙
(例:納豆/味噌/酢/醤油/酒類/プレーンヨーグルト/
チーズ/甘酒/米麹/米糠漬け/キムチ/酒粕/豆板醤/コチュジャン/オイスターソース/生ハム/ドライソーセージ/くさや/烏龍茶/紅茶/ナタデココ/葛餅)

=========================#


腸内細菌で何よりも大切なのは

「バランスをとる」ことです。


理想的な腸内環境とは

「ある1種類の菌をたくさん蓄えた状態」ではなく

「多様性があり、いろんな菌がいる」状態。


さまざまな菌がいることで、

お互いに助け合って働いてくれます。 


そのため、発酵食品は「これを食べておけばOK!」というわけではなく、可能な範囲で構わないので、多くの食材をいただくことが重要。


ヨーグルトも、メーカーによって使われている菌が少しずつ違うので、気に入ったヨーグルトを1種類食べ続けるよりも、何種類かをローテーションするほうがおすすめです。

 

「ヨーグルト製品は、ものによっては糖質量が多い」「キムチ・ぬか漬けなどは塩分が高め」など、

栄養バランス面で気になることがある場合や、

食事の調整がしにくい旅行・出張先などでは、

整腸剤やサプリなどの力も借りると、

整えやすくなります。 


STEP2.摂った菌を育てましょう 

外から摂れる菌は、思ったより多くありません。

そのため、お腹にいる菌を育て、働きやすい環境にすることも大事です。

菌がエサにするのはオリゴ糖や水溶性食物繊維。

菌によって芋類・豆類・海藻など、相性のいいエサが異なるので、こちらもできるだけ多くの食品を摂るとより効果はアップします。


 \おすすめの組み合わせ/ 


・ヨーグルト×バナナ 

・キムチ×納豆 

・お味噌汁×余り野菜など、

たくさんの具材 これらは

「菌を摂る」と「育てる」をどちらもできる上に、

簡単に食卓に並べられるので、迷ったらこちらを。 


腸活はできるだけ毎日継続することが重要なので

「いかに簡単にたくさん取り入れるか」がキー! 


難しく考えすぎず、できるところから始めましょう。 



STEP3.育てた菌を守りましょう 


食事、温度、運動、ストレスなど、

あらゆることが腸内環境に影響を与えます。

特にこんなことに気をつけてみてください。 


・お腹周りを冷やさない 

菌が活発に働く温度は37度前後。

体を冷やすと菌が働きにくくなってしまうため、

季節に関わらずできるだけ冷たい飲み物を避ける、

湯船に浸かって体をあたためる、

寝るときは腹巻きをするなど、

「あたためる」ことを意識して。 


・口内を清潔に保つ 虫歯菌や歯周病は、口の中だけでなく、一部は腸まで届いていい菌に悪さをしてしまう可能性があります。それを防ぐ意味でも、

雑菌が口内にいる食後の歯磨きは大切です。

また、朝起きた直後は、水を飲む前に口をゆすぐ


・軽く歯みがきをする


・マウスウォッシュをするなどを心がけて。 


・ストレスをためない


 目に見えて数値にするのが難しい「ストレス」ですが、緊張やストレス、疲れは腸に負担を与えます。

緊張する仕事の日、胃腸が不調になった経験がある方も多いはず。

リラックスする時間を作ったり、ストレス解消手段をいくつか持ったりと、自分なりの対処法を知っておきましょう。 


Q.何から腸活を始めたらいいかわからない…


そんなときどうする? 


A.「今できていないこと」をひとつ始めるだけでOK!


特に朝ごはんを調整して 


1.「今できていないこと」をひとつプラス 先程の3STEPの中で、できていないことを上から順に始めましょう。


まず、「菌を摂る発酵食品をほとんど食べられていない」なら、そこからスタート。 


「なんとなく発酵食品を食べているけれど食物繊維を摂れていない」なら、何かしら追加。


野菜、果物、海藻、大豆など、足りていないものをプラスしましょう。


 水溶性食物繊維は菌のエサになるだけでなく、糖の吸収を緩やかにしてくれる効果もあるので、ダイエットにも◎。


 2.「朝ごはん」を腸活ごはんにする 昼や夜は仕事の関係で食事がコントロールしにくい方も、「朝」は比較的食事の調整がしやすいはず。


 たとえば 

「雑穀ごはん、野菜たっぷり味噌汁、納豆、キムチ」

などは、発酵食品も食物繊維もたっぷり摂れる

おすすめの組み合わせ。


「朝から野菜の味噌汁を作る時間はない…」

という場合は、

乾物のわかめや海苔など海藻類を入れた味噌汁

でもokです。 


特に朝は積極的に食物繊維を食べておくと、その後の食事でも血糖値が上がりにくくなり、ダイエットにも効果大。「糖質・タンパク質・食物繊維」の3点セットを摂ることで、バランスよくエネルギー補給ができとなり、代謝を下げずに済みます。 食物繊維は、1食で8g前後くらい摂るのが目標。


サラダや汁物、小鉢などで、手のひらにのるくらいの野菜を目安にしましょう。


その他、

お米を雑穀米やもち麦、オートミールに替えるだけでも、食物繊維量を増やすことができます。 


Q.腸活で意外と見落としがちな注意事項はある? 

 

管理栄養士・公認スポーツ栄養士 清水瑠美さん 


A.タンパク質の摂りすぎ、風邪、過度なダイエットに気をつけて


 1.「タンパク質の摂りすぎ」に要注意 体づくりに大事なタンパク質。

もちろん不足しないように摂るのは重要ですが、摂りすぎは実は腸に負担を与えます。

体重1kgあたり2gが上限です(体重50kgの場合、1日100gまで)。

毎日3食、主食&主菜を何かしら食べている方の場合は、思っているよりしっかり摂れているので、プロテインなどで補ってあげる必要がないパターンもあります。


 今、便が硫黄のようなにおいがする場合は、

タンパク質の摂りすぎの可能性があります。 


たんぱく質単体で摂りすぎてしまうと、腸内環境を乱してしまう可能性もあるため、タンパク質を摂る際は、一緒にサラダや具沢山の汁物をつけて、食物繊維を補うことを意識しましょう。 


2.風邪を引いた後は

集中的に腸活に取り組んで 風邪のとき、

病院で処方される「抗生物質」は、 

体に悪さをする菌をやっつけてくれますが、

同時にいい菌にまで悪影響を与えるため、

一気に腸内環境が変化します。

 

医師から処方されたら飲み切る必要がありますが、

抗生物質を飲んだ後は

「菌を摂る・育てる・守る」の3STEPを意識して腸のケアを集中的に行いましょう。 


3.ダイエットで食事を抜くのは腸活にも危険 過激なダイエットなどで食事を抜くと、腸内細菌のエサがなくなるため、一部腸壁をエサとして摂る「リーキーガット」という現象が起きます。

これが免疫力低下や体調を崩すことにつながるので、要注意。


また「デブ菌」「ヤセ菌」という言葉を耳にすることがあります。


確かに血糖値やエネルギー吸収に関わる菌など、

体型に直結しやすい菌はいるにはいます。

ただ「特定の菌がいること=ダイエットにいい」ではありません。

何より重要なのはバランス。 

たくさんの食材を取り入れることが、何よりの腸活です!


Column:食事抜きダイエットは、長期的には逆効果になりがちです 食事を抜くと、糖質は水分を抱え込む性質があるためその水分が減り、目に見えて体重が減りやすいですが、体脂肪が減って体重が落ちたわけではありません。立ちくらみなどを引き起こすので要注意。最近話題の「16時間断食」も、体が省エネモードになる上、筋肉量が減りやすくなるので、長期的に見ると太りやすいです。「食べすぎたので胃腸を休めたい」など、スポット的に行うのは構いませんが、長期的にはおすすめしません。 


これからやってくる師走の忙しい時期。


人との外食や多忙での食生活の乱れなどが起きやすい季節ですが、食べるものを少し意識するだけでも、積み重ねれば大きな変化になるはず。


「ひとつできないからもう何もしなくていいや」

と自暴自棄になるのではなく、

「今できることを、何かひとつ」意識して、

体を整えてみて! 

 

お話をうかがったのは… 


AuB株式会社 管理栄養士・公認スポーツ栄養士 清水瑠美さん 

アスリートの腸内細菌データを世界トップクラスで保有し、腸内細菌の研究をベースに科学的に追求した腸ケア商品やサービスを開発・販売するAuB株式会社にて、一般の方からアスリートすべての人を対象とし、”食”の観点から、日々の悩みや課題のヒアリング・提案など、幅広くサポートを行う。